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欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、トルコリラ売り再開に根強い警戒

注目トピックス 市況・概況
14日の欧米外為市場で、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。トルコリラ安への過度な懸念は弱まるなか、米国の利上げ継続を背景としたドル買いが入りやすい地合いとなる見通し。ただ、トルコの外交問題などによるリラ売り再燃リスクは残り、警戒の円買いがドル・円の上昇を抑えそうだ。

トルコ中銀が前日、足元のリラ急落を受け流動性供給の拡大などの方針を発表すると、ユーロ圏の金融資産悪化への不安が和らぎ、リスク回避の円買いは徐々に後退。本日のアジア市場では前日までの円買いを巻き戻す展開となっている。また、米国の堅調なインフレ指標を背景に連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続を見込んだドルの買い戻しも入りやすく、目先は前週のようなドル選好地合いに戻る可能性があろう。

ただ、2016年のクーデター未遂事件に関与した疑いでトルコの自宅で軟禁されている米国人福音派牧師の解放をめぐり、トルコ政府とトランプ政権との対立は深刻化。米当局者は牧師拘束問題でトルコリラがさらに下落する事態を招くとトルコ側に警告したことを明らかにしている。トランプ政権はアルミ・鉄鋼の輸入製品に対する関税以外にも制裁を加える構えで、その際にはリラ売りが再開しよう。

ドル・円は前日の取引で110円台を維持したことで下値の堅さが確認されており、目先は株価反発や長期金利の上昇にともない111円台回復が見込まれる。ただ、前週後半はドル上昇局面でも111円20銭付近で上値が抑えられる値動きが目立った。トルコ問題への警戒は根強く、安全資産の米国債にマネーは滞留する可能性もある。米10年債利回りの上昇がみられなければ、ドル・円は111円を回復しても、その後の買いには消極的になりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・4-6月ILO失業率(予想:4.2%、3-5月:4.2%)
・18:00 独・8月ZEW景気期待指数(予想:-21.3、7月:-24.7)
・18:00 ユーロ圏・6月鉱工業生産(前月比予想:-0.4%、5月:+1.3%)
・18:00 ユーロ圏・4-6月期GDP改定値(前年比予想:+2.1%、速報値:+2.1%)
・21:30 米・7月輸入物価指数(前月比予想:0.0%、6月:-0.4%)




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