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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米利上げ継続観測も対中政策に警戒

注目トピックス 市況・概況
28日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。米国の底堅い国内総生産(GDP)や利上げ継続観測などで、ドル買いに振れやすい見通し。ただ、12月1日に予定される中国との首脳会談では決裂の可能性もあり、警戒の円買いが観測される。

ドル・円は前日の海外市場で、欧州通貨売りを背景に113円80銭台に押し上げられ、本日のアジア市場でもその流れが継続。日経平均株価や上海総合指数の堅調地合いで円売りも出ていたようだ。また、米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長が講演で前回ほどハト派寄りでなかったと受け止められた。今晩の海外市場で注目材料となる米国の7-9月期GDP改定値は、前期比年率+3.5%と速報値から横ばいが予想される。その後のパウエルFRB議長の講演では、国内景気の拡大基調を背景に利上げ継続方針が改めて示されるとみられ、12月利上げを織り込むドル買いが見込まれる。

ただ、足元のドル・円は、114円に近づくほど強まる利益確定のドル売りに押され、株高のわりには上昇の勢いが弱い。市場では今週末に開かれるトランプ米大統領と習近平中国国家主席による首脳会談への思惑が交錯する。首脳会談での決着に期待感が広がるものの、トランプ政権は交渉決裂の場合には中国からの輸入品への追加関税に踏み切る方針を示す。仮に物別れとなればドル買いよりも世界経済の腰折れを懸念した円買いに振れやすく、今晩は短期的に114円台を回復しても、円買いに押され長続きはしないだろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・10月マネーサプライM3(前年比予想:+3.5%、9月:+3.5%)
・22:30 米・7-9月期GDP改定値(前期比年率予想:+3.5%、速報値:+3.5%)
・22:30 米・10月卸売在庫速報値(前月比予想:+0.4%、9月:+0.4%)
・24:00 米・10月新築住宅販売件数(予想:57.5万戸、9月:55.3万戸)
・24:00 米・11月リッチモンド連銀製造業指数(予想:15、10月:15)
・02:00 パウエル米FRB議長講演(NYエコノミッククラブ)
・03:00 米財務省7年債入札(320億ドル)




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