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新興市場見通し:決算シーズン入りで好業績株を個別物色、お盆休み前に2社IPO

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、マザーズ指数や日経ジャスダック平均が週半ばにかけての上昇で25日線を上回った。日経平均が外部環境睨みで一進一退となり、主力企業の決算発表が本格化する前だったこともあって、中小型株に幕間つなぎ的な物色が向かったようだ。時価総額上位のバイオ株が買われたこともマザーズ指数を押し上げた。しかし、週後半には決算発表シーズンに入り、好業績の東証1部銘柄にも投資家の関心が向かったため、マザーズ指数などは伸び悩んだ。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.1%であったのに対して、マザーズ指数は+1.0%、日経ジャスダック平均は+1.1%だった。

個別では、メルカリ<4385>が週間で2.4%安となる一方、MTG<7806>が同2.0%高、ミクシィ<2121>が同1.6%高となるなどマザーズ時価総額上位は高安まちまちだった。ただ、ジャパンインベストメントアドバイザー<7172>(JIA)が同12.9%高、サンバイオ<4592>が同14.5%高と大きく上昇した。サンバイオは慶應義塾大学医学部との共同研究を発表している。売買代金上位では業績上方修正のJMC<5704>が大幅高となり、ユニー・ファミリーマートHD<8028>との業務提携を発表したジェネレーションパス<3195>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、データセクション<3905>やALBERT<3906>は利益確定売りに押された。ジャスダック主力は日本マクドナルドHD<2702>が同0.8%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同0.4%高と全般小動き。売買代金上位では電気自動車(EV)関連の田中化学研究所<4080>などが活況を見せ、業績上方修正のディーエムエス<9782>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。反面、大規模な株式売出し実施を発表したビジョナリーHD<9263>は急落した。IPOでは6社がマザーズへ新規上場し、いずれも堅調な初値形成となった。GA technologies<3491>など4社は公開価格の2倍を超える初値を付けた。

今週の新興市場では、決算を受けた個別物色中心の展開となりそうだ。但し、東証1部でも好決算で値を飛ばす銘柄が出てきており、個人投資家の物色も分散しがちになるだろう。これまでさえない値動きが続いていたマザーズ主力株では需給改善の兆しが見られるものの、指数の本格的なリバウンドは決算発表一巡後となる可能性がある。日米の金融政策や米中・米欧の通商問題を巡り、相場全体の地合いが急変する場面にも注意したい。

今週は、7月30日にインフォコム<4348>、弁護士ドットコム<6027>、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング<7774>、31日にセリア<2782>、ドリコム<3793>、ALBERT、フリークアウト・HD<6094>、ニューフレアテクノロジー<6256>、アイペット損害保険<7323>、8月2日にJIA、3日にユナイテッド<2497>、アドバンスト・メディア<3773>、オンコリスバイオファーマ<4588>、日特エンジニアリング<6145>などが決算発表を予定している。業績堅調なインフォコムやアイペット、急伸中のJIAなどに注目したい。

IPO関連では、8月2日にイボキン<5699>がジャスダックへ、システムサポート<4396>がマザーズへ新規上場する。2社同時上場で初値買い資金の分散が想定されるものの、お盆休み前最後のIPOとあって投資家の参加意欲は高まりそうだ。特にIPOで根強い人気のあるIT/システム系企業のシステムサポートは初値期待が高いようだ。



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