国内株式市場見通し:週後半にリバウンド期待
[18/12/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■日経平均は年初来安値更新し、一時2万円割れ目前
先週の日経平均は下落し3月の年初来安値を更新した。週間ベースでは3週連続安となった。週初17日の日経平均は円安含みに振れた為替と日経平均採用の値がさ株が買い戻されたことで反発して始まった。しかし、12月のNY連銀製造業景況指数やNAHB住宅市場指数が予想を下回り17日のNYダウが507.53ドル安と続落したことを受けて、18日の日経平均は反落に転じた。NYダウの3日ぶりの反発を受けた19日の日経平均も続落した。プラス圏に浮上する場面もあったが、米FOMCを控えて戻りは限定的で終値は3月26日以来となる21000円割れとなった。また、新規上場したソフトバンク<9434>が公開価格1500円を下回る1463円の初値をつけた後、ジリジリと値を下げたことも地合いを悪化させた。FOMCは大方の予想通りFF金利の誘導目標を2.25から2.50%に引き上げ、2019年の利上げ回数見通しは2回に引き下げられた。パウエルFRB議長も将来のデータ次第で金融政策変更の可能性にも言及したが相場の支援材料とはならなかった。20日の日経平均は3日続落して一時700円超の下げとなり、3月につけた年初来安値20347.49円を更新、2017年9月末以来となる約1年3カ月ぶりの低水準に沈んだ。トランプ大統領が2019年2月までの「つなぎ予算案」に署名しない意向が伝わり、政府機関閉鎖への警戒感の高まりを受けた米国株急落や1ドル111円台の円高によって、21日の日経平均は4日続落し、前引け間際には節目の20000円目前まで急落した。後場に入り、18日と20日に続く日銀のETF買い期待を支えに節目割れは回避したものの戻りは鈍い展開となった。
■週後半にリバウンドの芽、配当利回りなど注目
今週の日経平均は心理的な節目意識が強まる20000円の攻防が意識され、ボラティリティの高い展開となることが予想される。仮に20000円割れとなると、ザラバ、終値ベースともに2017年9月15日以来となる。21日には東証1部の年初来安値更新銘柄が2008年10月のリーマン・ショック時の1200強を上回る1321銘柄に達し、東証1部の騰落レシオ(25日平均)は1年8ヵ月ぶりに70%を割り込む68.95%まで低下、更に新規上場(IPO)銘柄のポート<7047>は10年ぶりにIPO初日に売り気配で値つかずという異常要因の多発は、セリング・クライマックス到来が接近しているとも考えらえる。時間短縮取引となる24日のNYダウ次第ながら、3連休明けの東京市場は軟調なムードを引き継ぎそうだ。ただし、週後半になると自律反発期待もでてくる。21日までの日経平均の下げ幅は1300円強に達しており、短期的なリバウンドがあってもおかしくない。一方、日柄的には、年内受け渡しである25日で年内換金売り圧力が一巡し、実質2019年相場入りとなる26日からは、個別銘柄において押し目狙い、リターン・リバーサルの動きも期待される。また、3月期末配当を意識するタイミングにも入ってくることから、株価調整による個別銘柄配当利回りの魅力が注目されやすくなる。会社予想による配当をベースに、今期業績不安の少ない大型株では、東京エレクトロン<8035>で5.7%、住友商事<8053>と東京海上HD<8766>で4.8%近辺の高配当利回りとなっている。
■東京市場は29日から6連休
東京市場は、年明け4日の大発会まで6連休となることから28日の大納会に向けての売買は低調となりそうだが、売り圧力も後退してこよう。19日にIPO初値が公開価格割れで始まったソフトバンク<9434>が21日にかけて小幅続伸したことで、一段の投資家心理の悪化を抑えている。なお、年明け4日の大発会は、週間で1日のみの営業日となる。2日からのNY市場をはじめとする海外市場の動向次第だが、過去の経緯を見ると、1月月間の日経平均騰落率は年間で最も上昇確率が高い月であり、過去2年間の大発会は大幅高でスタートしている。■11月鉱工業生産、黒田日銀総裁発言、東証大納会今週の主な国内経済関連スケジュールは、24日は振替休日、25日に11月企業向けサービス価格指数、10月景気先行・一致指数(CI)改定値、26日に10月30・31日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、黒田東彦日銀総裁発言、28日に11月労働力調査・有効求人倍率、11月鉱工業生産、11月商業販売統計、12月19・20日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、東証大納会がある。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、24日に米11月シカゴ連銀全米活動指数、25日は米などクリスマスで休場、26日に米10月S&PコアロジックCS住宅価格指数、ボクシングデーで英国、香港休場、27日は米10月FHFA住宅価格指数、米11月新築住宅販売件数、米12月CB消費者信頼感指数、28日は米12月シカゴ購買部協会景気指数、米11月中古住宅販売仮契約等の発表がある。このほか、国内で予定されているイベント等としては、25日に気象庁3カ月予報が発表される。また、年明けでは、3日に米12月ADP雇用統計、米12月ISM製造業景況指数が発表、4日に東証大発会、米国で12月雇用統計、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言が予定されている。
