来週の相場で注目すべき3つのポイント:米サイバーマンデー、11月国内ユニクロ売上高、米11月雇用統計
[19/11/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限23700-下限23000円
来週の日経平均は、模様眺めムードが継続しつつも堅調な展開を維持しそうだ。トランプ氏が「香港人権・民主主義法」に署名したことを受けて、米中貿易協議への悪影響が懸念されているものの、米中ともに過激な対応は出ていない。相場への影響が大きい米中の通商交渉に関してのニュースには、引き続き神経質な展開を強いられることになる。8日に香港民主派が大規模抗議集会を計画していることも気掛かりだ。米中通商協議フェーズ1の合意が不透明で、米国による12月15日の対中追加関税発動期限も接近しているが、米中交渉の進展期待が相場の下支えとして働いていることも事実だ。一方、29日朝方に経済産業省が発表した10月の国内鉱工業生産は、事前の市場予想を下回る一方、ユーロ圏景況感指数は改善が伝わり、内外の経済指標は強弱感が交錯している。6日の米11月雇用統計は日本時間同日夜の発表であり、株式市場への影響は翌週となる。こうしたなか、米ブラックフライデーの出足が低調過ぎる事態にでもならない限り、相場基調は崩れずに週明けを迎えることができそうだ。12月2日のサイバーマンデーへの期待も根強く、本格化する米クリスマス商戦の話題が日経平均をサポートしてこよう。1ドル=109円台半ばで安定的に推移している為替相場が一段の円安になれば、下値抵抗を強めている日経平均は上値を窺うこともありそうだ。限られた動きとなっていた海外勢のフローも翌週末13日のメジャーSQに向けて、動意を強める可能性がある。
物色的には、半導体関連を始めとする優良株と内需関連株に買い一巡感が漂い、大型株は一服ムードが継続しやすい。ただ、相対的な日本株の出遅れ感は意識されており、売りも限られてこよう。こうしたなか、個人主体の中小型株・材料株物色に関心が一段と高まる方向にある。12月のIPO(新規上場)ラッシュに加え、季節性からマザーズやジャスダックなど新興市場銘柄の活躍期待が膨らんでいる。マザーズ指数、日経ジャスダック平均は29日にかけて6日続伸と助走を開始している。このほか、米アップルが2日(日本時間3日早朝)にメディア向けイベントを開催する。新製品の発表はなく、今年人気のアプリとゲームを表彰との観測があるが、手掛かり材料となる期待もある。また、2日から6日にかけて開催されるNATO(北大西洋条約機構)主催のサイバー防衛演習「サイバー・コアリション2019」に、日本の防衛省が公式に初参加する。サイバーセキュリティ関連に関心が向く可能性があるほか、ファーストリテイリング<9983>の11月国内ユニクロ売上高が3日に発表され、消費関連株にもスポットが当たるだろう。
主な国内経済関連スケジュールとして、2日は7-9月期法人企業統計、11月自動車販売台数、3日は11月マネタリーベース、6日は10月毎月勤労統計調査、10月家計調査、10月の景気動向指数の発表が予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールとしては、2日に米11月ISM製造業景況指数、米サイバーマンデー、4日に米11月ADP雇用統計、5日に米10月貿易収支、米10月製造業受注、ユーロ圏7-9月期GDP確定値、6日に米11月雇用統計、8日に中国11月貿易統計が予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみ合いか。米主要経済指標の改善を受けて景気底入れが意識され、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ打ち止め観測が広がっている。ただ、米中通商協議の先行きは不透明であり、ドルを下押しする場面もあろう。発表される11月ISM製造業景況指数や11月雇用統計など、金融政策に大きな影響を与える経済指標が予想を上回った場合、利下げ打ち止め観測はより強まる可能性がある。株式市場ではNYダウなど主要株価指数が最高値を更新し、ドル買いを支援する見通し。
ただ、香港人権・民主主義法の成立を受け、中国政府の反応を慎重に見極める必要はあるだろう。中国政府は声明で「重大な内政干渉」と反発しており、今後報復措置を発動する構えをみせる。米中両国は第1段階の合意に向け調整を進めているとみられているが、市場関係者の間からは、「香港人権法は超党派で圧倒的支持を受けて可決されており、通商協議への影響が全くないとは思えない」との見方も出ている。
米中通商協議は12月中に進展するとの期待は残されているが、この問題に対して中国側の態度がすみやかに軟化することは期待できないことから、目先的にリスク選好的なドル買いは抑制される可能性がある。
■来週の注目スケジュール
12月2日(月):日・設備投資、中・財新製造業PMI、トルコ・GDP、ユーロ圏製造業PMI、米・ISM製造業景況指数、米・建設支出、ラガルドECB総裁が欧州議会で証言など
12月3日(火):オーストラリア中銀が政策金利発表、スイス・消費者物価指数、南ア・GDP、ブ・GDP、NATO首脳会議、韓・GDP、米自動車販売など
12月4日(水):サービス業PMI、豪・GDP、中・財新サービス業PMI、ユーロ圏サービス業PMI、ブ・サービス業PMI、米・ISM非製造業総合景況指数、ユーロ圏財務相会合など
12月5日(木):対外・対内証券投資、豪・貿易収支、インド中銀が政策金利発表、ユーロ圏GDP確報値、米・貿易収支、OPEC総会、など
12月6日(金):独・鉱工業生産指数、米雇用統計など
12月7日(土):中・外貨準備高
