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新興市場見通し:日経平均の高値警戒感からマザーズシフト、IPOはPSOLなど2社

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、マザーズ指数の上昇が目立った。日経平均が9月に入ってから急ピッチの上昇で22000円台を回復し、高値警戒感を強めた個人投資家の物色が出遅れ感のあるマザーズ銘柄に向かった。前の週にサンバイオ<4592>が動意を見せたこともマザーズ銘柄物色につながったとみられる。マザーズ指数は75日移動平均線を上回る場面があり、日経ジャスダック平均は9月26日にかけて14営業日続伸した。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.9%であったのに対して、マザーズ指数は+2.0%、日経ジャスダック平均は+0.4%だった。

個別では、前述のサンバイオが週間で7.3%高となった。再生細胞薬が米国でも迅速審査対象に指定されたことを好感した買いが続いた。そーせいグループ<4565>も同5.3%高となり、バイオ関連株の一角に資金が流入した。なお、マザーズ時価総額トップのメルカリ<4385>は同0.1%高にとどまっている。売買代金上位ではやはりバイオ関連のアンジェス<4563>やオンコリスバイオファーマ<4588>が強い値動き。また、PayPayとの提携を発表したビリングシステム<3623>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、前の週に上場したギフティ<4449>は換金売り優勢となり、第1四半期決算を発表したフィードフォース<7068>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力では日本マクドナルドHD<2702>が同2.6%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同3.1%高と堅調だったが、セリア<2782>は同6.8%安となった。売買代金上位では前の週に上場したアミファ<7800>やバイオ関連のラクオリア創薬<4579>が大きく買われ、HAPiNS<7577>が週間のジャスダック上昇率トップだった。反面、イマジニア<4644>やアイビー化粧品<4918>は利益確定売りがかさみ、下落率上位に顔を出した。IPOではChatwork<4448>とHPCシステムズ<6597>がマザーズへ新規上場したが、ともに公開価格を下回る初値となった。

今週の新興市場では、マザーズ指数の強い動きが続く可能性がある。前述のとおり個人投資家は日経平均の22000円水準での節目意識が強く、出遅れ感のあるマザーズ銘柄選好を強めているようだ。海外情勢に不安を抱え、マザーズ指数も900pt近辺に位置する200日移動平均線に接近すれば伸び悩む可能性はある。しかし材料性の強い銘柄の物色が活発となっており、業績期待の高い銘柄の見直しの動きもじわりと出てきている。

今週は、9月30日に日本プロセス<9651>、10月1日にフロイント産業<6312>、4日にエクスモーション<4394>などが決算発表を予定している。組込みソフトウェア開発のコンサルティングを行うエクスモーションは業績上振れ予想が散見される。また、10月から消費税率引き上げに伴い幼児教育・保育の無償化が始まり、テノ.HD<7037>など関連銘柄への関心が高まる可能性がある。

IPO関連では、10月1日にパワーソリューションズ<4450>(PSOL)がマザーズへ、2日にレオクラン<7681>が東証2部へそれぞれ新規上場する。このところIPO銘柄の初値が伸び悩んでいるが、金融機関向けシステム開発のPSOLは公開規模が小さく、初値期待が高まっているようだ。なお、先週はジェイック<7073>(10月29日、マザーズ)など3社の新規上場が発表されている。




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