後場に注目すべき3つのポイント〜日銀ETF買いへの思惑が下支えか
[19/10/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
31日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は反発、日銀ETF買いへの思惑が下支えか
・ドル・円は弱含み、米長期金利の低下で
・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■日経平均は反発、日銀ETF買いへの思惑が下支えか
日経平均は反発。43.94円高の22887.06円(出来高概算6億5377万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)で大方の予想通り政策金利が引き下げられたものの、パウエル議長が今後の利上げには大幅なインフレ率上昇が必要になるとの認識を示し、主要3指数は揃って反発。シカゴ日経225先物清算値は大阪比90円高の22930円、円相場は1ドル108円70銭台で推移するなか、本日の日経平均は反発で寄り付く形となった。海外勢による指数先物への買い戻しの動きが活発化したほか、決算を受けた個別物色も目立った。前引けにかけては、軟調な中国経済指標を嫌気する向きや、日銀による金融政策決定会合の結果を控えて、節目の23000円を前に利益確定の売りが上値を抑えた。
セクターでは、情報・通信業、ガラス・土石製品、不動産業が上昇した一方で、証券・商品先物取引業、ゴム製品、銀行業、海運業などはさえない。売買代金上位では、イメージセンサーが好調で第2四半期業績が想定を上振れたソニー<6758>が3%高になったほか、花王<4452>やアルプスアルパイン<6770>などへの物色が入った。そのほか、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、資生堂<4911>、キーエンス<6861>が上昇。一方で、決算後に出尽くし感が優勢になったアドバンテスト<6857>やアンリツ<6754>が売り込まれたほか、任天堂<7974>、日立<6501>、SUMCO<3436>なども軟調であった。
前日の米国市場におけるFOMCでは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準を現行の1.75%-2.00%から1.50%-1.75%に引き下げることが賛成多数で決定された。0.25ポイントの追加利下げは予想通りだったものの、FOMC声明から「適切に行動する」との文言が削除されており、市場では12月に追加利下げが実施される可能性は極めて低いとの見方が広がっている。ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見で「現在、利上げは検討していない。利上げには著しいインフレの上昇が条件となる」との見方が伝えられたことから、インフレ動向次第では来年前半に追加利下げが実施される可能性は残されている状況である。
米利下げ決定後も円安基調が継続する為替市場の動向を背景に、東京市場では朝方こそ225先物に対する買い戻しの動きはみられたが、前引けにかけての日経平均は節目の23000円を前に上値の重い展開となった。日経平均は10月29日のザラ場中に一時23000円を突破したとはいえ、日経レバETF<1570>と日経ダブルイン<1357>の純資産残高は週初から17年末以来約2年ぶりに逆転してきており、逆張り目線の個人投資家を中心としていったんは相場調整を見込む向きも観測されている。現状の日経平均に対しての底堅さは意識されているが、週末にかけて国内では3連休を控えているタイミングもあり、積極的な商いは期待しにくいだろう。一方で、前引けの東証株価指数(TOPIX)は前日比で0.28%安となった。前引け時点で同0.27%安であった10月4日に続き、通年ベースで大幅に買い遅れている日銀によるETF買いへの思惑などは需給面での下支えとなろう。物色としても、決算絡みの個別対応のほか、修正局面にあるNT倍率の縮小を狙った売買にも注目しておきたいところである。
■ドル・円は弱含み、米長期金利の低下で
31日午前の東京市場でドル・円は弱含み。日銀の政策決定が注目されるなか、米長期金利の低下を手がかりにドルは108円半ばまで値を下げた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を25bp引き下げた。市場にはやや利下げ打ち止め観測が広がっているが、米長期金利の低下でドルは108円50銭台に失速。中国の低調な経済指標もドル売りを支援。
ランチタイムの日経平均先物はプラス圏で推移しているが、上海総合指数がマイナス圏となり日本株高を好感した円売りを抑制。また、日銀金融政策決定会合の政策発表を前に積極的な売り買いは手控えられた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円58銭から108円90銭、ユーロ・円は121円29銭から121円46銭、ユーロ・ドルは、1.1149ドルから1.1169ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・ログリー<6579>、ぐるなび<2440>など、8銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・9月鉱工業生産速報値:前月比+1.4%(予想:+0.4%、8月:-1.2%)
・中・10月製造業PMI:49.3(予想:49.8、9月:49.8)
・中・10月非製造業PMI:52.8(予想:53.6、9月:53.7)
<国内>
・日銀金融政策決定会合(最終日)
・15:30 黒田日銀総裁会見日銀金融政策決定会合(31日まで)
<海外>
・16:00 独・9月小売売上高(前月比予想:+0.2%、8月:-0.1%←+0.5%)
