来週の相場で注目すべき3つのポイント:クリスマス商戦、BIE総会、欧州政治不安
[18/11/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限22000-下限21000円
来週の日経平均は一進一退のもみ合い相場が継続しそうだ。テクニカル的に見て、日経平均は13日以降、5日移動平均線水準を回復できていないことから、本格反騰の条件は整っていない。カレンダー的にも22日は感謝祭でNY市場が休場、東京市場も23日は勤労感謝の日で3連休となることから、買い手控えムードが週末にかけて強まる可能性がある。コンピューター・グラフィックス用半導体の最大手で主要ハイテク株の一角を占める米エヌビディアが11月から1月の第4四半期について軟調な売上高見通しを示したことは、アップルの株価調整につながり懸念される動きでもある。ハイテク・半導体銘柄は指数への寄与度が大きいために警戒感も出てこよう。ただし、ヘッジファンドの解約・換金要請にまつわる「45日ルール」を11月15日に通過したことは、需給面での心理的なハードルを1つ越えたことになる。東証が15日発表した、11月5日から9日の投資主体別株式売買動向で、海外投資家が2週連続の現物買い越しだったことも需給面で好材料だ。上海総合指数はここ1カ月、下げ渋りを強めており、想定外のアクシデントが生じない限り、過度な下値不安も見られない。
物色面でのトピックスとしては、クリスマス商戦と万博が注目される。米国ではクリスマス商戦の前哨戦とも言われるブラックフライデーを23日、サイバーマンデーを26日に控えて、市場のムードが心理的に好転する可能性がある。9日から14日にかけて約1100ドルの値幅で調整したNYダウに反発機運が高まれば、日経平均にプラスに働く材料となるだろう。一般的に11月下旬から上旬にかけて相場は上昇確率が高くなるアノマリーがあり、好材料が出た銘柄の株価感応度は高くなろう。一方、博覧会国際事務局(BIE)総会では立候補している大阪が2025年万博の開催国として決定することが注目される。櫻島埠頭<9353>など大阪万博関連として人気化した経緯を持つ銘柄に改めて関心が向かう可能性がある。
■為替市場見通し
今週のドル・円は伸び悩む可能性がある。イタリアの財政規律問題や英国の欧州連合(EU)離脱の行方など、リスク回避取引につながる要因(ユーロやポンドに対する円買い)は除去されていないことから、ドルは伸び悩む状態が続きそうだ。米経済指標の悪化などの理由で米国株式が大幅安となった場合はドル相場を押し下げる場面も想定される。
イタリア政府が欧州委員会に再提出した2019年予算をめぐり同国と欧州連合(EU)の対立は先鋭化する見通しで、ユーロ相場のすみやかな反転は期待できないとの声が聞かれている。英国では、EU離脱協定草案が閣議了解されたものの、議会承認は困難な状況となっている。メイ英首相は16日までに離脱協定草案を巡り、政権内の離脱推進派リーダーらの支持を取り付けたもようだが、与党・保守党内ではメイ氏の党首交代を図る動きが出ておりも強まっており、政局流動化を警戒したポンド売りは継続する可能性がある。ユーロ、ポンドはドルに対して弱含む可能性があるが、英国の政治不安やイタリアの財政問題はリスク要因となり、ドル・円の取引ではリスク回避のドル売り・円買いを促す可能性がある。
一方、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日に行なわれた講演で、米国経済は「非常に強い」との見解を表明したが、経済の先行きについてやや慎重な見方を示した。利上げ継続の方針を変更する意図はないとみられているが、リスク選好的なドル買い・円売りが大きく広がるとの見方は増えていない。また、クラリダFRB副議長は16日、「米金利はFRBが中立金利と見なす水準に近づいている」との見方を示しており、市場関係者の間では米利上げペース減速の思惑が広がっている。ドルは113円を挟んだ水準で推移すると予想されるが、新たなドル買い材料が提供されない場合、114円近辺で伸び悩む状態が続く可能性がある。
■来週の注目スケジュール
11月19日(月):日貿易収支、欧経常収支など
11月20日(火):米住宅着工件数など
11月21日(水):日全国百貨店売上高、米耐久財受注、米景気先行指数など
11月22日(木):ユーロ圏消費者信頼感速報値、米株式市場は祝日のため休場(感謝祭)など
11月23日(金):独GDP改定値、ユーロ圏サービス業PMI速報値、米サービス業・製造業PMなど
