薬味多めで:フリーキャッシュフローと配当の関係性【FISCOソーシャルレポーター】
[20/01/20]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 市況・概況
以下は、フィスコソーシャルレポーターの薬味多めで氏(ブログ「個人投資家最前線」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
----
※2020年1月16日7時00分に執筆
おはようございます。薬味多めでです。
投資初心者の方や、ファンダメンタルズ分析に不慣れな方からすると、英字3文字の用語(PER、PBR、ROE、EPS...など)っていまいちピンときませんよね・・・。かくいう私自身もこれまでは短期のトレードを主体とする投資戦略を取っていた為、過去10年はチャートしか見ないテクニカル分析ばかりの人間でした。もちろん、「あれ?EPSってなんだっけ...」なんてこともしょっちゅうありました(笑)
そんな弱小個人投資家の薬味多めでですが、昨年の年末にかけて大きく投資戦略を変更しました。今回はキャッシュフローについて考えます。
■キャッシュフローとは?
キャッシュフローとは、その名の通りCash(現金)のFlow(流れ)を指します。財務三表のうちキャッシュフロー計算書(C/S)では、ある一定期間内にどのような形で現金が入り、どの様な形で現金が出ていったのかが記載されています。
このキャッシュフロー計算書には、「営業キャッシュフロー」、「投資キャッシュフロー」、「財務キャッシュフロー」と3種類登場します。
「営業キャッシュフロー」とは、その会社の製品やサービスを売るなど、「本業の営業活動」を通じた現金収支を記録したものです。営業キャッシュフローの金額が大きければ大きい程、その会社が本業で儲かっていると解釈できますから、営業キャッシュフローはプラスであることが望ましいです。逆に、営業キャッシュフローがマイナスの会社は、本業で稼げていないと考えられ、好感されない事が多いでしょう。
「投資キャッシュフロー」とは、その会社の投資活動(設備投資、有価証券売買など)による現金収支を記録したものです。設備投資を積極的に行えば、それだけ現金支出が増えるということになるので、営業キャッシュフローはマイナスになります。逆に、設備を売却したり、有価証券売却で現金収入を増やしたりすると営業キャッシュフローはプラスとなります。
「財務キャッシュフロー」とは、資金の調達や返済、配当金などの財務活動による現金収支を記録したものです。財務キャッシュフローを見る時は、借入金の増減に注目する事が多いです。例えば、借入金を返済した場合は、現金が出ていくので財務キャッシュフローはマイナスとなります。逆に銀行融資、社債発行などで資金調達した場合は、現金が増えるので財務キャッシュフローはプラスとなります。
■4番目のキャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
キャッシュフロー計算書に記載があるのは上記の「営業キャッシュフロー」、「投資キャッシュフロー」、「財務キャッシュフロー」の3種類ですが、投資を行う際には「フリーキャッシュフロー」も注目されます。4番目の隠れキャッシュフローと言ってもよいかもしれません。
「フリーキャッシュフロー」はキャッシュフロー計算書に記載はありませんが、「営業キャッシュフロー」と「投資キャッシュフロー」を足すことで求める事ができます。
・「フリーキャッシュフロー」=「営業キャッシュフロー」+「投資キャッシュフロー」
本業で得た現金(営業キャッシュフロー)は通常プラスで、設備投資等に関わった現金収支(投資キャッシュフロー)は通常マイナスになりますから、フリーキャッシュフローは本業収入から設備投資に使った支出を差し引いたもの、つまり「会社の手元に残った自由に使える現金」という捉え方になります。手元に資金があれば状況が急激に変わった場合の対応なども可能となりますので、フリーキャッシュフローはプラスの方が望ましいといえます。
■安定してフリーキャッシュフローがプラスの企業でなければ、増配も望めない?
株主の立場から見ると、配当について気になる方が多いと思いますが、配当が将来的にどうなるかなどを判断するのにもフリーキャッシュフローの把握は役立つと思います。
フリーキャッシュフローがプラスの場合は、会社が自由に使える現金が多いということになりますから、その現金を会社の将来への投資へ回したり、株主に還元したりする余裕が生まれるといえます。つまり、毎年フリーキャッシュフローがプラスで安定している企業は、利益を株主に還元する可能性が高いと言えるでしょう。
もちろん、株主還元策に関しては配当性向やその他の要因にも起因しますので、フリーキャッシュフローが高水準な位置で安定しているからと言って増配になるとは限りません。しかし、フリーキャッシュフローがプラスでなければ増配の可能性は高くないと言うことはできるかも知れませんね。
毎日執筆中のブログでは、チャート画像付きで株式市場で注目されているテーマ株や個別株などの分析を行っています。
一度ブログの方も覗いて頂けますと幸いです。
----
執筆者名:薬味多めで
ブログ名:個人投資家最前線
<SF>
----
※2020年1月16日7時00分に執筆
おはようございます。薬味多めでです。
投資初心者の方や、ファンダメンタルズ分析に不慣れな方からすると、英字3文字の用語(PER、PBR、ROE、EPS...など)っていまいちピンときませんよね・・・。かくいう私自身もこれまでは短期のトレードを主体とする投資戦略を取っていた為、過去10年はチャートしか見ないテクニカル分析ばかりの人間でした。もちろん、「あれ?EPSってなんだっけ...」なんてこともしょっちゅうありました(笑)
そんな弱小個人投資家の薬味多めでですが、昨年の年末にかけて大きく投資戦略を変更しました。今回はキャッシュフローについて考えます。
■キャッシュフローとは?
