来週の相場で注目すべき3つのポイント:国内消費増税、米雇用統計、日銀短観
[19/09/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限22250-下限21500円
来週の日経平均は、上値の重さを意識したもみ合いの展開が予想される。日経平均は26日、4月24日の取引時間中に付けた年初来高値22362.92円を前に利益確定の売りが優勢となり、引けにかけて上げ幅を縮小するなど上値の重さが改めて意識されることになった。外部環境では、中東情勢を巡る地政学リスクに加え、トランプ氏とウクライナ大統領の電話会談を巡る内部告発書で隠蔽工作の疑惑が明らかとなり、米国の政権運営に対する先行き不透明感が新たな懸念材料として浮上していることも買いの手を鈍らせている。中国ネット通販最大手のアリババ・グループや検索大手バイドゥなど、米国市場における中国株の上場廃止、中国株に対する投資制限の協議などの影響も不透明だ。スケジュール面では、30日取引時間中の午前10時頃に中国9月製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表、10月1日の朝方寄り付き前に9月調査日銀短観、4日の日本時間21時30分に米9月雇用統計と重要指標の発表を控えていることから、手控えムードが強まりやすい週となっている。また、名実ともに10月相場入りすることで、ブラックマンデー(1987年)、アジア通貨危機(1997年)、リーマンショック(2008年)など、過去の波乱が心理的に影響する月でもある。社会的には1日に消費税率が10%に引き上げられ、国内景気に対する懸念も上値を重くする材料として働く可能性が捨てきれない。
一方、物色のヒントとしては、1日から消費増税と軽減税率の導入、幼児教育・保育の無償化、通信料とスマートフォンなどの端末代金を分ける「分離プラン」義務化などを定めた改正電気通信事業法施行などがある。4日の臨時国会召集に伴う安倍首相の所信表明演説なども注目されてこよう。このほか、前週後半はコロプラの人気が波及する形で、東証1部ではKLab<3656>、オルトプラス<3672>、マザーズではブシロード<7803>、ジャスダックではアエリア<3758>、ブロッコリー<2706>などゲーム関連株人気が高まり、物色の裾野が広がってきていることも注目される。また、春節とともに中国の大型連休である国慶節が1日から7日まである。ラグビーワードカップの開催効果もあり、首都圏では27日辺りから外国人旅行者が目立ってきており、訪日客(インバウンド)関連銘柄にも関心が向いてくるとの期待がある。
主な国内経済関連スケジュールは、30日に9月18-19日開催の日銀金融政策決定会合の主な意見、8月商業動態統計、8月鉱工業生産、10月1日に9月調査日銀短観、8月失業率・有効求人倍率、9月自動車販売台数、2日に9月マネタリーベース、9月消費動向調査、4日に証券投資の日が予定されている。一方、米国など海外の経済関連の主要スケジュールでは、30日に中国9月製造業PMI、10月1日に中国建国70周年の記念式典で習近平国家主席が演説、中国・香港市場が国慶節で休場(7日まで)、米9月ISM製造業景況指数、4日に米9月雇用統計、米8月貿易収支がそれぞれ予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は、米国経済は良好との見方を維持しており、米国の9月ISM製造業景況指数や9月雇用統計などの重要経済指標が注目される。製造業関連では8月のISM指数が経済活動の拡大・縮小の境目となる50を下回ったが、再び50を上回る水準に浮上すればドル買いにつながりそうだ。ただ、雇用統計については、賃金上昇率が前回と同水準にとどまると予想され、インフレの押し上げ効果は見込めないため、市場予想と一致してもドル買いが強まる可能性は低いとみられる。
一方、10月上旬の開催が予定されている閣僚級の米中通商協議は貿易摩擦の解消につながるイベントになると期待されており、ドル買い材料になりうる。また、「向こう12カ月間でリセッション入りの可能性は低い」(カプラン・ダラス連銀総裁)など、米金融当局者から米国経済は良好との見方が相次いでいることも無視できない。金融政策のスタンスに微妙な違いはあるものの、景気認識ではほぼ一致しており、FRBの追加利下げへの思惑後退でドルに買いが入りやすいようだ。
■来週の注目スケジュール
9月30日(月):日・鉱工業生産指数、日・小売売上高、中国各種PMI、独失業率、ユーロ圏失業率、英GDP確報値など
10月1日(火):日・有効求人倍率、印製造業PMI、英製造業PMI、ユーロ圏製造業PMI、中・株式市場は祝日のため休場(国慶節、7日まで)など
10月2日(水):スイス消費者物価指数、英保守党大会最終日、米ADP全米雇用報告など
10月3日(木):豪貿易収支、ユーロ圏生産者物価指数・小売売上高、米ISM非製造業景況指数、米製造業受注など
