来週の相場で注目すべき3つのポイント:実質2019年相場入り、黒田日銀総裁講演、20000円の攻防
[18/12/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限21000-下限19500円
来週の日経平均は心理的な節目意識が強まる20000円の攻防が意識され、ボラティリティの高い展開となることが予想される。仮に20000円割れとなると、ザラバ、終値ベースともに2017年9月15日以来となる。21日には東証1部の年初来安値更新銘柄が2008年10月のリーマン・ショック時の1200強を上回る1321銘柄に達し、東証1部の騰落レシオ(25日平均)は1年8カ月ぶりに70%を割り込む68.95%まで低下。さらに新規上場(IPO)銘柄のポート<7047>が初日に売り気配で値つかずになるという異常事象の多発は、セリング・クライマックス到来が接近しているとも考えらえる。時間短縮取引となる24日のNYダウ次第ながら、3連休明けの東京市場は軟調なムードを引き継ぎそうだ。ただし、週後半になると自律反発期待もでてくる。21日までの日経平均の下げ幅は1300円強に達しており、短期的なリバウンドがあってもおかしくない。一方、日柄的には、年内受け渡しである25日で換金売り圧力が一巡し、実質2019年相場入りとなる26日からは、個別銘柄において押し目狙い、リターン・リバーサルの動きも期待される。また、3月期末配当を意識するタイミングにも入ってくることから、株価調整による個別銘柄配当利回りの魅力が注目されやすくなる。会社予想による配当をベースに、今期業績不安の少ない大型株では、東京エレクトロン<8035>で5.7%、住友商事<8053>と東京海上HD<8766>で4.8%近辺の高配当利回りとなっている。
東京市場は、年明け4日の大発会まで6連休となることから28日の大納会に向けての売買は低調となりそうだが、売り圧力も後退してこよう。19日に公開価格割れスタートとなったソフトバンク<9434>が21日にかけて小幅続伸したことで、一段の投資家心理の悪化を抑えている。なお、年明け4日の大発会は、週間で1日のみの営業日となる。2日からのNY市場をはじめとする海外市場の動向次第だが、過去の経緯を見ると、1月月間の日経平均騰落率は年間で最も上昇確率が高い月であり、過去2年間の大発会は大幅高でスタートしている。
主な国内経済関連スケジュールは、24日は振替休日、25日に11月企業向けサービス価格指数、10月景気先行・一致指数(CI)改定値、26日に10月30-31日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、黒田東彦日銀総裁発言、28日に11月労働力調査・有効求人倍率、11月鉱工業生産、11月商業販売統計、12月19-20日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、東証大納会がある。
■為替市場見通し
来週のドル・円は弱含みか。18−19日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で今年4回目の利上げが実施されたものの、景気の先行きに関しては不透明感が広がっている。2019年の金利見通しから、利上げ回数は9月時点の年3回から2回への引き下げが見込まれる。金利先高観は後退しており、ドルを買い進めることは難しくなりそうだ。日経平均株価の下落基調が続けば円買い圧力がさらに強まる可能性がある。
利上げペースの鈍化はある程度織り込まれていたとみられるが、目先的にはドルを買いづらい状態が続くと予想される。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長はFOMC後の記者会見で米国経済の健全性を強調したものの、12月消費者信頼感指数、12月ISM製造業景況指数、12月雇用統計など経済指標が市場予想を下回った場合、2019年以降の利上げシナリオは大幅に修正されるとの見方が出ている。
トランプ米大統領は、メキシコとの国境の壁の建設費計上について野党民主党との妥協を拒む姿勢を変えておらず、米国時間22日午前0時1分から、米政府機関が一部閉鎖されることになった。米国株式は米政府機関閉鎖の可能性をある程度織り込んでいたが、長期閉鎖を警戒して週明けの米国株式は一段安となる可能性がある。この影響で欧州、アジア諸国の株式相場も軟調に推移するとの見方が多く、日経平均は大きな節目である20000円を下回る可能性がある。主要国の株安が一服すればドルの押し目買い興味が強まると予想されるものの、具体的なドル買い材料が提供されない場合、ドルの戻りは限定的となりそうだ。
■来週の注目スケジュール
12月24日(月):国内株式市場は天皇誕生日の振替休日休場、米株市場はクリスマス・イブのため短縮取引など
12月25日(火):東証住宅価格、米・欧・香港・韓国・南ア・印・豪・スイス株式市場は祝日のため休場など
12月26日(水):黒田日銀総裁が講演、米S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数など
12月27日(木):中工業利益、米消費者信頼感指数、ECB月報など
