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欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの展開か、日銀が金融緩和継続へ枠組み強化

注目トピックス 市況・概況
31日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの展開を予想する。日銀が「強力な金融緩和を継続するための枠組み強化」を決定したことで、円売りは続く見通し。また、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ方針継続を背景としたドル買いも見込まれる。

日銀は30-31日に開催した金融政策決定会合での討議を踏まえ、「短期金利は、日銀当座預金の一部に適用する金利はマイナス0.1%を維持」も、「マイナス金利適用の政策金利残高を減少させる」。また、「長期金利は、償還までの期間が10年の国債の利回りが0%程度で推移するよう、年間約80兆円めどのペースで国債を弾力的に買い入れ実施継続」も、「経済・物価情勢などに応じて上下にある程度、変動しうるものとする」とした。そして、「2019年10月の消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利水準を維持することを想定」と政策金利のフォワードガイダンスを導入した。同時に発表された展望レポートでは、物価上昇率の見通しを2018年度は1.3%から1.1%とするなど引き下げ、2%の上昇目標は先送りされることになった。

日銀の政策発表を受け、アジア市場では111円40銭台に強含んだ後、「物足りない内容」(ある市場筋)との見方から111円付近に失速する動きとなったが、今のところ111円台は維持しており、緩和政策の維持を背景とした円売り基調は海外市場でも継続しそうだ。今晩の取引では、21時半発表の米国の6月コアPCE価格指数が材料視されよう。同指数は前年比+2.0%と、連邦準備制度理事会(FRB)の目標に達する見通しで、目先の利上げ継続を見込んだドル買いが見込まれる。反面、本日と明日開催する連邦公開市場委員会(FOMC)を見極めるムードも広がりやすく、ドル買いは限定的と予想したい。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・6月失業率(予想:8.3%、5月:8.4%)
・18:00 ユーロ圏・7月消費者物価指数速報値(前年比予想:+2.0%、6月:+2.0%)
・18:00 ユーロ圏・4-6月期GDP速報値(前年比予想:+2.2%、1-3月期:+2.5%)
・18:30 南ア・4-6月期失業率(1-3月期:26.7%)
・21:00 南ア・6月貿易収支(予想:+50億ランド、5月:+35億ランド)
・21:30 米・6月個人所得(前月比予想:+0.4%、5月:+0.4%)
・21:30 米・6月個人消費支出(前月比予想:+0.4%、5月:+0.2%)
・21:30 米・6月コアPCE価格指数(前年比予想:+2.0%、5月:+2.0%)
・21:30 米・4-6月期雇用コスト指数(前期比予想:+0.7%、1-3月期:+0.8%)
・22:00 米・5月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数(前年比予想:+6.40%、4月:+6.56%)
・22:45 米・7月シカゴ購買部協会景気指数(予想:62.0、6月:64.1)
・23:00 米・7月消費者信頼感指数(予想:126.0、6月:126.4)
・米連邦公開市場委員会(FOMC、8月1日まで)




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