来週の相場で注目すべき3つのポイント:米FOMC、FFR、日米首脳会談
[18/09/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限24250-下限23500円
来週の日経平均は、スピード調整を交えつつ、1月23日に付けた年初来高値24129.34円(終値ベースでは24124.93円)を意識した展開となりそうだ。週間ザラバベースで約876円の上昇をみた後だけに調整も予想されるが、自民党総裁選での安倍総裁の3選で経済対策への期待が高まり地合いは好転している。こうしたなか、24日の日米通商協議(FFR)、26日の日米首脳会談、27日のFOMCというビッグイベントが相場展開のカギを握る。模様眺めムードも強まりやすいが、日米貿易問題ではトランプ大統領の強気姿勢が懸念されるなか、日本側がどのような落とし所を探るかが焦点だ。対米黒字の約8割を占めるとされる自動車分野が焦点となっているが、追加関税の発動回避で何らかの合意があれば、相場的にはアク抜け感が強まるだろう。一方、FOMCについては日本時間9月27日午前3時の政策金利発表・FOMC声明発表で、政策金利であるFF金利誘導目標を引き上げ2.00%−2.25%に設定することがほぼ確実視されている。むしろ声明のなかで「金融政策は緩和的」との文言が「中立」に修正される可能性と、12月利上げの意向を示唆する可能性に関心が向く。日米の金利差拡大で為替の円高リスクは限定的で、短期的には円安が進むとの期待があり、相場の支援材料に働く可能性が残されている。
日経平均のテクニカル面では、25日移動平均線など主要移動平均線は上昇をキープし、相場の基調は上向き。上昇してくる5日線移動平均がサポートとなり、割り込まなければ年初来高値が意識されてくる。ただ、日経平均の24000円台回復(ザラバベースで1月24日、終値で1月23日以来)と年初来高値24129.34円を更新した場合、目先の目標達成感から調整ムードが強まる可能性がある。物色的には先物市場でTOPIX型に海外勢の買い越しが目立ち始めているとされ、NT倍率修正に伴うTOPIX型優位のなか、相対的に出遅れている銘柄への買い戻しも活発化しそうだ。なお、TOPIXは21日に6月13日以来の1800ポイントを回復し、5月21日の戻り高値1819.74ptを視界にとらえている。21日には昭和電工<4004>、フジ・メディア・ホールディングス<4676>、JXTG<5020>、TDK<6762>が8月年初来高値、東京海上ホールディングス<8766>が6月年初来高値をそれぞれ更新と物色は着実に広がりを見せている。
主な国内経済関連スケジュールは、25日に7月30日・31日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、8月企業向けサービス価格指数、27日に黒田日銀総裁講演、28日に9月18日・19日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、8月失業率・有効求人倍率、8月鉱工業生産速報、8月商業動態統計がそれぞれ発表、計画されている。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、25日に米FOMC(26日まで)、米7月FHFA住宅価格指数、米9月消費者信頼感指数、26日にパウエルFRB議長会見(経済見通し発表)、27日に米4-6月期GDP確定値、米8月耐久財受注、28日に米8月個人所得・個人支出などが予定されている。このほかのイベントとしては、24日の東京市場は振替休日、中国市場は中秋節で休場、日米貿易協議、米セールスフォース主催の開発者会議「ドリームフォース」が開催(28日まで)、30日は沖縄県知事選・宜野湾市長選投開票などがある。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い動きとなりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は25-26日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で今年3回目の利上げに踏み切る公算。利上げ実施後にポジション調整的なドル売りが一時的に増えるとの見方が出ているものの、12月にも追加利上げが実施される可能性は高いとみられており、利上げ継続の方針を意識してリスク回避的なドル売り・円買いは抑制されることになりそうだ。
米FRBは政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を現行の1.75-2.00%から2.00-2.25%に引き上げる公算だが、市場は追加利上げを十分織り込んでいることから、市場関係者の一部は「FOMCの経済予測でインフレ見通しが据え置きとなった場合、ポジション調整に絡んだドル売りが増える可能性がある」と予想している。金融当局者の間では、長短金利差縮小への言及で過度な金融引き締めに慎重な意見も目立っているが、中立的な水準とみられる3%レベルまで利上げを継続することはおおむね一致している。FOMC後の声明でタカ派寄りの見解が盛り込まれた場合、12月の追加利上げを見込んだドル買いが観測されると見込まれる。
一方、トランプ政権は貿易赤字是正に向けた強硬な通商政策を緩めたわけではないが、中国が人民元安政策の修正を示唆しており、米中貿易摩擦はある程度緩和される可能性が浮上している。国際貿易環境の改善を背景に主要国の株式市場で株高が進んだ場合、リスク選好的な円売りが強まる可能性がある。
その他、欧州連合(EU)からの英国離脱(ブレグジット)に関し、英国と欧州連合(EU)の条件交渉などで合意に至るにはいくつかの問題・条件が残されているとみられ、交渉は難航している。政府関係者などの発言を受けてポンドやユーロが急落し、クロス円レートの下落を通じてドル売り・円買いが一時的に強まる可能性があるので注意したい。
■来週の注目スケジュール
9月24日(月):米トランプ政権が中国製品約2000億ドル相当への関税を発動、株式市場は祝日のため休場(秋分の日の振替休日)など
9月25日(火):日企業向けサービス価格指数、米消費者信頼感指数など
9月26日(水):米MBA住宅ローン申請指数、米FOMC政策金利発表など
9月27日(木):中工業利益、独消費者物価指数、米耐久財受注など
9月28日(金):日有効求人倍率、中財新製造業PMI、米個人所得・支出など