・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が任期満了
・ユンケル欧州委員長が任期満了
<HH>
・日経平均は反発、日銀ETF買いへの思惑が下支えか
・ドル・円は弱含み、米長期金利の低下で
・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■日経平均は反発、日銀ETF買いへの思惑が下支えか
日経平均は反発。43.94円高の22887.06円(出来高概算6億5377万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)で大方の予想通り政策金利が引き下げられたものの、パウエル議長が今後の利上げには大幅なインフレ率上昇が必要になるとの認識を示し、主要3指数は揃って反発。シカゴ日経225先物清算値は大阪比90円高の22930円、円相場は1ドル108円70銭台で推移するなか、本日の日経平均は反発で寄り付く形となった。海外勢による指数先物への買い戻しの動きが活発化したほか、決算を受けた個別物色も目立った。前引けにかけては、軟調な中国経済指標を嫌気する向きや、日銀による金融政策決定会合の結果を控えて、節目の23000円を前に利益確定の売りが上値を抑えた。
セクターでは、情報・通信業、ガラス・土石製品、不動産業が上昇した一方で、証券・商品先物取引業、ゴム製品、銀行業、海運業などはさえない。売買代金上位では、イメージセンサーが好調で第2四半期業績が想定を上振れたソニー<6758>が3%高になったほか、花王<4452>やアルプスアルパイン<6770>などへの物色が入った。そのほか、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、資生堂<4911>、キーエンス<6861>が上昇。一方で、決算後に出尽くし感が優勢になったアドバンテスト<6857>やアンリツ<6754>が売り込まれたほか、任天堂<7974>、日立<6501>、SUMCO<3436>なども軟調であった。
前日の米国市場におけるFOMCでは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準を現行の1.75%-2.00%から1.50%-1.75%に引き下げることが賛成多数で決定された。0.25ポイントの追加利下げは予想通りだったものの、FOMC声明から「適切に行動する」との文言が削除されており、市場では12月に追加利下げが実施される可能性は極めて低いとの見方が広がっている。ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見で「現在、利上げは検討していない。利上げには著しいインフレの上昇が条件となる」との見方が伝えられたことから、インフレ動向次第では来年前半に追加利下げが実施される可能性は残されている状況である。
米利下げ決定後も円安基調が継続する為替市場の動向を背景に、東京市場では朝方こそ225先物に対する買い戻しの動きはみられたが、前引けにかけての日経平均は節目の23000円を前に上値の重い展開となった。日経平均は10月29日のザラ場中に一時23000円を突破したとはいえ、日経レバETF<1570>と日経ダブルイン<1357>の純資産残高は週初から17年末以来約2年ぶりに逆転してきており、逆張り目線の個人投資家を中心としていったんは相場調整を見込む向きも観測されている。現状の日経平均に対しての底堅さは意識されているが、週末にかけて国内では3連休を控えているタイミングもあり、積極的な商いは期待しにくいだろう。一方で、前引けの東証株価指数(TOPIX)は前日比で0.28%安となった。前引け時点で同0.27%安であった10月4日に続き、通年ベースで大幅に買い遅れている日銀によるETF買いへの思惑などは需給面での下支えとなろう。物色としても、決算絡みの個別対応のほか、修正局面にあるNT倍率の縮小を狙った売買にも注目しておきたいところである。
■ドル・円は弱含み、米長期金利の低下で
31日午前の東京市場でドル・円は弱含み。日銀の政策決定が注目されるなか、米長期金利の低下を手がかりにドルは108円半ばまで値を下げた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を25bp引き下げた。市場にはやや利下げ打ち止め観測が広がっているが、米長期金利の低下でドルは108円50銭台に失速。中国の低調な経済指標もドル売りを支援。
ランチタイムの日経平均先物はプラス圏で推移しているが、上海総合指数がマイナス圏となり日本株高を好感した円売りを抑制。また、日銀金融政策決定会合の政策発表を前に積極的な売り買いは手控えられた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円58銭から108円90銭、ユーロ・円は121円29銭から121円46銭、ユーロ・ドルは、1.1149ドルから1.1169ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・ログリー<6579>、ぐるなび<2440>など、8銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・9月鉱工業生産速報値:前月比+1.4%(予想:+0.4%、8月:-1.2%)
・中・10月製造業PMI:49.3(予想:49.8、9月:49.8)
・中・10月非製造業PMI:52.8(予想:53.6、9月:53.7)
<国内>
・日銀金融政策決定会合(最終日)
・15:30 黒田日銀総裁会見日銀金融政策決定会合(31日まで)
<海外>
・16:00 独・9月小売売上高(前月比予想:+0.2%、8月:-0.1%←+0.5%)
・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が任期満了
・ユンケル欧州委員長が任期満了
<HH>