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先週の日経平均は下落し3月の年初来安値を更新した。週間ベースでは3週連続安となった。週初17日の日経平均は円安含みに振れた為替と日経平均採用の値がさ株が買い戻されたことで反発して始まった。しかし、12月のNY連銀製造業景況指数やNAHB住宅市場指数が予想を下回り17日のNYダウが507.53ドル安と続落したことを受けて、18日の日経平均は反落に転じた。NYダウの3日ぶりの反発を受けた19日の日経平均も続落した。プラス圏に浮上する場面もあったが、米FOMCを控えて戻りは限定的で終値は3月26日以来となる21000円割れとなった。また、新規上場したソフトバンク<9434>が公開価格1500円を下回る1463円の初値をつけた後、ジリジリと値を下げたことも地合いを悪化させた。FOMCは大方の予想通りFF金利の誘導目標を2.25から2.50%に引き上げ、2019年の利上げ回数見通しは2回に引き下げられた。パウエルFRB議長も将来のデータ次第で金融政策変更の可能性にも言及したが相場の支援材料とはならなかった。20日の日経平均は3日続落して一時700円超の下げとなり、3月につけた年初来安値20347.49円を更新、2017年9月末以来となる約1年3カ月ぶりの低水準に沈んだ。トランプ大統領が2019年2月までの「つなぎ予算案」に署名しない意向が伝わり、政府機関閉鎖への警戒感の高まりを受けた米国株急落や1ドル111円台の円高によって、21日の日経平均は4日続落し、前引け間際には節目の20000円目前まで急落した。後場に入り、18日と20日に続く日銀のETF買い期待を支えに節目割れは回避したものの戻りは鈍い展開となった。
■週後半にリバウンドの芽、配当利回りなど注目
今週の日経平均は心理的な節目意識が強まる20000円の攻防が意識され、ボラティリティの高い展開となることが予想される。仮に20000円割れとなると、ザラバ、終値ベースともに2017年9月15日以来となる。21日には東証1部の年初来安値更新銘柄が2008年10月のリーマン・ショック時の1200強を上回る1321銘柄に達し、東証1部の騰落レシオ(25日平均)は1年8ヵ月ぶりに70%を割り込む68.95%まで低下、更に新規上場(IPO)銘柄のポート<7047>は10年ぶりにIPO初日に売り気配で値つかずという異常要因の多発は、セリング・クライマックス到来が接近しているとも考えらえる。時間短縮取引となる24日のNYダウ次第ながら、3連休明けの東京市場は軟調なムードを引き継ぎそうだ。ただし、週後半になると自律反発期待もでてくる。21日までの日経平均の下げ幅は1300円強に達しており、短期的なリバウンドがあってもおかしくない。一方、日柄的には、年内受け渡しである25日で年内換金売り圧力が一巡し、実質2019年相場入りとなる26日からは、個別銘柄において押し目狙い、リターン・リバーサルの動きも期待される。また、3月期末配当を意識するタイミングにも入ってくることから、株価調整による個別銘柄配当利回りの魅力が注目されやすくなる。会社予想による配当をベースに、今期業績不安の少ない大型株では、東京エレクトロン<8035>で5.7%、住友商事<8053>と東京海上HD<8766>で4.8%近辺の高配当利回りとなっている。
■東京市場は29日から6連休
東京市場は、年明け4日の大発会まで6連休となることから28日の大納会に向けての売買は低調となりそうだが、売り圧力も後退してこよう。19日にIPO初値が公開価格割れで始まったソフトバンク<9434>が21日にかけて小幅続伸したことで、一段の投資家心理の悪化を抑えている。なお、年明け4日の大発会は、週間で1日のみの営業日となる。2日からのNY市場をはじめとする海外市場の動向次第だが、過去の経緯を見ると、1月月間の日経平均騰落率は年間で最も上昇確率が高い月であり、過去2年間の大発会は大幅高でスタートしている。■11月鉱工業生産、黒田日銀総裁発言、東証大納会今週の主な国内経済関連スケジュールは、24日は振替休日、25日に11月企業向けサービス価格指数、10月景気先行・一致指数(CI)改定値、26日に10月30・31日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、黒田東彦日銀総裁発言、28日に11月労働力調査・有効求人倍率、11月鉱工業生産、11月商業販売統計、12月19・20日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、東証大納会がある。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、24日に米11月シカゴ連銀全米活動指数、25日は米などクリスマスで休場、26日に米10月S&PコアロジックCS住宅価格指数、ボクシングデーで英国、香港休場、27日は米10月FHFA住宅価格指数、米11月新築住宅販売件数、米12月CB消費者信頼感指数、28日は米12月シカゴ購買部協会景気指数、米11月中古住宅販売仮契約等の発表がある。このほか、国内で予定されているイベント等としては、25日に気象庁3カ月予報が発表される。また、年明けでは、3日に米12月ADP雇用統計、米12月ISM製造業景況指数が発表、4日に東証大発会、米国で12月雇用統計、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言が予定されている。
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