10月4日(金):米雇用統計、米貿易収支、豪小売売上高など
<SK>
予想レンジ:上限22250-下限21500円
来週の日経平均は、上値の重さを意識したもみ合いの展開が予想される。日経平均は26日、4月24日の取引時間中に付けた年初来高値22362.92円を前に利益確定の売りが優勢となり、引けにかけて上げ幅を縮小するなど上値の重さが改めて意識されることになった。外部環境では、中東情勢を巡る地政学リスクに加え、トランプ氏とウクライナ大統領の電話会談を巡る内部告発書で隠蔽工作の疑惑が明らかとなり、米国の政権運営に対する先行き不透明感が新たな懸念材料として浮上していることも買いの手を鈍らせている。中国ネット通販最大手のアリババ・グループや検索大手バイドゥなど、米国市場における中国株の上場廃止、中国株に対する投資制限の協議などの影響も不透明だ。スケジュール面では、30日取引時間中の午前10時頃に中国9月製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表、10月1日の朝方寄り付き前に9月調査日銀短観、4日の日本時間21時30分に米9月雇用統計と重要指標の発表を控えていることから、手控えムードが強まりやすい週となっている。また、名実ともに10月相場入りすることで、ブラックマンデー(1987年)、アジア通貨危機(1997年)、リーマンショック(2008年)など、過去の波乱が心理的に影響する月でもある。社会的には1日に消費税率が10%に引き上げられ、国内景気に対する懸念も上値を重くする材料として働く可能性が捨てきれない。
一方、物色のヒントとしては、1日から消費増税と軽減税率の導入、幼児教育・保育の無償化、通信料とスマートフォンなどの端末代金を分ける「分離プラン」義務化などを定めた改正電気通信事業法施行などがある。4日の臨時国会召集に伴う安倍首相の所信表明演説なども注目されてこよう。このほか、前週後半はコロプラの人気が波及する形で、東証1部ではKLab<3656>、オルトプラス<3672>、マザーズではブシロード<7803>、ジャスダックではアエリア<3758>、ブロッコリー<2706>などゲーム関連株人気が高まり、物色の裾野が広がってきていることも注目される。また、春節とともに中国の大型連休である国慶節が1日から7日まである。ラグビーワードカップの開催効果もあり、首都圏では27日辺りから外国人旅行者が目立ってきており、訪日客(インバウンド)関連銘柄にも関心が向いてくるとの期待がある。
主な国内経済関連スケジュールは、30日に9月18-19日開催の日銀金融政策決定会合の主な意見、8月商業動態統計、8月鉱工業生産、10月1日に9月調査日銀短観、8月失業率・有効求人倍率、9月自動車販売台数、2日に9月マネタリーベース、9月消費動向調査、4日に証券投資の日が予定されている。一方、米国など海外の経済関連の主要スケジュールでは、30日に中国9月製造業PMI、10月1日に中国建国70周年の記念式典で習近平国家主席が演説、中国・香港市場が国慶節で休場(7日まで)、米9月ISM製造業景況指数、4日に米9月雇用統計、米8月貿易収支がそれぞれ予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は、米国経済は良好との見方を維持しており、米国の9月ISM製造業景況指数や9月雇用統計などの重要経済指標が注目される。製造業関連では8月のISM指数が経済活動の拡大・縮小の境目となる50を下回ったが、再び50を上回る水準に浮上すればドル買いにつながりそうだ。ただ、雇用統計については、賃金上昇率が前回と同水準にとどまると予想され、インフレの押し上げ効果は見込めないため、市場予想と一致してもドル買いが強まる可能性は低いとみられる。
一方、10月上旬の開催が予定されている閣僚級の米中通商協議は貿易摩擦の解消につながるイベントになると期待されており、ドル買い材料になりうる。また、「向こう12カ月間でリセッション入りの可能性は低い」(カプラン・ダラス連銀総裁)など、米金融当局者から米国経済は良好との見方が相次いでいることも無視できない。金融政策のスタンスに微妙な違いはあるものの、景気認識ではほぼ一致しており、FRBの追加利下げへの思惑後退でドルに買いが入りやすいようだ。
■来週の注目スケジュール
9月30日(月):日・鉱工業生産指数、日・小売売上高、中国各種PMI、独失業率、ユーロ圏失業率、英GDP確報値など
10月1日(火):日・有効求人倍率、印製造業PMI、英製造業PMI、ユーロ圏製造業PMI、中・株式市場は祝日のため休場(国慶節、7日まで)など
10月2日(水):スイス消費者物価指数、英保守党大会最終日、米ADP全米雇用報告など
10月3日(木):豪貿易収支、ユーロ圏生産者物価指数・小売売上高、米ISM非製造業景況指数、米製造業受注など
10月4日(金):米雇用統計、米貿易収支、豪小売売上高など
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