来週の相場で注目すべき3つのポイント:対中追加関税公聴会、米中関税発動、FTSE銘柄入替
[18/08/18]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限22750-下限22000円
来週の日経平均は、引き続きこう着感が強い展開が予想されるが、上値を試す場面も期待される。心理的な節目として働く22000円割れからすかさず切り返したことで短期的には自律反発が継続する流れの中にある。一方、日足チャートでは22400円近辺を走る200日移動平均線が上値抵抗として意識され、この水準に迫る場面では売りが出やすい。今後に不透明感をなお残すものの、トルコリラ・ショックによる日経平均の下落幅を短期で取り戻した心理的効果は大きく、売り込みにくさが再認識されるところでもある。こうしたなか、中国・王受文商務次官の今月下旬の訪米を控えるなかでの、対中追加関税(約2000億ドル分25%関税)の公聴会と、パウエルFRB議長が講演するジャクソンホール会議という2大イベントが材料となりそうだ。とくに、公聴会を契機に米中貿易摩擦に緩和の動きが見られれば、相場へのインパクトは大きい。また、17日にはトランプ米大統領がツイッターで、ドル高容認と捉えられる発言があったと報じられ、為替の円安が進むようだと日経平均の上振れ材料として働いてくる。
物色面では、欧州機関投資家がベンチマークとして採用するFTSEの指数構成銘柄の入れ替え発表が24日に予定されている。新規採用候補としては、一部でファンケル<4921>、フジシールインターナショナル<7864>、日本ユニシス<8056>、ヤオコー<8279>、GMOインターネット<9449>などが候補として挙がっている。また、13日の全面安商状の中でも、先週末の決算発表を好感したリクルートHD<6098>、日本郵政<6178>、ドンキホーテHD<7532>は逆行高を演じており、業績見直しの動きは継続しそうだ。懸念されるのは、半導体関連株の動向だ。グラフィックス用半導体最大手の米エヌビディアと半導体製造装置メーカーの米アプライド・マテリアルズがアナリスト予想を下回る決算から売られている。SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)も下落基調にあり、年初来の安値圏にある東京エレクトロン<8035>など半導体関連には留意が必要だ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い展開か。米カンザスシティ地区連銀主催の経済シンポジウム(ワイオミング州ジャクソンホールで開催)で、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は24日に講演を行なう予定となっている(プログラムの詳細は現地時間23日午後6時公表予定)。パウエルFRB議長は金融政策について話すとみられており、講演内容から年4回の利上げを予見することができれば、リスク選好的なドル買いが再び強まるとみられる。22日に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(7月31日-8月1日開催分)がタカ派寄りの内容であれば9月と12月を含めた年4回利上げシナリオへの期待から、ドルの先高観は後退せず、ドル買い・円売りの材料になると予想される。
一方、トルコリラなどの新興国通貨安に対する市場の警戒感は低下していないため、ドル・円相場の反発を抑える一因となりそうだ。トルコ政府は、2016年のクーデター未遂事件に関与した疑いで自宅軟禁中の米国人福音派牧師の解放をめぐり、トランプ政権と対立している。ムニューシン米財務長官は16日、「米国人牧師が解放されなければ、対トルコ追加制裁を賦課する準備がある」と述べており、米国が強力な制裁を発動した場合、トルコ経済への影響が懸念され、再びリラ売りが優勢になり、リスク回避のドル売り・円買いが誘発される可能性がある。なお、米国と中国は貿易摩擦の回避に向けた動きを見せており、今週22−23日にワシントンで開催される米中貿易協議で何らかの進展があれば、通商問題に関する懸念は後退し、リスク選好的なドル買い・円売りは活発となる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
8月20日(月):コンビニエンスストア売上高やタイGDPなど
8月21日(火):工作機械受注やトルコ市場は祝日のため休場など
8月22日(水):NZ小売売上高、米中古住宅販売件数、米MBA住宅ローン申請指数など
8月23日(木):ユーロ圏製造業PMI速報値、米FHFA住宅価格指数、米中関税発動など