<SK>
予想レンジ:上限22000-下限21000円
来週の日経平均は一進一退のもみ合い相場が継続しそうだ。テクニカル的に見て、日経平均は13日以降、5日移動平均線水準を回復できていないことから、本格反騰の条件は整っていない。カレンダー的にも22日は感謝祭でNY市場が休場、東京市場も23日は勤労感謝の日で3連休となることから、買い手控えムードが週末にかけて強まる可能性がある。コンピューター・グラフィックス用半導体の最大手で主要ハイテク株の一角を占める米エヌビディアが11月から1月の第4四半期について軟調な売上高見通しを示したことは、アップルの株価調整につながり懸念される動きでもある。ハイテク・半導体銘柄は指数への寄与度が大きいために警戒感も出てこよう。ただし、ヘッジファンドの解約・換金要請にまつわる「45日ルール」を11月15日に通過したことは、需給面での心理的なハードルを1つ越えたことになる。東証が15日発表した、11月5日から9日の投資主体別株式売買動向で、海外投資家が2週連続の現物買い越しだったことも需給面で好材料だ。上海総合指数はここ1カ月、下げ渋りを強めており、想定外のアクシデントが生じない限り、過度な下値不安も見られない。
物色面でのトピックスとしては、クリスマス商戦と万博が注目される。米国ではクリスマス商戦の前哨戦とも言われるブラックフライデーを23日、サイバーマンデーを26日に控えて、市場のムードが心理的に好転する可能性がある。9日から14日にかけて約1100ドルの値幅で調整したNYダウに反発機運が高まれば、日経平均にプラスに働く材料となるだろう。一般的に11月下旬から上旬にかけて相場は上昇確率が高くなるアノマリーがあり、好材料が出た銘柄の株価感応度は高くなろう。一方、博覧会国際事務局(BIE)総会では立候補している大阪が2025年万博の開催国として決定することが注目される。櫻島埠頭<9353>など大阪万博関連として人気化した経緯を持つ銘柄に改めて関心が向かう可能性がある。
■為替市場見通し
今週のドル・円は伸び悩む可能性がある。イタリアの財政規律問題や英国の欧州連合(EU)離脱の行方など、リスク回避取引につながる要因(ユーロやポンドに対する円買い)は除去されていないことから、ドルは伸び悩む状態が続きそうだ。米経済指標の悪化などの理由で米国株式が大幅安となった場合はドル相場を押し下げる場面も想定される。
イタリア政府が欧州委員会に再提出した2019年予算をめぐり同国と欧州連合(EU)の対立は先鋭化する見通しで、ユーロ相場のすみやかな反転は期待できないとの声が聞かれている。英国では、EU離脱協定草案が閣議了解されたものの、議会承認は困難な状況となっている。メイ英首相は16日までに離脱協定草案を巡り、政権内の離脱推進派リーダーらの支持を取り付けたもようだが、与党・保守党内ではメイ氏の党首交代を図る動きが出ておりも強まっており、政局流動化を警戒したポンド売りは継続する可能性がある。ユーロ、ポンドはドルに対して弱含む可能性があるが、英国の政治不安やイタリアの財政問題はリスク要因となり、ドル・円の取引ではリスク回避のドル売り・円買いを促す可能性がある。
一方、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日に行なわれた講演で、米国経済は「非常に強い」との見解を表明したが、経済の先行きについてやや慎重な見方を示した。利上げ継続の方針を変更する意図はないとみられているが、リスク選好的なドル買い・円売りが大きく広がるとの見方は増えていない。また、クラリダFRB副議長は16日、「米金利はFRBが中立金利と見なす水準に近づいている」との見方を示しており、市場関係者の間では米利上げペース減速の思惑が広がっている。ドルは113円を挟んだ水準で推移すると予想されるが、新たなドル買い材料が提供されない場合、114円近辺で伸び悩む状態が続く可能性がある。
■来週の注目スケジュール
11月19日(月):日貿易収支、欧経常収支など
11月20日(火):米住宅着工件数など
11月21日(水):日全国百貨店売上高、米耐久財受注、米景気先行指数など
11月22日(木):ユーロ圏消費者信頼感速報値、米株式市場は祝日のため休場(感謝祭)など
11月23日(金):独GDP改定値、ユーロ圏サービス業PMI速報値、米サービス業・製造業PMなど
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