国内株式市場見通し:日経平均は上値の重さ意識、個別株は躍動へ
[19/03/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■日経平均は3週ぶり下落
前週の日経平均は下落した。週間ベースでは3週ぶり、月間ベースでも3カ月ぶりの下げに転じた。週初25日の日経平均は3営業日ぶり急反落し、下落率は3%と今年最大になった。欧米の経済指標の悪化や米長短金利の逆転を受け、世界経済の減速懸念が広がり22日のNYダウが急落したことを受けて、東京市場は全面安商状となった。為替も1ドル=110円を割り込む場面があり、日経平均は終値で2月15日以来の21000円割れを見た。3月期末の権利付き最終売買日となった26日は、配当取りの買いや配当再投資に絡んだ思惑からの買いに、自律反発狙いの買いが加わり、日経平均は反発に転じ21000円台を回復した。25日のNYダウが小反発したことも安心感につながった。東証1部の出来高は今年最大に膨らんだ。個別では、家庭用ゲーム機の新モデル今夏にも発表と報じられた任天堂<7974>の上昇が目立った。長期金利の低下一服を受けて26日のNYダウは続伸したものの、27日の日経平均は前日比49.66円安と反落した。3月期末の権利落ち日となった日経平均の配当落ち分171円程度が指数を押し下げる形となった。一時は前日比185.87円安となる場面もあったが、中国株高や日銀のETF(上場投資信託)買いが下支えとなった。長期金利低下に伴い長短金利の逆転が更に広がるとの警戒感から3日ぶりに反落したNYダウを受けて28日の日経平均は大幅続落となった。トルコ政府の信用不安が再燃し、海外半導体株が軒並み安となった流れから東京市場もハイテク株に売りが先行した。28日のNYダウは10−12月期GDP確定値が予想を下振れ一時下落する場面もあったが、米中協議進展への期待から反発した。この流れを受けて29日の日経平均は172.05円高の21205.81円と3日ぶりに反発した。英アストラゼネカと抗がん剤で提携した第一三共<4568>がストップ高となり医薬品株人気をリードした。なお、日経平均は昨年3月末の21454.30円を下回る年度末となった。
■重要イベント控え日経平均はもみあい
今週の日経平均は、強弱感が対立するなかもみ合う展開が予想される。世界的な景気の不透明感が強まる中で、上値の重さが意識されている。日米ともに1日の3月調査日銀短観、米2月小売売上高を皮切りに経済指標の発表が相次ぐことが、相場の撹乱要素となりそうだ。5日の米3月雇用統計は週末5日の東京市場が大引けた後に判明するため模様眺め要因として働く可能性もある。また、テクニカル的にも厳しい展開となっている。28日の日経平均ローソク足はマドを空けて陰線を引き、一時75日移動平均線を下回る場面があるなど売り圧力の強さを改めて窺わせた。1月31日を直近ボトムに上昇してきた25日線が下降に転じ、5日線や75日線の下降と合わせて、短中期的な下落トレンド入りが懸念される。下は75日移動平均線がサポートし、急低下してくる5日移動平均線を回復出来るかが焦点となってこよう。例年、3月の年度末を挟んで相場が上下に乱高下するケースは多く見られる。新会計年度入りに伴う機関投資家のポジションの入れ替えによる影響が多いとみられるが、そうした季節的な需給の影響に寄る乱高下を見極める展開ともなってこよう。
■個別株物色にうねり増す
一方、名実ともの新年度入り相場となる4月は、海外投資家が買い越す特異月ともなっており、需給面での変化にも注目しておきたい。米中貿易協議は今週も継続され、中国の劉鶴副首相率いる代表団が4月3日にワシントンを訪れる見込みだ。ムニューシン財務長官等の28日から北京での通商協議継続に続く劉副首相の今回の訪米のタイミングが、内容によっては相場にプラスに働くことが期待される。また、1日午前11時30分とされる新元号の発表は社会一般的なムードを高揚させる効果が見込まれる。東京市場にとってはプラスの心理的効果が生じる可能性もある。こうしたなか、3月29日の日経平均の反発局面では、直近IPO銘柄や材料が表面化した銘柄が急伸するなど、個別株物色は活発になり始めていることが注目される。日経平均の3月月間足が3カ月ぶりに陰線を引いたのに対して、東証マザーズ指数は3カ月連続の陽線とリバウンドを鮮明としているのもその証左の一つ。医薬関連の学会シーズンが到来して新薬関連の情報発信が増え、バイオ関連株が人気化しやすい地合いとなっている。
■日銀短観、新元号、米雇用統計
今週の主な国内経済関連スケジュールは、1日に3月調査日銀短観、3月自動車販売台数、2日に3月マネタリーベース、5日に2月家計調査、2月毎月勤労統計調査、2月景気動向指数などが発表予定である。一方、米国など海外経済関連スケジュールは、1日にユーロ圏2月失業率、米2月小売売上高、米3月ISM製造業景況指数、米2月建設支出、米1月企業在庫、2日に米2月耐久財受注、3日に米3月ADP雇用統計、米3月ISM非製造業景況指数、5日に米3月雇用統計、米2月消費者信用残高、清明節で中国、香港市場は休場が予定されている。また、2月期決算のしまむら<8227>が1日、セブン&アイ・ホールディングス<3382>が4日に決算発表を予定している。
