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個人主体の中小型株物色は活発化しやすい【クロージング】

注目トピックス 市況・概況
29日の日経平均は大幅に下落。256.77円安の21003.37円(出来高概算13億2000万株)で取引を終えた。米中貿易戦争が長期化するとの見方から、連休明けの米国市場ではNYダウが237ドル安と大きく下げた影響から、日経平均も売り先行の相場展開となった。200円を超える下落で始まった日経平均は、その後一時20884.61円まで下げ幅を広げる局面もみられた。ただし、5月半ばにつけた安値である20750円処は割り込まず、その後は日銀にETF買い入れ観測から引けにかけては下げ渋る格好となり、大引けでは21000円をキープした。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは電力ガス、精密機器、食料品、パルプ紙、小売、不動産が軟調。一方で、石油石炭、ゴム製品の2セクターが上昇している。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ユニファミマ<8028>、テルモ<4543>、東エレク<8035>、京セラ<6971>、資生堂<4911>が重石となった。

日経平均は再びザラ場で21000円を割り込んでいるが、その後は買い戻し等から下げ幅を縮める格好となっている。心理的には21000円処での底堅さが意識されてくるだろうが、外部環境の不透明要因から明確なリバウンドに向かうことは考えづらいであろう。テクニカル面では一目均衡表の雲下限での踏ん張りがみられていたが、本日の下げで雲を下放れる形状になっている。一方で雲下限は切上がりを見せてきているため、早い段階でのリバウンドを見せられないと、チャート上でも調整が長期化することが警戒される。

また、為替市場の動きも神経質にさせている。ドル円は1ドル109円10銭台、ユーロ円は1ユーロ122円台を割り込んできている。輸出企業などへは円高への警戒から先行きの業績に対する不透明感が高まりやすいだろう。短期的なリターン・リバーサルの動きはあるだろうが、全体としては内需志向が続きやすい。

なお、先行き不透明感が根強い中で主力処は手掛けづらいだろうが、日経平均の底堅さが意識されている局面では、個人主体の中小型株物色は活発化しやすい。短期視点であるため直近IPOやバイオ株など資金が集中しやすい銘柄に絞られようが、来月下旬には昨年12月安値による信用期日を迎える。次第に需給整理一巡との見方から、信用取組み妙味がある銘柄などへは思惑的な資金も向かいやすいだろう。



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