8月24日(金):独GDP改定値、米耐久財受注、米パウエルFRB議長がジャクソンホールで講演など
<SK>
予想レンジ:上限22750-下限22000円
来週の日経平均は、引き続きこう着感が強い展開が予想されるが、上値を試す場面も期待される。心理的な節目として働く22000円割れからすかさず切り返したことで短期的には自律反発が継続する流れの中にある。一方、日足チャートでは22400円近辺を走る200日移動平均線が上値抵抗として意識され、この水準に迫る場面では売りが出やすい。今後に不透明感をなお残すものの、トルコリラ・ショックによる日経平均の下落幅を短期で取り戻した心理的効果は大きく、売り込みにくさが再認識されるところでもある。こうしたなか、中国・王受文商務次官の今月下旬の訪米を控えるなかでの、対中追加関税(約2000億ドル分25%関税)の公聴会と、パウエルFRB議長が講演するジャクソンホール会議という2大イベントが材料となりそうだ。とくに、公聴会を契機に米中貿易摩擦に緩和の動きが見られれば、相場へのインパクトは大きい。また、17日にはトランプ米大統領がツイッターで、ドル高容認と捉えられる発言があったと報じられ、為替の円安が進むようだと日経平均の上振れ材料として働いてくる。
物色面では、欧州機関投資家がベンチマークとして採用するFTSEの指数構成銘柄の入れ替え発表が24日に予定されている。新規採用候補としては、一部でファンケル<4921>、フジシールインターナショナル<7864>、日本ユニシス<8056>、ヤオコー<8279>、GMOインターネット<9449>などが候補として挙がっている。また、13日の全面安商状の中でも、先週末の決算発表を好感したリクルートHD<6098>、日本郵政<6178>、ドンキホーテHD<7532>は逆行高を演じており、業績見直しの動きは継続しそうだ。懸念されるのは、半導体関連株の動向だ。グラフィックス用半導体最大手の米エヌビディアと半導体製造装置メーカーの米アプライド・マテリアルズがアナリスト予想を下回る決算から売られている。SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)も下落基調にあり、年初来の安値圏にある東京エレクトロン<8035>など半導体関連には留意が必要だ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い展開か。米カンザスシティ地区連銀主催の経済シンポジウム(ワイオミング州ジャクソンホールで開催)で、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は24日に講演を行なう予定となっている(プログラムの詳細は現地時間23日午後6時公表予定)。パウエルFRB議長は金融政策について話すとみられており、講演内容から年4回の利上げを予見することができれば、リスク選好的なドル買いが再び強まるとみられる。22日に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(7月31日-8月1日開催分)がタカ派寄りの内容であれば9月と12月を含めた年4回利上げシナリオへの期待から、ドルの先高観は後退せず、ドル買い・円売りの材料になると予想される。
一方、トルコリラなどの新興国通貨安に対する市場の警戒感は低下していないため、ドル・円相場の反発を抑える一因となりそうだ。トルコ政府は、2016年のクーデター未遂事件に関与した疑いで自宅軟禁中の米国人福音派牧師の解放をめぐり、トランプ政権と対立している。ムニューシン米財務長官は16日、「米国人牧師が解放されなければ、対トルコ追加制裁を賦課する準備がある」と述べており、米国が強力な制裁を発動した場合、トルコ経済への影響が懸念され、再びリラ売りが優勢になり、リスク回避のドル売り・円買いが誘発される可能性がある。なお、米国と中国は貿易摩擦の回避に向けた動きを見せており、今週22−23日にワシントンで開催される米中貿易協議で何らかの進展があれば、通商問題に関する懸念は後退し、リスク選好的なドル買い・円売りは活発となる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
8月20日(月):コンビニエンスストア売上高やタイGDPなど
8月21日(火):工作機械受注やトルコ市場は祝日のため休場など
8月22日(水):NZ小売売上高、米中古住宅販売件数、米MBA住宅ローン申請指数など
8月23日(木):ユーロ圏製造業PMI速報値、米FHFA住宅価格指数、米中関税発動など
8月24日(金):独GDP改定値、米耐久財受注、米パウエルFRB議長がジャクソンホールで講演など
<SK>