国内株式市場見通し:米中協議次第で、日経平均は高値更新を意識
[19/12/07]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 市況・概況
■日経平均は2週連続高
前週の日経平均は小幅ながら2週連続の上昇となった。週初2日の日経平均は3日ぶりの反発で始まった。11月29日のNYダウは5営業日ぶりの反落だったが、中国の11月製造業PMIが市場予想に反し、景況拡大と悪化の分かれ目となる50を7カ月ぶりに上回ったことが材料視された。為替相場の円安も寄与して、日経平均は寄り付き後に23500円台を回復。米国の11月ISM製造業景況指数が前月に引き続き50を割り込み、2日のNYダウは続落した。この流れを受けて3日の日経平均も反落。米国と中国及びブラジル等との貿易摩擦の懸念が拡大し、為替が円高方向に振れたことも嫌気された。個別では、中国テンセントが家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」に関する情報を4日に公開と伝わり、任天堂<7974>が売買代金トップで2%超の上昇を見た。トランプ大統領が貿易摩擦を巡る米中協議の合意に期限はなく、2020年度の大統領選後まで延期できるとの考えを示唆したことが嫌気され、4日の日経平均も続落し、朝方には一時23044.78円(前日比335.03円安)までの下落となった。ただ、2日連続で日銀のETF買いが流入し、売り物一巡後はもみ合う展開となった。米国が15日より前に米中通商協議における第一段階の合意を見込んでいるとの報道を受けて、4日のNYダウが4営業日ぶりに反発すると、5日の日経平均も反発した。日経平均は前日までの続落で400円近く下げていたこともあり、買戻しの動きが強まったほか、政府が提示した経済対策も追い風として働いた。ただ、朝方の買い一巡後は上値が重くこう着感の強い展開が意識されることになった。5日のNYダウは、10月製造業受注が増加に転じるなどの経済指標が好感されて続伸した。この流れを受けて6日の日経平均も上昇した。買い一巡後は模様眺めムードが広がったものの、前日に閣議決定された経済対策が下支え要因として働いた。個別では、米バイオジェンが3月に打ち切ったアルツハイマー治療薬の研究再開を発表したことで共同開発先のエーザイ<4523>が商いを伴って急騰した。
■日経平均15日が分水嶺
今週の日経平均は、11月26日の年初来高値23608.06円更新を目指す展開が期待される。来週は米国による対中関税発動期限、米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州中央銀行(ECB)理事会、英国総選挙、メジャーSQ(特別清算指数)と、相場に与える影響度が大きい重要イベントが目白押しとなっており、事前の予想は従来に増して難しい。ただ、最大のポイントは、15日に期限を迎える米国による対中追加関税第4弾の残り(携帯電話、ノートパソコンなど)の部分の発動が回避され、最終的には米中第1段階合意ができるかどうかにある。分水嶺となる15日の米国による対中関税発動期限までは、トランプ大統領を始めとする米中要人の発言やメディア報道などヘッドラインに振り回されることになる。一方、FOMC、ECB理事会において金融政策は目下のところ波乱要素は見当たらないが、景気・経済動向についての発信には注意が必要になる。警戒材料は多いものの、東証が5日発表した11月第4週(25−29日)の投資部門別売買動向(現物、1部・2部・マザーズ・ジャスダック合算)では、海外投資家が2週間ぶりに買い越しに転じているなど、需給的には支援材料もある。13日のメジャーSQを控えて、動きとしてはリスクオンの流れに傾斜しているとも読み取る事ができる。事業規模26兆円の経済対策が5日に閣議決定したことも、相場の下支え要因だ。日経平均は11月5日以降、下振れ場面があっても終値ベースでは23000円を堅持する底堅さをみせている。一方で、23500円ラインが心理的節目として上値を抑えているが、これを超えてくると、11月26日の年初来高値23608.06円更新が意識されてきそうだ。
■IPOと任天堂関連、ハイテク株に関心向く
今週は4銘柄、翌週は12銘柄が新規上場のIPOラッシュが始まる。11日には資金調達額が256億ドルと過去最高の見通しとなるサウジアラムコがサウジ証券取引所に上場することもあり、IPOが注目される可能性が高い。また、6日にかけてジャスダック平均が11日連続高となるなど新興銘柄にも関心が向かいやすくなってきた。10日には任天堂<7974>のゲーム機「ニンテンドースイッチ」が中国で発売されることから、任天堂と周辺銘柄に関心が集まりやすくなる。このほか「SEMICON Japan2019」11日から3日間東京ビックサイトで開催される。このイベントは、半導体の前工程から後工程までの全工程から、 自動車やIoT機器などのアプリケーションまでをカバーする、エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会であり、ハイテク関係のニュースが発信されやすくなることが特徴だ。
■メジャーSQ、FOMC、 ECB理事会
主な国内経済関連スケジュールとして、9日は10月国際収支、7-9月期GDP確定値、11月景気ウオッチャー調査、10日は11月マネーストック、11月工作機械受注、11日は11月国内企業物価指数、10-12月期法人企業景気予測調査、12日は10月機械受注、11月都心オフィス空室率、13日は12月調査日銀短観、メジャーSQが予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールとしては、10日はFOMC(11日まで)、12日は英国総選挙(英議会下院)、ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)、EU首脳会議(13日まで)などが予定されている。