<FA>
前週の日経平均は下落した。週間ベースでは3週ぶり、月間ベースでも3カ月ぶりの下げに転じた。週初25日の日経平均は3営業日ぶり急反落し、下落率は3%と今年最大になった。欧米の経済指標の悪化や米長短金利の逆転を受け、世界経済の減速懸念が広がり22日のNYダウが急落したことを受けて、東京市場は全面安商状となった。為替も1ドル=110円を割り込む場面があり、日経平均は終値で2月15日以来の21000円割れを見た。3月期末の権利付き最終売買日となった26日は、配当取りの買いや配当再投資に絡んだ思惑からの買いに、自律反発狙いの買いが加わり、日経平均は反発に転じ21000円台を回復した。25日のNYダウが小反発したことも安心感につながった。東証1部の出来高は今年最大に膨らんだ。個別では、家庭用ゲーム機の新モデル今夏にも発表と報じられた任天堂<7974>の上昇が目立った。長期金利の低下一服を受けて26日のNYダウは続伸したものの、27日の日経平均は前日比49.66円安と反落した。3月期末の権利落ち日となった日経平均の配当落ち分171円程度が指数を押し下げる形となった。一時は前日比185.87円安となる場面もあったが、中国株高や日銀のETF(上場投資信託)買いが下支えとなった。長期金利低下に伴い長短金利の逆転が更に広がるとの警戒感から3日ぶりに反落したNYダウを受けて28日の日経平均は大幅続落となった。トルコ政府の信用不安が再燃し、海外半導体株が軒並み安となった流れから東京市場もハイテク株に売りが先行した。28日のNYダウは10−12月期GDP確定値が予想を下振れ一時下落する場面もあったが、米中協議進展への期待から反発した。この流れを受けて29日の日経平均は172.05円高の21205.81円と3日ぶりに反発した。英アストラゼネカと抗がん剤で提携した第一三共<4568>がストップ高となり医薬品株人気をリードした。なお、日経平均は昨年3月末の21454.30円を下回る年度末となった。
■重要イベント控え日経平均はもみあい
今週の日経平均は、強弱感が対立するなかもみ合う展開が予想される。世界的な景気の不透明感が強まる中で、上値の重さが意識されている。日米ともに1日の3月調査日銀短観、米2月小売売上高を皮切りに経済指標の発表が相次ぐことが、相場の撹乱要素となりそうだ。5日の米3月雇用統計は週末5日の東京市場が大引けた後に判明するため模様眺め要因として働く可能性もある。また、テクニカル的にも厳しい展開となっている。28日の日経平均ローソク足はマドを空けて陰線を引き、一時75日移動平均線を下回る場面があるなど売り圧力の強さを改めて窺わせた。1月31日を直近ボトムに上昇してきた25日線が下降に転じ、5日線や75日線の下降と合わせて、短中期的な下落トレンド入りが懸念される。下は75日移動平均線がサポートし、急低下してくる5日移動平均線を回復出来るかが焦点となってこよう。例年、3月の年度末を挟んで相場が上下に乱高下するケースは多く見られる。新会計年度入りに伴う機関投資家のポジションの入れ替えによる影響が多いとみられるが、そうした季節的な需給の影響に寄る乱高下を見極める展開ともなってこよう。
■個別株物色にうねり増す
一方、名実ともの新年度入り相場となる4月は、海外投資家が買い越す特異月ともなっており、需給面での変化にも注目しておきたい。米中貿易協議は今週も継続され、中国の劉鶴副首相率いる代表団が4月3日にワシントンを訪れる見込みだ。ムニューシン財務長官等の28日から北京での通商協議継続に続く劉副首相の今回の訪米のタイミングが、内容によっては相場にプラスに働くことが期待される。また、1日午前11時30分とされる新元号の発表は社会一般的なムードを高揚させる効果が見込まれる。東京市場にとってはプラスの心理的効果が生じる可能性もある。こうしたなか、3月29日の日経平均の反発局面では、直近IPO銘柄や材料が表面化した銘柄が急伸するなど、個別株物色は活発になり始めていることが注目される。日経平均の3月月間足が3カ月ぶりに陰線を引いたのに対して、東証マザーズ指数は3カ月連続の陽線とリバウンドを鮮明としているのもその証左の一つ。医薬関連の学会シーズンが到来して新薬関連の情報発信が増え、バイオ関連株が人気化しやすい地合いとなっている。
■日銀短観、新元号、米雇用統計
今週の主な国内経済関連スケジュールは、1日に3月調査日銀短観、3月自動車販売台数、2日に3月マネタリーベース、5日に2月家計調査、2月毎月勤労統計調査、2月景気動向指数などが発表予定である。一方、米国など海外経済関連スケジュールは、1日にユーロ圏2月失業率、米2月小売売上高、米3月ISM製造業景況指数、米2月建設支出、米1月企業在庫、2日に米2月耐久財受注、3日に米3月ADP雇用統計、米3月ISM非製造業景況指数、5日に米3月雇用統計、米2月消費者信用残高、清明節で中国、香港市場は休場が予定されている。また、2月期決算のしまむら<8227>が1日、セブン&アイ・ホールディングス<3382>が4日に決算発表を予定している。
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