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欧米為替見通し:ドル・円は弱含みか、欧州通貨の買い戻しが下押し要因に

注目トピックス 市況・概況
8日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開を予想したい。中国の貿易収支発表をきっかけにユーロ・ドルなど欧州通貨の買い戻しに振れ、ドルを下押しする見通し。また、日米通商協議(FFR)への警戒から円買いに振れる場面もありそうだ。

本日昼ごろ発表された中国の7月貿易統計では、輸出が前年比+12.2%、輸入は同+27.3%と、いずれも前回から伸びが拡大した。最近の米中通商摩擦により米トランプ政権は中国からの一部輸入製品に制裁関税を発動し、中国の輸出は減少が見込まれていただけに予想外の増加となった。また、輸入の大幅増加を受け内需が旺盛な状況も観測される。それをきっかけに中国と交易関係が深いオーストラリアや欧州連合(EU)などが注目され、特にユーロがドルや円に対して買い戻される動きが強まった。また、ユーロに追随してポンドも買われ、ドル・円は欧州通貨の上昇の影響からやや下押しされた。

この後の海外市場でも、中国人民銀行による人民元安定化に向けた措置や中国貿易統計を材料視した相場展開が予想される。ユーロやポンドの買い戻しが続けば、ドル・円は一段安となる見通し。また、明日から始まるFFRで日本の自動車輸出などへの影響に警戒が広がっており、目先は円買いに振れる場面も想定される。一方、トランプ政権による対イラン制裁の一部再開で原油が強含み、米長期金利が上昇しやすく、米利上げ継続方針を背景としたドル買いは根強い。ドル・円は今のところ111円付近が支持線として機能していることから、急落する展開は回避されるだろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-2.6%)
・21:45 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演
・02:00 米財務省10年債入札(260億ドル)
・06:00 NZ準備銀行が政策金利発表(1.75%に据え置き予想)



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