<FA>
前週の日経平均は小幅ながら2週連続の上昇となった。週初2日の日経平均は3日ぶりの反発で始まった。11月29日のNYダウは5営業日ぶりの反落だったが、中国の11月製造業PMIが市場予想に反し、景況拡大と悪化の分かれ目となる50を7カ月ぶりに上回ったことが材料視された。為替相場の円安も寄与して、日経平均は寄り付き後に23500円台を回復。米国の11月ISM製造業景況指数が前月に引き続き50を割り込み、2日のNYダウは続落した。この流れを受けて3日の日経平均も反落。米国と中国及びブラジル等との貿易摩擦の懸念が拡大し、為替が円高方向に振れたことも嫌気された。個別では、中国テンセントが家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」に関する情報を4日に公開と伝わり、任天堂<7974>が売買代金トップで2%超の上昇を見た。トランプ大統領が貿易摩擦を巡る米中協議の合意に期限はなく、2020年度の大統領選後まで延期できるとの考えを示唆したことが嫌気され、4日の日経平均も続落し、朝方には一時23044.78円(前日比335.03円安)までの下落となった。ただ、2日連続で日銀のETF買いが流入し、売り物一巡後はもみ合う展開となった。米国が15日より前に米中通商協議における第一段階の合意を見込んでいるとの報道を受けて、4日のNYダウが4営業日ぶりに反発すると、5日の日経平均も反発した。日経平均は前日までの続落で400円近く下げていたこともあり、買戻しの動きが強まったほか、政府が提示した経済対策も追い風として働いた。ただ、朝方の買い一巡後は上値が重くこう着感の強い展開が意識されることになった。5日のNYダウは、10月製造業受注が増加に転じるなどの経済指標が好感されて続伸した。この流れを受けて6日の日経平均も上昇した。買い一巡後は模様眺めムードが広がったものの、前日に閣議決定された経済対策が下支え要因として働いた。個別では、米バイオジェンが3月に打ち切ったアルツハイマー治療薬の研究再開を発表したことで共同開発先のエーザイ<4523>が商いを伴って急騰した。
■日経平均15日が分水嶺
今週の日経平均は、11月26日の年初来高値23608.06円更新を目指す展開が期待される。来週は米国による対中関税発動期限、米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州中央銀行(ECB)理事会、英国総選挙、メジャーSQ(特別清算指数)と、相場に与える影響度が大きい重要イベントが目白押しとなっており、事前の予想は従来に増して難しい。ただ、最大のポイントは、15日に期限を迎える米国による対中追加関税第4弾の残り(携帯電話、ノートパソコンなど)の部分の発動が回避され、最終的には米中第1段階合意ができるかどうかにある。分水嶺となる15日の米国による対中関税発動期限までは、トランプ大統領を始めとする米中要人の発言やメディア報道などヘッドラインに振り回されることになる。一方、FOMC、ECB理事会において金融政策は目下のところ波乱要素は見当たらないが、景気・経済動向についての発信には注意が必要になる。警戒材料は多いものの、東証が5日発表した11月第4週(25−29日)の投資部門別売買動向(現物、1部・2部・マザーズ・ジャスダック合算)では、海外投資家が2週間ぶりに買い越しに転じているなど、需給的には支援材料もある。13日のメジャーSQを控えて、動きとしてはリスクオンの流れに傾斜しているとも読み取る事ができる。事業規模26兆円の経済対策が5日に閣議決定したことも、相場の下支え要因だ。日経平均は11月5日以降、下振れ場面があっても終値ベースでは23000円を堅持する底堅さをみせている。一方で、23500円ラインが心理的節目として上値を抑えているが、これを超えてくると、11月26日の年初来高値23608.06円更新が意識されてきそうだ。
■IPOと任天堂関連、ハイテク株に関心向く
今週は4銘柄、翌週は12銘柄が新規上場のIPOラッシュが始まる。11日には資金調達額が256億ドルと過去最高の見通しとなるサウジアラムコがサウジ証券取引所に上場することもあり、IPOが注目される可能性が高い。また、6日にかけてジャスダック平均が11日連続高となるなど新興銘柄にも関心が向かいやすくなってきた。10日には任天堂<7974>のゲーム機「ニンテンドースイッチ」が中国で発売されることから、任天堂と周辺銘柄に関心が集まりやすくなる。このほか「SEMICON Japan2019」11日から3日間東京ビックサイトで開催される。このイベントは、半導体の前工程から後工程までの全工程から、 自動車やIoT機器などのアプリケーションまでをカバーする、エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会であり、ハイテク関係のニュースが発信されやすくなることが特徴だ。
■メジャーSQ、FOMC、 ECB理事会
主な国内経済関連スケジュールとして、9日は10月国際収支、7-9月期GDP確定値、11月景気ウオッチャー調査、10日は11月マネーストック、11月工作機械受注、11日は11月国内企業物価指数、10-12月期法人企業景気予測調査、12日は10月機械受注、11月都心オフィス空室率、13日は12月調査日銀短観、メジャーSQが予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールとしては、10日はFOMC(11日まで)、12日は英国総選挙(英議会下院)、ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)、EU首脳会議(13日まで)などが予定されている。
<FA>