来週の相場で注目すべき3つのポイント:米中貿易協議継続、新元号発表、米雇用統計
[19/03/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限22000-下限20750円
来週の日経平均は、強弱感が対立するなかもみ合う展開が予想される。世界的な景気の不透明感が強まる中で、上値の重さが意識されている。日米ともに1日の3月調査日銀短観、米2月小売売上高を皮切りに経済指標の発表が相次ぐことが、相場の撹乱要素となりそうだ。5日の米3月雇用統計は週末5日の東京市場が引けた後に判明するため模様眺め要因として働く可能性もある。また、テクニカル的にも厳しい展開となっている。28日の日経平均ローソク足はマドを空けて陰線を引き、一時75日移動平均線を下回る場面があるなど売り圧力の強さを改めて窺わせた。1月31日を直近ボトムに上昇してきた25日線が下降に転じ、5日線や75日線の下降と合わせて、短中期的な下落トレンド入りが懸念される。下は75日移動平均線がサポートし、急低下してくる5日移動平均線水準を回復できるかが焦点となってこよう。例年、3月の年度末を挟んで相場が上下に乱高下するケースは多く見られる。新年度入りに伴う機関投資家のポジションの入れ替えによる影響が多いとみられるが、そうした季節的な需給の影響による乱高下を見極める展開ともなってこよう。
一方、名実ともに新年度入り相場となる4月は、海外投資家が買い越す特異月ともなっており、需給面での変化にも注目しておきたい。米中貿易協議は来週も継続され、中国の劉鶴副首相率いる代表団が4月3日にワシントンを訪れる見込みだ。ムニューシン財務長官等の訪中による28日からの北京での協議に続く今回の劉副首相の訪米タイミングが、内容によっては相場にプラスに働くことが期待される。また、1日午前11時30分とされる新元号の発表は社会一般的なムードを高揚させる効果が見込まれる。東京市場にとってはプラスの心理的効果が生じる可能性もある。こうしたなか、3月29日の日経平均の反発局面では直近IPO銘柄や材料が表面化した銘柄が急伸するなど、個別株物色が活発になり始めていることが注目される。日経平均の3月月間足が3カ月ぶりに陰線を引いたのに対し、東証マザーズ指数は3カ月連続の陽線とリバウンドを鮮明としているのもその証左の1つ。医薬関連の学会シーズンが到来して新薬関連の情報発信が増え、バイオ関連株が人気化しやすい地合いとなっている。
主な国内経済関連スケジュールは、1日に3月調査日銀短観、3月自動車販売台数、2日に3月マネタリーベース、5日に2月家計調査、2月毎月勤労統計調査、2月景気動向指数などが発表予定である。一方、米国など海外経済関連スケジュールは、1日にユーロ圏2月失業率、米2月小売売上高、米3月ISM製造業景況指数、米2月建設支出、米1月企業在庫、2日に米2月耐久財受注、3日に米3月ADP雇用統計、米3月ISM非製造業景況指数、5日に米3月雇用統計、米2月消費者信用残高、清明節で中国、香港市場休場が予定されている。また、2月期決算のしまむら<8227>が1日、セブン&アイ・ホールディングス<3382>が4日に決算発表を予定している。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い動きとなりそうだ。米国の小売売上高や雇用統計など重要経済指標が市場予想を下回り、景気減速懸念が広がっても、英国の政治不安や欧州経済の悪化を警戒して安全逃避的なドル買いは継続するとの見方が多い。この影響でドルは対円でも下げづらい展開となりそうだ。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派的な政策スタンスを意識してリスク選好的なドル買いが一段と強まる可能性は低いとみられる。
来週(4月第1週)は欧米で重要な経済指標の発表が集中する。欧州中央銀行(ECB)の政策決定を控え、ユーロ圏経済の減速傾向がより鮮明になった場合、ユーロ売り・ドル買いは継続する見通し。NZ準備銀行(中央銀行)は将来的な利上げ計画を見直し、年内に利下げを行う可能性があると表明したが、米国以外の国や地域で金利引き上げを見送る動きは広がっていることから、安全通貨としてドルが選好されやすい地合いとなりつつある。
発表予定の米経済指標では、2月小売売上高、3月ISM製造業景気指数、3月雇用統計が特に注目されており、これらが市場予想を下回った場合は米国金利の先安観が再浮上するとみられる。リスク回避的なドル売りがやや強まると予想されるが、指標悪化はある程度織り込み済みであり、市場予想に沿った内容ならドル売りが大きく広がる可能性は低いと予想される。米中貿易協議の進展が期待されていることはドル・円相場を下支えする要因となりそうだ。4月3日からワシントンで行われる予定の米中協議では、中国の知的財産権保護などがテーマになるとみられている。
■来週の注目スケジュール
4月1日(月):日銀短観、新元号発表、ユーロ圏失業率、米ISM製造業景況指数など
4月2日(火):スイス消費者物価指数、ユーロ圏生産者物価指数、米耐久財受注など
4月3日(水):トルコ消費者物価指数、英サービス業PMI、中国の劉鶴副首相が米ワシントン訪問など
4月4日(木):独製造業受注、インド中銀が政策金利発表など
4月5日(金):米雇用統計、G7外相会合、中・香港株式市場は祝日のため休場など