<SK>
予想レンジ:上限24250-下限23500円
来週の日経平均は、スピード調整を交えつつ、1月23日に付けた年初来高値24129.34円(終値ベースでは24124.93円)を意識した展開となりそうだ。週間ザラバベースで約876円の上昇をみた後だけに調整も予想されるが、自民党総裁選での安倍総裁の3選で経済対策への期待が高まり地合いは好転している。こうしたなか、24日の日米通商協議(FFR)、26日の日米首脳会談、27日のFOMCというビッグイベントが相場展開のカギを握る。模様眺めムードも強まりやすいが、日米貿易問題ではトランプ大統領の強気姿勢が懸念されるなか、日本側がどのような落とし所を探るかが焦点だ。対米黒字の約8割を占めるとされる自動車分野が焦点となっているが、追加関税の発動回避で何らかの合意があれば、相場的にはアク抜け感が強まるだろう。一方、FOMCについては日本時間9月27日午前3時の政策金利発表・FOMC声明発表で、政策金利であるFF金利誘導目標を引き上げ2.00%−2.25%に設定することがほぼ確実視されている。むしろ声明のなかで「金融政策は緩和的」との文言が「中立」に修正される可能性と、12月利上げの意向を示唆する可能性に関心が向く。日米の金利差拡大で為替の円高リスクは限定的で、短期的には円安が進むとの期待があり、相場の支援材料に働く可能性が残されている。
日経平均のテクニカル面では、25日移動平均線など主要移動平均線は上昇をキープし、相場の基調は上向き。上昇してくる5日線移動平均がサポートとなり、割り込まなければ年初来高値が意識されてくる。ただ、日経平均の24000円台回復(ザラバベースで1月24日、終値で1月23日以来)と年初来高値24129.34円を更新した場合、目先の目標達成感から調整ムードが強まる可能性がある。物色的には先物市場でTOPIX型に海外勢の買い越しが目立ち始めているとされ、NT倍率修正に伴うTOPIX型優位のなか、相対的に出遅れている銘柄への買い戻しも活発化しそうだ。なお、TOPIXは21日に6月13日以来の1800ポイントを回復し、5月21日の戻り高値1819.74ptを視界にとらえている。21日には昭和電工<4004>、フジ・メディア・ホールディングス<4676>、JXTG<5020>、TDK<6762>が8月年初来高値、東京海上ホールディングス<8766>が6月年初来高値をそれぞれ更新と物色は着実に広がりを見せている。
主な国内経済関連スケジュールは、25日に7月30日・31日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、8月企業向けサービス価格指数、27日に黒田日銀総裁講演、28日に9月18日・19日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、8月失業率・有効求人倍率、8月鉱工業生産速報、8月商業動態統計がそれぞれ発表、計画されている。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、25日に米FOMC(26日まで)、米7月FHFA住宅価格指数、米9月消費者信頼感指数、26日にパウエルFRB議長会見(経済見通し発表)、27日に米4-6月期GDP確定値、米8月耐久財受注、28日に米8月個人所得・個人支出などが予定されている。このほかのイベントとしては、24日の東京市場は振替休日、中国市場は中秋節で休場、日米貿易協議、米セールスフォース主催の開発者会議「ドリームフォース」が開催(28日まで)、30日は沖縄県知事選・宜野湾市長選投開票などがある。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い動きとなりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は25-26日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で今年3回目の利上げに踏み切る公算。利上げ実施後にポジション調整的なドル売りが一時的に増えるとの見方が出ているものの、12月にも追加利上げが実施される可能性は高いとみられており、利上げ継続の方針を意識してリスク回避的なドル売り・円買いは抑制されることになりそうだ。
米FRBは政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を現行の1.75-2.00%から2.00-2.25%に引き上げる公算だが、市場は追加利上げを十分織り込んでいることから、市場関係者の一部は「FOMCの経済予測でインフレ見通しが据え置きとなった場合、ポジション調整に絡んだドル売りが増える可能性がある」と予想している。金融当局者の間では、長短金利差縮小への言及で過度な金融引き締めに慎重な意見も目立っているが、中立的な水準とみられる3%レベルまで利上げを継続することはおおむね一致している。FOMC後の声明でタカ派寄りの見解が盛り込まれた場合、12月の追加利上げを見込んだドル買いが観測されると見込まれる。
一方、トランプ政権は貿易赤字是正に向けた強硬な通商政策を緩めたわけではないが、中国が人民元安政策の修正を示唆しており、米中貿易摩擦はある程度緩和される可能性が浮上している。国際貿易環境の改善を背景に主要国の株式市場で株高が進んだ場合、リスク選好的な円売りが強まる可能性がある。
その他、欧州連合(EU)からの英国離脱(ブレグジット)に関し、英国と欧州連合(EU)の条件交渉などで合意に至るにはいくつかの問題・条件が残されているとみられ、交渉は難航している。政府関係者などの発言を受けてポンドやユーロが急落し、クロス円レートの下落を通じてドル売り・円買いが一時的に強まる可能性があるので注意したい。
■来週の注目スケジュール
9月24日(月):米トランプ政権が中国製品約2000億ドル相当への関税を発動、株式市場は祝日のため休場(秋分の日の振替休日)など
9月25日(火):日企業向けサービス価格指数、米消費者信頼感指数など
9月26日(水):米MBA住宅ローン申請指数、米FOMC政策金利発表など
9月27日(木):中工業利益、独消費者物価指数、米耐久財受注など
9月28日(金):日有効求人倍率、中財新製造業PMI、米個人所得・支出など
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