国内株式市場見通し:日米休場控えで手控えムードか
[18/11/17]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 市況・概況
■日経平均は22000円台割れ、米アップルや半導体波乱続く
先週の日経平均は下落した。週間ベースでは3週ぶりのマイナスとなった。週初は円相場の下落や中国・上海株の反発を支えに売り物を吸収して堅調にスタートしたものの、13日は一時785.23円安と急落した。アップルやゴールドマン・サックスを中心に売りがかさみNYダウが大幅続落したことが嫌気された。日銀によるETF買いや上海総合指数の上昇で大引けにかけては459.36円安と下げ渋ったものの、日経平均は終値ベースで6営業日ぶりに22000円を割り込んで大引けた。ナスダックの下げ止まりを背景に前日に売り込まれた電子部品関連銘柄中心に買い戻しの動きが広がった14日の日経平均は反発したものの、15日は携帯端末の需要後退が懸念されている米アップル株の下落などが嫌気されて、ソフトバンクG<9984>やファナック<6954>など主力ハイテク株中心に下げ、日経平均は反落した。16日の日経平均は前日の終値を挟んでの値動きとなったものの、買い手掛かりに欠けていることから、大引けにかけては週末特有の売りが先行して続落で大引けた。一方、NYダウは14日にかけて4日続落と大きく調整した。特に12日は前日比602.12ドル安と大幅な下げをみた。サウジアラビアが12月からの原油減産を示唆し、原油相場の上昇を受けたインフレ懸念から売りが先行してアップルなどハイテク株を中心に大幅下落した。15日は米中高官協議が本格化し、貿易摩擦問題収束への楽観的な見方が広がったほか、パウエルFRB議長が米経済への自信を示したことが好感され朝安から上昇に転じ、5営業日ぶりに反発している。16日もエヌビディアなど半導体関連の一角の業績を嫌気して売りから始まったものの、トランプ大統領が貿易摩擦を巡る中国との合意実現に楽観的な姿勢を示したことからNYダウは123.95ドル高と続伸した。
■「45日ルール通過」で過度な下値不安は後退
今週の日経平均は一進一退のもみ合い相場が継続しそうだ。テクニカル的に見て、日経平均は13日以降、5日移動平均線を回復できていないことから、本格反騰の条件は整っていない。カレンダー的にも22日は感謝祭でNY市場が休場、東京市場も23日は勤労感謝の日で3連休となることから、買い手控えムードが週末にかけて強まる可能性がある。コンピューター・グラフィックス用半導体の最大手でFANNG銘柄の一角を占める米エヌビディアが11月から1月の第4四半期について軟調な売上高見通しを示したことは、アップルの株価調整続いて懸念される動きでもある。ハイテク・半導体銘柄は指数への寄与度が大きいために警戒感も出てこよう。ただし、ヘッジファンドの解約・換金要請にまつわる「45日ルール」を11月15日に通過したことは、需給面での心理的なハードルを一つ越えたことになる。東証が15日発表した、11月5日から9日の主体別株式売買動向では、海外投資家は2週連続の買い越しだったことも需給面で好材料だ。上海総合指数はここ1カ月、下げ渋りを強めており、想定外のアクシデントが生じない限り、過度な下値不安も見られない。
■クリスマス商戦とBIE総会の行方
物色面でのトピックスとしては、クリスマス商戦と万博が注目される。米国ではクリスマス商戦の前哨戦とも言われるブラックフライデーを23日、サイバーマンデーを26日に控えて、市場のムードが心理的に好転する可能性がある。9日から14日にかけて約1100ドルの値幅で調整したNYダウに反発機運が高まれば、日経平均にプラスに働く材料となるだろう。一般的に11月下旬から上旬にかけて相場は上昇確率が高くなるアノマリーがあり、好材料が出た銘柄の株価感応度は高くなろう。一方、博覧会国際事務局(BIE)総会では立候補している大阪が2025年万博の開催国として決定することが注目される。櫻島埠頭<9353>など大阪万博関連として人気化した経緯を持つ銘柄に改めて関心が向かう可能性がある。
■貿易統計、訪日外客数、ブラックフライデー
今週の主な国内経済関連スケジュールは、19日に10月貿易統計、黒田東彦日銀総裁発言、20日に10月主要コンビニ売上高、21日に9月全産業活動指数、10月訪日外客数、日証協会長会見、気象庁3カ月予報、22日に10月消費者物価指数、23日は勤労感謝の日で休場がそれぞれ予定されている。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、19日に米11月NAHB住宅市場指数、20日に米10月住宅着工件数、米10月建設許可件数、21日にOECDが経済見通し発表、欧州委員会がイタリアへの制裁を財務相理事会に勧告する可能性、米10月耐久財受注、米10月CB景気先行総合指数、米10月中古住宅販売件数、22日は感謝祭で米国市場休場などが予定されている。このほか、国内外で予定されているイベント等としては、22日は東証と大証が経営統合を正式発表して7年、23日は勤労感謝の日で休場、博覧会国際事務局(BIE)総会で大阪が立候補している2025年万博の開催国が決定、米ブラックフライデーなどが控える。
