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国内株式市場見通し:日経平均は為替次第で上ブレへ

注目トピックス 市況・概況
■日経平均4日続伸で、週間は4週ぶりプラス転換

先週の日経平均は上昇した。週間ベースでは4週ぶりのプラス転換となった。注目された米中両国による160億ドル(約1兆7700億円)相当の追加関税については、23日に予定通り発動された。これを受けてNYダウは22日に5日ぶりのマイナスに転じ、23日にはNASDAQ指数も6営業日ぶりに反落した。ただ、23日まで行われた次官級の米中通商協議が決裂することはなく、加えて元側近だった選対本部長の有罪判決などを受け、大統領自身が弾劾を受けた場合の株式市場の急落を示唆する発言なども伝えられたが、NYダウの調整は比較的小幅にとどまった。一方、日経平均は24日にかけて4日続伸となった。週初は為替の円高と中国株への警戒感から軟調な始まりだったが、その後は為替の円安基調と上海総合指数の下げ渋りなどを受けて買い戻しが先行する形となった。21日には菅官房長官による「携帯電話料金の下げ余地」発言からドコモ<9437>など携帯電話各社が下げた反面、指数寄与度の高いファーストリテイリング<9983>、年初来高値の更新するリクルートHD<6098>、セコム<9735>の上げなどが目立った。週初20日と週末24日の東証1部出来高は10億株を下回るなど週を通じて薄商いとなるなか、個別では1兆円の不適切融資が報道されたスルガ銀行<8358>の急落もトピックスとなった。なお、24日のNYダウはジャクソンホール会議におけるパウエルFRB議長講演の「緩やかな利上げ継続の維持」を受けて、利上げ加速懸念が後退しNYダウは133ドル高と3日ぶりに反発して終了した。

■日経平均はテクニカル的には陽転

今週の日経平均は、上値の重さを意識しながらも堅調な展開になることが見込まれる。行方が不透明な米中貿易摩擦、上海総合指数の推移などが懸念材料として引き続き横たわっている。8月3週(13-17日)の投資主体別売買動向では、海外投資家が3週連続の売り越しとなり、売り越し額も3449億円強と4月以降では6月第3週に次ぐ売り越し額となった。先物との合算では6885億円の売り越し規模に膨らむ。中国情勢が不透明な中、アジアを対象とするファンドでは、日本株の売りによるヘッジを行っているとの見方もあることは懸念材料だ。一方で、米国金利と景気動向をにらんだ為替の円安進行があれば、円安に連動する先物の買い戻しが働き日経平均の上昇が想定される。実際、為替のドル高・円安が手掛かりとなり24日の日経平均は上昇し、5日、25日、75日の各移動平均線を上方にブレイクアウトし、テクニカル的には陽転の兆しを示した。31日に日経平均が22642.18円を上回ってくれば3カ月連続の月足陽線ともなる。米トランプ政権は2000億ドル規模の対中国制裁第3弾を準備中で、9月中の国内手続き完了が見込まれる。ただ、今後の米中協議のスケジュールは具体化していないため、目先の波乱要素が無いことは中立材料に働く。

■日経平均定期入れ替え、9月末各種権利取り、自民党総裁選

物色的には9月のイベントを意識した展開が高まってくることが予想される。まず、9月第1週には日経平均採用銘柄の定期入れ替え銘柄の発表(4日もしくは5日大引け後)が見込まれており、インデックス売買は動きにくさが生じてくる。入れ替え予想については、新規採用でサイバーエージェント<4751>、日本取引所グループ<8697>、シャープ<6753>、任天堂<7974>、スタートトゥデイ<3092>、除外候補として宝ホールディングス<2531>などの名が市場から挙がっている。このほか、機関投資家、個人投資家ともに、9月中間期末の配当・株主優待権利取りが本格的に意識される時期に入り、需給関係は改善されてくることが期待される。また、顕著な出来高の増加は伴っていないが、マザーズ指数、ジャスダック平均が24日にかけて3日続伸と底打ち兆しを見せてきたことも好材料だ。このほか、9月7日の自民党総裁選告示(9月20日投開票)を控えて、立候補予定者である安倍首相、石破元幹事長の掲げる政策が物色テーマとなってくる可能性もある。さらに、中小型株への関心が戻るなか、ビジネスデイ開催を9月20日に控えた東京ゲームショウや秋の学会シーズン入りを前にしたゲーム、バイオ関連銘柄への動意の広がりが注目される。

■30日に7月鉱工業生産速報、米7月個人所得・個人支出の発表

今週の主な国内経済関連スケジュールは、29日に8月消費動向調査、30日に7月小売業販売額、7月百貨店・スーパー販売額、31日に7月有効求人倍率・完全失業率、7月鉱工業生産・速報値、8月東京都区部消費者物価指数が発表される。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、27日は英国市場休場、米7月シカゴ連銀全米活動指数、28日に米8月消費者信頼感指数、米8月リッチモンド連銀製造業指数、29日に米4-6月期GDP改定値、30日に米7月個人所得・個人支出、31日に中国8月製造業購買担当者景気指数(PMI)、ユーロ圏7月失業率、米8月シカゴ購買部協会景気指数がそれぞれ発表される。このほかのイベントとしては、27日に日米知事フォーラム(28日まで、都内)、9月1日から韓国通常国会開会が予定されている。なかで、米中貿易摩擦を背景に、31日発表予定の中国8月製造業購買担当者景気指数(PMI)が注目される。また、中国のメガバンクでは現地時間26日に中国農業銀行、同27日に中国建設銀行、同30日に中国銀行が決算発表を行う。




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