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新興市場見通し:出遅れ中小型株に物色妙味、IPOはワールドなど6社

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、マザーズ指数、日経ジャスダックともに堅調な展開となった。米中貿易摩擦に対する過度な懸念が和らいだほか、自民党総裁選を受けた政策期待の高まり、為替の円安傾向も追い風となり、日経平均は急ピッチの上昇が続いた。新興市場でも投資家心理が上向き、出遅れていた主力株を中心に買いが入った。ただ、時価総額上位のそーせいグループ<4565>が急落してマザーズ指数を下押しする場面もあった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+3.4%であったのに対して、マザーズ指数は+2.2%、日経ジャスダック平均は+1.4%だった。

個別では、前述のそーせいが週間で32.5%安となった。アルツハイマー病など認知障害に対する治療候補薬の臨床開発を中断すると発表している。ただ、その他マザーズ時価総額上位ではメルカリ<4385>が同12.2%高、ミクシィ<2121>が同6.0%高と堅調だった。売買代金上位ではテーマパークへの期待が高まるフィンテック グローバル<8789>や株式分割の実施を発表したUUUM<3990>などが大きく買われ、アンジェス<4563>などが週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。一方、そーせいやトレンダーズ<6069>が下落率上位となった。ジャスダック主力はハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同8.1%高、セリア<2782>が同5.1高と全般堅調だった。UTグループ<2146>は同13.6%高と強いリバウンドを見せた。売買代金上位ではシノケングループ<8909>、テリロジー<3356>などが上昇し、株式分割の実施を発表したケア21<2373>が週間のジャスダック上昇率トップだった。反面、夢みつけ隊<2673>などは利益確定売りに押され、今期減益見通しの明豊エンタープライズ<8927>が下落率トップとなった。IPOでは9月20日にアズーム<3496>、21日にイーエムネットジャパン<7036>が新規上場し、ともに公開価格の2倍を超える高い初値を付けた。

今週の新興市場は、相場全体の地合い改善とともに堅調な展開が続きそうだ。日経平均は直近2週で1500円以上の大幅上昇となったが、乗り遅れた個人投資家も多いとみられており、出遅れ感のある中小型株に物色が向かいやすいだろう。また、今週もIPOラッシュが続き、新規上場銘柄が物色を集めそうだ。ただ、9月24日に日米通商協議(FFR)、26日に日米首脳会談が控えており、貿易摩擦問題が相場全体の波乱要因となる可能性がある。

UTグループなどの人材サービス関連株は調整局面が続いてきたが、ここにきてリバウンドを試す展開となっている。業績好調が続くだけに、決算発表シーズンに向けて見直しの動きが広がる可能性がある。IPO銘柄に関連してテリロジーなどの情報セキュリティ関連株も引き続き物色が向かいそうだ。なお、今週は、9月27日にGameWith<6552>、NaITO<7624>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、4日間で計6社が新規上場する。9月26日上場で情報セキュリティ関連のブロードバンドセキュリティ<4398>、28日上場で業績を伸ばしているフロンティア・マネジメント<7038>などは事前の期待が高いようだ。また、28日にはアパレル大手のワールド<3612>が再上場する。知名度は高いものの公開規模の大きさがネックとなる可能性がある。なお、先週はリーガル不動産<3497>(10月23日、マザーズ)の新規上場が発表されている。




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