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欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、貿易戦争懸念のなか押し目買いも

注目トピックス 市況・概況
11日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想したい。米トランプ政権の対中追加制裁で米中両国の対立が深まるとの懸念から円買いに振れやすい見通し。ただ、今日と明日発表の米国のインフレ指標を見極めるムードが広がり、ドル売りは限定的となりそうだ。

米国は中国の知的財産権侵害の追加制裁として、6000余りの品目に2000億ドル規模の輸入関税を9月以降に発動する。今月6日から一部に輸入関税を発動しており、中国側は「米国の対中追加関税は受け入れられず、対抗措置を取る」(商務省)と報復措置を講じる構え。10日に発表された中国の消費者物価指数などは堅調な内容を示したため、中国の株価や人民元の大幅な下げは想定しづらいが、市場関係者からは中国経済の先行き不透明感も指摘される。米中双方による追加制裁と報復措置の連鎖に警戒感が広がっている。

本日のアジア市場では上海総合指数など中国株が弱含み、人民元は対ドルで値を下げた。ドル・円は朝方から警戒の円買いが先行し、110円77銭まで下落する場面もあった。この後の海外市場でも、同様に円買いに振れやすい展開となりそうだ。一方、今晩発表される米国の6月生産者物価指数(PPI)と明日の消費者物価指数(CPI)への関心が高まっている。CPI前年比は前回よりも伸び拡大が予想され、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース加速観測を後押しする見通し。このためドル売りは仕掛けづらく、下落局面では押し目買いも見込まれ、111円から大きく下げる展開は想定しにくい。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週(前回:-0.5%)
・21:30 米・6月生産者物価指数(前月比予想:+0.2%、5月:+0.5%)
・23:00 米・5月卸売在庫改定値(前月比予想:+0.5%、速報値:+0.5%)
・23:00 カナダ中銀が政策金利発表(0.25ポイント引き上げ予想)
・00:35 カーニー英中銀総裁講演(米ボストン)
・02:00 米財務省10年債入札(220億ドル、リオープン)
・05:30 ウィリアムズNY連銀総裁が対話集会に出席(ブルックリン)




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