来週の相場で注目すべき3つのポイント:国内企業決算本格化、米FOMC、日銀政策決定会合
[19/07/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限22000-下限21500円
来週の日経平均は引き続き戻りを試す流れとなりそうだ。週末26日こそ失速したものの、前週の日経平均は7月に入ってからのもみ合いレンジを突破する姿勢を見せた。前日のECBの金融政策の維持とドラギ総裁の会見が市場に与える影響が限定的となるなか、為替相場が1ドル=108円台半ばで安定的に推移していることが下支えとなっている。今週は30日からのFOMC、31日のFRB議長会見、2日の7月雇用統計と米国の金融・統計イベントを控えており、想定される利下げ後のNYダウと為替相場の動きが東京市場の上値追いのカギを握っている。波乱要因があるとすれば、31日に発表が予定される中国7月製造業購買担当者指数(PMI)、ユーロ圏4-6月期国内総生産(GDP)で、景況感の悪化が意識されると相場の下押し材料となってくる。テクニカル面で見た日経平均は、上値のフシとなっていた7月SQ値21742.57円を25日に終値ベースで上回った。26日の反落で上昇基調を鮮明にしたところまではきていないが、きっかけ次第で5月連休明けの窓埋め(21875.11円)が焦点となってくる。この窓を埋めてくれば、22000円台乗せへのトライが意識されてくる。一方、下は上昇してくる21600円近辺の5日移動平均線がポイントで、この5日線を割り込まない限り上値追いトレンドと判断できる。
物色的には、半導体関連株の上昇が前週の日経平均浮上の立役者だったが、その目先的な買いがほぼ一巡する今週は、次の主役探しの展開に移る。エムスリー<2413>や野村総合研究所<4307>といったIT関連に好業績銘柄が目立ち、株価の感応度も高いことは1つの手掛かりだ。また、主力企業の決算発表では、29日にファナック<6954>、30日にソニー<6758>、任天堂<7974>、アンリツ<6754>、31日にパナソニック<6752>、村田製作所、TDK<6762>、みずほFG<8411>、1日に三菱商事<8058>、KDDI<9433>、2日にトヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>が予定されている。年初来高値圏にあるソニー、任天堂に好感する動きが出てくれば、物色ムードは好転してくる。このほか、アンリツの決算次第では「5G」のテーマ人気が復活するとの期待もある。また、米司法省は一定条件の下で通信大手のTモバイルとスプリントの合併計画を承認し、スプリントを傘下に持つソフトバンクGの週明けの動きも注目される。
主な国内経済関連スケジュールは、29日に日銀金融政策決定会合(30日まで)、30日に黒田日銀総裁会見、日銀「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)、6月失業率・有効求人倍率、6月鉱工業生産、31日に7月消費者態度指数、1日に7月自動車販売台数、2日に7月マネタリーベース、6月19-20日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨がそれぞれ発表される。一方、米国など海外経済関連の主要スケジュールは、30日にFOMC(31日まで)、31日にパウエルFRB議長会見、米7月ADP雇用統計、中国7月製造業PMI、ユーロ圏4-6月期GDP、1日に米7月ISM製造業景況指数、2日に米7月雇用統計、米6月貿易収支、米6月製造業受注が予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は7月30-31日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25ポイント(25bp)引き下げる公算。0.50ポイント(50bp)の大幅引き下げは回避されても9月以降も利下げは続くとみられ、米国金利の先安観は後退せず、ドル売り・円買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。
FRBのパウエル議長は今月10-11日の議会証言で、ハト派寄りとみられる見解を示した。低失業率と賃金の上昇の関連性に疑念を示すとともに、インフレ押し上げ効果の乏しさに言及した。それにより、年内複数回の利下げが観測される。トランプ政権が景気刺激策による米国経済の持続的な成長を目指すとすれば、9月、12月の追加利下げもあり得る。
一方、7月24日に発足した英国のジョンソン政権は10月31日の欧州連合(EU)離脱方針を打ち出しており、ポンドは中期的に売られやすい見通し。欧州中央銀行(ECB)は9月に利下げを行う可能性があることから、ユーロも買いづらい。そうした欧州通貨売り・米ドル買いの影響で、ドル・円の取引でもドル選好地合いに振れる場面もあろう。ただ、今週発表される米経済指標が市場予想を下回った場合、ドルの上値は再び重くなる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
7月29日(月):日銀政策委員会・金融政策決定会合1日目、日・商業動態統計、ASEAN拡大外相会議など
7月30日(火):黒田日銀総裁が会見、日・有効求人倍率・失業率、ユーロ圏景況感指数、米FOMC(31日まで)など
7月31日(水):中・製造業・非製造業PMI、ユーロ圏GDP速報値、米FOMCが政策金利発表、パウエルFRB議長が記者会見など
8月1日(木):中・財新製造業PMI、英・製造業PMI、米・自動車販売など