12月8日(日):中・貿易収支
<SK>
予想レンジ:上限23700-下限23000円
来週の日経平均は、模様眺めムードが継続しつつも堅調な展開を維持しそうだ。トランプ氏が「香港人権・民主主義法」に署名したことを受けて、米中貿易協議への悪影響が懸念されているものの、米中ともに過激な対応は出ていない。相場への影響が大きい米中の通商交渉に関してのニュースには、引き続き神経質な展開を強いられることになる。8日に香港民主派が大規模抗議集会を計画していることも気掛かりだ。米中通商協議フェーズ1の合意が不透明で、米国による12月15日の対中追加関税発動期限も接近しているが、米中交渉の進展期待が相場の下支えとして働いていることも事実だ。一方、29日朝方に経済産業省が発表した10月の国内鉱工業生産は、事前の市場予想を下回る一方、ユーロ圏景況感指数は改善が伝わり、内外の経済指標は強弱感が交錯している。6日の米11月雇用統計は日本時間同日夜の発表であり、株式市場への影響は翌週となる。こうしたなか、米ブラックフライデーの出足が低調過ぎる事態にでもならない限り、相場基調は崩れずに週明けを迎えることができそうだ。12月2日のサイバーマンデーへの期待も根強く、本格化する米クリスマス商戦の話題が日経平均をサポートしてこよう。1ドル=109円台半ばで安定的に推移している為替相場が一段の円安になれば、下値抵抗を強めている日経平均は上値を窺うこともありそうだ。限られた動きとなっていた海外勢のフローも翌週末13日のメジャーSQに向けて、動意を強める可能性がある。
物色的には、半導体関連を始めとする優良株と内需関連株に買い一巡感が漂い、大型株は一服ムードが継続しやすい。ただ、相対的な日本株の出遅れ感は意識されており、売りも限られてこよう。こうしたなか、個人主体の中小型株・材料株物色に関心が一段と高まる方向にある。12月のIPO(新規上場)ラッシュに加え、季節性からマザーズやジャスダックなど新興市場銘柄の活躍期待が膨らんでいる。マザーズ指数、日経ジャスダック平均は29日にかけて6日続伸と助走を開始している。このほか、米アップルが2日(日本時間3日早朝)にメディア向けイベントを開催する。新製品の発表はなく、今年人気のアプリとゲームを表彰との観測があるが、手掛かり材料となる期待もある。また、2日から6日にかけて開催されるNATO(北大西洋条約機構)主催のサイバー防衛演習「サイバー・コアリション2019」に、日本の防衛省が公式に初参加する。サイバーセキュリティ関連に関心が向く可能性があるほか、ファーストリテイリング<9983>の11月国内ユニクロ売上高が3日に発表され、消費関連株にもスポットが当たるだろう。
主な国内経済関連スケジュールとして、2日は7-9月期法人企業統計、11月自動車販売台数、3日は11月マネタリーベース、6日は10月毎月勤労統計調査、10月家計調査、10月の景気動向指数の発表が予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールとしては、2日に米11月ISM製造業景況指数、米サイバーマンデー、4日に米11月ADP雇用統計、5日に米10月貿易収支、米10月製造業受注、ユーロ圏7-9月期GDP確定値、6日に米11月雇用統計、8日に中国11月貿易統計が予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみ合いか。米主要経済指標の改善を受けて景気底入れが意識され、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ打ち止め観測が広がっている。ただ、米中通商協議の先行きは不透明であり、ドルを下押しする場面もあろう。発表される11月ISM製造業景況指数や11月雇用統計など、金融政策に大きな影響を与える経済指標が予想を上回った場合、利下げ打ち止め観測はより強まる可能性がある。株式市場ではNYダウなど主要株価指数が最高値を更新し、ドル買いを支援する見通し。
ただ、香港人権・民主主義法の成立を受け、中国政府の反応を慎重に見極める必要はあるだろう。中国政府は声明で「重大な内政干渉」と反発しており、今後報復措置を発動する構えをみせる。米中両国は第1段階の合意に向け調整を進めているとみられているが、市場関係者の間からは、「香港人権法は超党派で圧倒的支持を受けて可決されており、通商協議への影響が全くないとは思えない」との見方も出ている。
米中通商協議は12月中に進展するとの期待は残されているが、この問題に対して中国側の態度がすみやかに軟化することは期待できないことから、目先的にリスク選好的なドル買いは抑制される可能性がある。
■来週の注目スケジュール
12月2日(月):日・設備投資、中・財新製造業PMI、トルコ・GDP、ユーロ圏製造業PMI、米・ISM製造業景況指数、米・建設支出、ラガルドECB総裁が欧州議会で証言など
12月3日(火):オーストラリア中銀が政策金利発表、スイス・消費者物価指数、南ア・GDP、ブ・GDP、NATO首脳会議、韓・GDP、米自動車販売など
12月4日(水):サービス業PMI、豪・GDP、中・財新サービス業PMI、ユーロ圏サービス業PMI、ブ・サービス業PMI、米・ISM非製造業総合景況指数、ユーロ圏財務相会合など
12月5日(木):対外・対内証券投資、豪・貿易収支、インド中銀が政策金利発表、ユーロ圏GDP確報値、米・貿易収支、OPEC総会、など
12月6日(金):独・鉱工業生産指数、米雇用統計など
12月7日(土):中・外貨準備高
12月8日(日):中・貿易収支
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