<FA>
先週の日経平均は下落した。週間ベースでは3週ぶりのマイナスとなった。週初は円相場の下落や中国・上海株の反発を支えに売り物を吸収して堅調にスタートしたものの、13日は一時785.23円安と急落した。アップルやゴールドマン・サックスを中心に売りがかさみNYダウが大幅続落したことが嫌気された。日銀によるETF買いや上海総合指数の上昇で大引けにかけては459.36円安と下げ渋ったものの、日経平均は終値ベースで6営業日ぶりに22000円を割り込んで大引けた。ナスダックの下げ止まりを背景に前日に売り込まれた電子部品関連銘柄中心に買い戻しの動きが広がった14日の日経平均は反発したものの、15日は携帯端末の需要後退が懸念されている米アップル株の下落などが嫌気されて、ソフトバンクG<9984>やファナック<6954>など主力ハイテク株中心に下げ、日経平均は反落した。16日の日経平均は前日の終値を挟んでの値動きとなったものの、買い手掛かりに欠けていることから、大引けにかけては週末特有の売りが先行して続落で大引けた。一方、NYダウは14日にかけて4日続落と大きく調整した。特に12日は前日比602.12ドル安と大幅な下げをみた。サウジアラビアが12月からの原油減産を示唆し、原油相場の上昇を受けたインフレ懸念から売りが先行してアップルなどハイテク株を中心に大幅下落した。15日は米中高官協議が本格化し、貿易摩擦問題収束への楽観的な見方が広がったほか、パウエルFRB議長が米経済への自信を示したことが好感され朝安から上昇に転じ、5営業日ぶりに反発している。16日もエヌビディアなど半導体関連の一角の業績を嫌気して売りから始まったものの、トランプ大統領が貿易摩擦を巡る中国との合意実現に楽観的な姿勢を示したことからNYダウは123.95ドル高と続伸した。
■「45日ルール通過」で過度な下値不安は後退
今週の日経平均は一進一退のもみ合い相場が継続しそうだ。テクニカル的に見て、日経平均は13日以降、5日移動平均線を回復できていないことから、本格反騰の条件は整っていない。カレンダー的にも22日は感謝祭でNY市場が休場、東京市場も23日は勤労感謝の日で3連休となることから、買い手控えムードが週末にかけて強まる可能性がある。コンピューター・グラフィックス用半導体の最大手でFANNG銘柄の一角を占める米エヌビディアが11月から1月の第4四半期について軟調な売上高見通しを示したことは、アップルの株価調整続いて懸念される動きでもある。ハイテク・半導体銘柄は指数への寄与度が大きいために警戒感も出てこよう。ただし、ヘッジファンドの解約・換金要請にまつわる「45日ルール」を11月15日に通過したことは、需給面での心理的なハードルを一つ越えたことになる。東証が15日発表した、11月5日から9日の主体別株式売買動向では、海外投資家は2週連続の買い越しだったことも需給面で好材料だ。上海総合指数はここ1カ月、下げ渋りを強めており、想定外のアクシデントが生じない限り、過度な下値不安も見られない。
■クリスマス商戦とBIE総会の行方
物色面でのトピックスとしては、クリスマス商戦と万博が注目される。米国ではクリスマス商戦の前哨戦とも言われるブラックフライデーを23日、サイバーマンデーを26日に控えて、市場のムードが心理的に好転する可能性がある。9日から14日にかけて約1100ドルの値幅で調整したNYダウに反発機運が高まれば、日経平均にプラスに働く材料となるだろう。一般的に11月下旬から上旬にかけて相場は上昇確率が高くなるアノマリーがあり、好材料が出た銘柄の株価感応度は高くなろう。一方、博覧会国際事務局(BIE)総会では立候補している大阪が2025年万博の開催国として決定することが注目される。櫻島埠頭<9353>など大阪万博関連として人気化した経緯を持つ銘柄に改めて関心が向かう可能性がある。
■貿易統計、訪日外客数、ブラックフライデー
今週の主な国内経済関連スケジュールは、19日に10月貿易統計、黒田東彦日銀総裁発言、20日に10月主要コンビニ売上高、21日に9月全産業活動指数、10月訪日外客数、日証協会長会見、気象庁3カ月予報、22日に10月消費者物価指数、23日は勤労感謝の日で休場がそれぞれ予定されている。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、19日に米11月NAHB住宅市場指数、20日に米10月住宅着工件数、米10月建設許可件数、21日にOECDが経済見通し発表、欧州委員会がイタリアへの制裁を財務相理事会に勧告する可能性、米10月耐久財受注、米10月CB景気先行総合指数、米10月中古住宅販売件数、22日は感謝祭で米国市場休場などが予定されている。このほか、国内外で予定されているイベント等としては、22日は東証と大証が経営統合を正式発表して7年、23日は勤労感謝の日で休場、博覧会国際事務局(BIE)総会で大阪が立候補している2025年万博の開催国が決定、米ブラックフライデーなどが控える。
<FA>