8月2日(金):日銀会合議事要旨、ユーロ圏小売売上高、米雇用統計など
<SK>
予想レンジ:上限22000-下限21500円
来週の日経平均は引き続き戻りを試す流れとなりそうだ。週末26日こそ失速したものの、前週の日経平均は7月に入ってからのもみ合いレンジを突破する姿勢を見せた。前日のECBの金融政策の維持とドラギ総裁の会見が市場に与える影響が限定的となるなか、為替相場が1ドル=108円台半ばで安定的に推移していることが下支えとなっている。今週は30日からのFOMC、31日のFRB議長会見、2日の7月雇用統計と米国の金融・統計イベントを控えており、想定される利下げ後のNYダウと為替相場の動きが東京市場の上値追いのカギを握っている。波乱要因があるとすれば、31日に発表が予定される中国7月製造業購買担当者指数(PMI)、ユーロ圏4-6月期国内総生産(GDP)で、景況感の悪化が意識されると相場の下押し材料となってくる。テクニカル面で見た日経平均は、上値のフシとなっていた7月SQ値21742.57円を25日に終値ベースで上回った。26日の反落で上昇基調を鮮明にしたところまではきていないが、きっかけ次第で5月連休明けの窓埋め(21875.11円)が焦点となってくる。この窓を埋めてくれば、22000円台乗せへのトライが意識されてくる。一方、下は上昇してくる21600円近辺の5日移動平均線がポイントで、この5日線を割り込まない限り上値追いトレンドと判断できる。
物色的には、半導体関連株の上昇が前週の日経平均浮上の立役者だったが、その目先的な買いがほぼ一巡する今週は、次の主役探しの展開に移る。エムスリー<2413>や野村総合研究所<4307>といったIT関連に好業績銘柄が目立ち、株価の感応度も高いことは1つの手掛かりだ。また、主力企業の決算発表では、29日にファナック<6954>、30日にソニー<6758>、任天堂<7974>、アンリツ<6754>、31日にパナソニック<6752>、村田製作所、TDK<6762>、みずほFG<8411>、1日に三菱商事<8058>、KDDI<9433>、2日にトヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>が予定されている。年初来高値圏にあるソニー、任天堂に好感する動きが出てくれば、物色ムードは好転してくる。このほか、アンリツの決算次第では「5G」のテーマ人気が復活するとの期待もある。また、米司法省は一定条件の下で通信大手のTモバイルとスプリントの合併計画を承認し、スプリントを傘下に持つソフトバンクGの週明けの動きも注目される。
主な国内経済関連スケジュールは、29日に日銀金融政策決定会合(30日まで)、30日に黒田日銀総裁会見、日銀「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)、6月失業率・有効求人倍率、6月鉱工業生産、31日に7月消費者態度指数、1日に7月自動車販売台数、2日に7月マネタリーベース、6月19-20日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨がそれぞれ発表される。一方、米国など海外経済関連の主要スケジュールは、30日にFOMC(31日まで)、31日にパウエルFRB議長会見、米7月ADP雇用統計、中国7月製造業PMI、ユーロ圏4-6月期GDP、1日に米7月ISM製造業景況指数、2日に米7月雇用統計、米6月貿易収支、米6月製造業受注が予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は7月30-31日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25ポイント(25bp)引き下げる公算。0.50ポイント(50bp)の大幅引き下げは回避されても9月以降も利下げは続くとみられ、米国金利の先安観は後退せず、ドル売り・円買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。
FRBのパウエル議長は今月10-11日の議会証言で、ハト派寄りとみられる見解を示した。低失業率と賃金の上昇の関連性に疑念を示すとともに、インフレ押し上げ効果の乏しさに言及した。それにより、年内複数回の利下げが観測される。トランプ政権が景気刺激策による米国経済の持続的な成長を目指すとすれば、9月、12月の追加利下げもあり得る。
一方、7月24日に発足した英国のジョンソン政権は10月31日の欧州連合(EU)離脱方針を打ち出しており、ポンドは中期的に売られやすい見通し。欧州中央銀行(ECB)は9月に利下げを行う可能性があることから、ユーロも買いづらい。そうした欧州通貨売り・米ドル買いの影響で、ドル・円の取引でもドル選好地合いに振れる場面もあろう。ただ、今週発表される米経済指標が市場予想を下回った場合、ドルの上値は再び重くなる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
7月29日(月):日銀政策委員会・金融政策決定会合1日目、日・商業動態統計、ASEAN拡大外相会議など
7月30日(火):黒田日銀総裁が会見、日・有効求人倍率・失業率、ユーロ圏景況感指数、米FOMC(31日まで)など
7月31日(水):中・製造業・非製造業PMI、ユーロ圏GDP速報値、米FOMCが政策金利発表、パウエルFRB議長が記者会見など
8月1日(木):中・財新製造業PMI、英・製造業PMI、米・自動車販売など
8月2日(金):日銀会合議事要旨、ユーロ圏小売売上高、米雇用統計など
<SK>