12月28日(金):有効求人倍率、独消費者物価指数、米中古住宅販売成約指数、中経常収支確定値など
<SK>
予想レンジ:上限21000-下限19500円
来週の日経平均は心理的な節目意識が強まる20000円の攻防が意識され、ボラティリティの高い展開となることが予想される。仮に20000円割れとなると、ザラバ、終値ベースともに2017年9月15日以来となる。21日には東証1部の年初来安値更新銘柄が2008年10月のリーマン・ショック時の1200強を上回る1321銘柄に達し、東証1部の騰落レシオ(25日平均)は1年8カ月ぶりに70%を割り込む68.95%まで低下。さらに新規上場(IPO)銘柄のポート<7047>が初日に売り気配で値つかずになるという異常事象の多発は、セリング・クライマックス到来が接近しているとも考えらえる。時間短縮取引となる24日のNYダウ次第ながら、3連休明けの東京市場は軟調なムードを引き継ぎそうだ。ただし、週後半になると自律反発期待もでてくる。21日までの日経平均の下げ幅は1300円強に達しており、短期的なリバウンドがあってもおかしくない。一方、日柄的には、年内受け渡しである25日で換金売り圧力が一巡し、実質2019年相場入りとなる26日からは、個別銘柄において押し目狙い、リターン・リバーサルの動きも期待される。また、3月期末配当を意識するタイミングにも入ってくることから、株価調整による個別銘柄配当利回りの魅力が注目されやすくなる。会社予想による配当をベースに、今期業績不安の少ない大型株では、東京エレクトロン<8035>で5.7%、住友商事<8053>と東京海上HD<8766>で4.8%近辺の高配当利回りとなっている。
東京市場は、年明け4日の大発会まで6連休となることから28日の大納会に向けての売買は低調となりそうだが、売り圧力も後退してこよう。19日に公開価格割れスタートとなったソフトバンク<9434>が21日にかけて小幅続伸したことで、一段の投資家心理の悪化を抑えている。なお、年明け4日の大発会は、週間で1日のみの営業日となる。2日からのNY市場をはじめとする海外市場の動向次第だが、過去の経緯を見ると、1月月間の日経平均騰落率は年間で最も上昇確率が高い月であり、過去2年間の大発会は大幅高でスタートしている。
主な国内経済関連スケジュールは、24日は振替休日、25日に11月企業向けサービス価格指数、10月景気先行・一致指数(CI)改定値、26日に10月30-31日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、黒田東彦日銀総裁発言、28日に11月労働力調査・有効求人倍率、11月鉱工業生産、11月商業販売統計、12月19-20日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、東証大納会がある。
■為替市場見通し
来週のドル・円は弱含みか。18−19日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で今年4回目の利上げが実施されたものの、景気の先行きに関しては不透明感が広がっている。2019年の金利見通しから、利上げ回数は9月時点の年3回から2回への引き下げが見込まれる。金利先高観は後退しており、ドルを買い進めることは難しくなりそうだ。日経平均株価の下落基調が続けば円買い圧力がさらに強まる可能性がある。
利上げペースの鈍化はある程度織り込まれていたとみられるが、目先的にはドルを買いづらい状態が続くと予想される。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長はFOMC後の記者会見で米国経済の健全性を強調したものの、12月消費者信頼感指数、12月ISM製造業景況指数、12月雇用統計など経済指標が市場予想を下回った場合、2019年以降の利上げシナリオは大幅に修正されるとの見方が出ている。
トランプ米大統領は、メキシコとの国境の壁の建設費計上について野党民主党との妥協を拒む姿勢を変えておらず、米国時間22日午前0時1分から、米政府機関が一部閉鎖されることになった。米国株式は米政府機関閉鎖の可能性をある程度織り込んでいたが、長期閉鎖を警戒して週明けの米国株式は一段安となる可能性がある。この影響で欧州、アジア諸国の株式相場も軟調に推移するとの見方が多く、日経平均は大きな節目である20000円を下回る可能性がある。主要国の株安が一服すればドルの押し目買い興味が強まると予想されるものの、具体的なドル買い材料が提供されない場合、ドルの戻りは限定的となりそうだ。
■来週の注目スケジュール
12月24日(月):国内株式市場は天皇誕生日の振替休日休場、米株市場はクリスマス・イブのため短縮取引など
12月25日(火):東証住宅価格、米・欧・香港・韓国・南ア・印・豪・スイス株式市場は祝日のため休場など
12月26日(水):黒田日銀総裁が講演、米S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数など
12月27日(木):中工業利益、米消費者信頼感指数、ECB月報など
12月28日(金):有効求人倍率、独消費者物価指数、米中古住宅販売成約指数、中経常収支確定値など
<SK>