キャッシュフローとは、その名の通りCash(現金)のFlow(流れ)を指します。財務三表のうちキャッシュフロー計算書(C/S)では、ある一定期間内にどのような形で現金が入り、どの様な形で現金が出ていったのかが記載されています。
このキャッシュフロー計算書には、「営業キャッシュフロー」、「投資キャッシュフロー」、「財務キャッシュフロー」と3種類登場します。
「営業キャッシュフロー」とは、その会社の製品やサービスを売るなど、「本業の営業活動」を通じた現金収支を記録したものです。営業キャッシュフローの金額が大きければ大きい程、その会社が本業で儲かっていると解釈できますから、営業キャッシュフローはプラスであることが望ましいです。逆に、営業キャッシュフローがマイナスの会社は、本業で稼げていないと考えられ、好感されない事が多いでしょう。
「投資キャッシュフロー」とは、その会社の投資活動(設備投資、有価証券売買など)による現金収支を記録したものです。設備投資を積極的に行えば、それだけ現金支出が増えるということになるので、営業キャッシュフローはマイナスになります。逆に、設備を売却したり、有価証券売却で現金収入を増やしたりすると営業キャッシュフローはプラスとなります。
「財務キャッシュフロー」とは、資金の調達や返済、配当金などの財務活動による現金収支を記録したものです。財務キャッシュフローを見る時は、借入金の増減に注目する事が多いです。例えば、借入金を返済した場合は、現金が出ていくので財務キャッシュフローはマイナスとなります。逆に銀行融資、社債発行などで資金調達した場合は、現金が増えるので財務キャッシュフローはプラスとなります。
■4番目のキャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
キャッシュフロー計算書に記載があるのは上記の「営業キャッシュフロー」、「投資キャッシュフロー」、「財務キャッシュフロー」の3種類ですが、投資を行う際には「フリーキャッシュフロー」も注目されます。4番目の隠れキャッシュフローと言ってもよいかもしれません。
「フリーキャッシュフロー」はキャッシュフロー計算書に記載はありませんが、「営業キャッシュフロー」と「投資キャッシュフロー」を足すことで求める事ができます。
・「フリーキャッシュフロー」=「営業キャッシュフロー」+「投資キャッシュフロー」
本業で得た現金(営業キャッシュフロー)は通常プラスで、設備投資等に関わった現金収支(投資キャッシュフロー)は通常マイナスになりますから、フリーキャッシュフローは本業収入から設備投資に使った支出を差し引いたもの、つまり「会社の手元に残った自由に使える現金」という捉え方になります。手元に資金があれば状況が急激に変わった場合の対応なども可能となりますので、フリーキャッシュフローはプラスの方が望ましいといえます。
■安定してフリーキャッシュフローがプラスの企業でなければ、増配も望めない?
株主の立場から見ると、配当について気になる方が多いと思いますが、配当が将来的にどうなるかなどを判断するのにもフリーキャッシュフローの把握は役立つと思います。
フリーキャッシュフローがプラスの場合は、会社が自由に使える現金が多いということになりますから、その現金を会社の将来への投資へ回したり、株主に還元したりする余裕が生まれるといえます。つまり、毎年フリーキャッシュフローがプラスで安定している企業は、利益を株主に還元する可能性が高いと言えるでしょう。
もちろん、株主還元策に関しては配当性向やその他の要因にも起因しますので、フリーキャッシュフローが高水準な位置で安定しているからと言って増配になるとは限りません。しかし、フリーキャッシュフローがプラスでなければ増配の可能性は高くないと言うことはできるかも知れませんね。
毎日執筆中のブログでは、チャート画像付きで株式市場で注目されているテーマ株や個別株などの分析を行っています。
一度ブログの方も覗いて頂けますと幸いです。
----
執筆者名:薬味多めで
ブログ名:個人投資家最前線
<SF>