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為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、米国金利の先安観は後退せず

注目トピックス 市況・概況
【先週の概況】
■ドル強含み、4−6月期米GDP成長率は予想を上回る

先週のドル・円は強含み。7月30−31日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50ポイント利下げ観測は大幅に後退し、リスク選好的なドル買いが優勢となった。トランプ米大統領と米議会与野党幹部が債務上限問題(2年間の借り入れ権限の延長と歳出枠の設定)で合意したほか、6月の米耐久財受注速報値が市場予想を上回ったこともドル買い材料となった。

26日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時108円83銭まで上昇した。この日発表された米4-6月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+2.1%と市場予想を上回る成長率となったことから、ドル買いが優勢となった。その後、米国政権がドル安誘導を検討しているとの思惑が強まり、ドル・円は108円60銭まで下げたが、「トランプ米大統領はナバロ米国家通商会議(NTC)委員長が提示したドル切り下げ案を却下した」、「ムニューシン米財務長官はドル安政策を支持しない」と報じられたことを好感してドル売りは一服し、ドル・円は108円67銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:107円70銭−108円38銭。

【今週の見通し】
■ドルは伸び悩みか、米国金利の先安観は後退せず

今週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は7月30-31日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25ポイント(25bp)引き下げる公算。0.50ポイント(50bp)の大幅引き下げは回避されても9月以降も利下げは続くとみられ、米国金利の先安観は後退せず、ドル売り・円買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。

FRBのパウエル議長は今月10-11日の議会証言で、ハト派寄りとみられる見解を示した。低失業率と賃金の上昇の関連性に疑念を示すとともに、インフレ押し上げ効果の乏しさに言及した。それにより、年内複数回の利下げが観測される。トランプ政権が景気刺激策による米国経済の持続的な成長を目指すとすれば、9月、12月の追加利下げもあり得る。

一方、7月24日に発足した英国のジョンソン政権は10月31日の欧州連合(EU)離脱方針を打ち出しており、ポンドは中期的に売られやすい見通し。欧州中央銀行(ECB)は9月に利下げを行う可能性があることから、ユーロも買いづらい。そうした欧州通貨売り・米ドル買いの影響で、ドル・円の取引でもドル選好地合いに振れる場面もあろう。ただ、今週発表される米経済指標が市場予想を下回った場合、ドルの上値は再び重くなる可能性がある。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(7月30−31日開催予定)
7月31日に連邦公開市場委員会(FOMC)の声明が発表され、その後パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見する。25bpの利下げはほぼ織り込まれたが、FRBのハト派姿勢は維持される見通しでドルを買い戻す動きが大きく広がる可能性は低いとみられる。

【米・7月雇用統計】(8月2日発表予定)
8月2日発表の7月雇用統計は、失業率3.6%(前回3.7%)、非農業部門雇用者数は前月比+16.0万人(同+22.4万人)、平均時給は前年比+3.2%(同+3.1%)と見込まれている。想定通りの内容ならドル売りはやや縮小する可能性がある。

予想レンジ:107円00銭−109円50銭




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