<SK>
予想レンジ:上限22000-下限20750円
来週の日経平均は、強弱感が対立するなかもみ合う展開が予想される。世界的な景気の不透明感が強まる中で、上値の重さが意識されている。日米ともに1日の3月調査日銀短観、米2月小売売上高を皮切りに経済指標の発表が相次ぐことが、相場の撹乱要素となりそうだ。5日の米3月雇用統計は週末5日の東京市場が引けた後に判明するため模様眺め要因として働く可能性もある。また、テクニカル的にも厳しい展開となっている。28日の日経平均ローソク足はマドを空けて陰線を引き、一時75日移動平均線を下回る場面があるなど売り圧力の強さを改めて窺わせた。1月31日を直近ボトムに上昇してきた25日線が下降に転じ、5日線や75日線の下降と合わせて、短中期的な下落トレンド入りが懸念される。下は75日移動平均線がサポートし、急低下してくる5日移動平均線水準を回復できるかが焦点となってこよう。例年、3月の年度末を挟んで相場が上下に乱高下するケースは多く見られる。新年度入りに伴う機関投資家のポジションの入れ替えによる影響が多いとみられるが、そうした季節的な需給の影響による乱高下を見極める展開ともなってこよう。
一方、名実ともに新年度入り相場となる4月は、海外投資家が買い越す特異月ともなっており、需給面での変化にも注目しておきたい。米中貿易協議は来週も継続され、中国の劉鶴副首相率いる代表団が4月3日にワシントンを訪れる見込みだ。ムニューシン財務長官等の訪中による28日からの北京での協議に続く今回の劉副首相の訪米タイミングが、内容によっては相場にプラスに働くことが期待される。また、1日午前11時30分とされる新元号の発表は社会一般的なムードを高揚させる効果が見込まれる。東京市場にとってはプラスの心理的効果が生じる可能性もある。こうしたなか、3月29日の日経平均の反発局面では直近IPO銘柄や材料が表面化した銘柄が急伸するなど、個別株物色が活発になり始めていることが注目される。日経平均の3月月間足が3カ月ぶりに陰線を引いたのに対し、東証マザーズ指数は3カ月連続の陽線とリバウンドを鮮明としているのもその証左の1つ。医薬関連の学会シーズンが到来して新薬関連の情報発信が増え、バイオ関連株が人気化しやすい地合いとなっている。
主な国内経済関連スケジュールは、1日に3月調査日銀短観、3月自動車販売台数、2日に3月マネタリーベース、5日に2月家計調査、2月毎月勤労統計調査、2月景気動向指数などが発表予定である。一方、米国など海外経済関連スケジュールは、1日にユーロ圏2月失業率、米2月小売売上高、米3月ISM製造業景況指数、米2月建設支出、米1月企業在庫、2日に米2月耐久財受注、3日に米3月ADP雇用統計、米3月ISM非製造業景況指数、5日に米3月雇用統計、米2月消費者信用残高、清明節で中国、香港市場休場が予定されている。また、2月期決算のしまむら<8227>が1日、セブン&アイ・ホールディングス<3382>が4日に決算発表を予定している。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い動きとなりそうだ。米国の小売売上高や雇用統計など重要経済指標が市場予想を下回り、景気減速懸念が広がっても、英国の政治不安や欧州経済の悪化を警戒して安全逃避的なドル買いは継続するとの見方が多い。この影響でドルは対円でも下げづらい展開となりそうだ。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派的な政策スタンスを意識してリスク選好的なドル買いが一段と強まる可能性は低いとみられる。
来週(4月第1週)は欧米で重要な経済指標の発表が集中する。欧州中央銀行(ECB)の政策決定を控え、ユーロ圏経済の減速傾向がより鮮明になった場合、ユーロ売り・ドル買いは継続する見通し。NZ準備銀行(中央銀行)は将来的な利上げ計画を見直し、年内に利下げを行う可能性があると表明したが、米国以外の国や地域で金利引き上げを見送る動きは広がっていることから、安全通貨としてドルが選好されやすい地合いとなりつつある。
発表予定の米経済指標では、2月小売売上高、3月ISM製造業景気指数、3月雇用統計が特に注目されており、これらが市場予想を下回った場合は米国金利の先安観が再浮上するとみられる。リスク回避的なドル売りがやや強まると予想されるが、指標悪化はある程度織り込み済みであり、市場予想に沿った内容ならドル売りが大きく広がる可能性は低いと予想される。米中貿易協議の進展が期待されていることはドル・円相場を下支えする要因となりそうだ。4月3日からワシントンで行われる予定の米中協議では、中国の知的財産権保護などがテーマになるとみられている。
■来週の注目スケジュール
4月1日(月):日銀短観、新元号発表、ユーロ圏失業率、米ISM製造業景況指数など
4月2日(火):スイス消費者物価指数、ユーロ圏生産者物価指数、米耐久財受注など
4月3日(水):トルコ消費者物価指数、英サービス業PMI、中国の劉鶴副首相が米ワシントン訪問など
4月4日(木):独製造業受注、インド中銀が政策金利発表など
4月5日(金):米雇用統計、G7外相会合、中・香港株式市場は祝日のため休場など
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