来週の相場で注目すべき3つのポイント:パウエル議長議会証言、ソフトバンクG決算、米小売売上高
[20/02/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限24200-下限23500円
来週の日経平均は、様子見ムードを抱えてもみ合う展開が予想される。2月第1週の日経平均は米国でNYダウをはじめとする主要3指数が過去最高値を更新したことに刺激される形で大幅反発した。しかし、今年最大の上げ幅(554.03円高)を記録した6日には心理的な節目となる24000円にあと4.63円と迫りながら跳ね返されている。一段のNYダウの上昇や1ドル=110円台への円安進行といった外部要因で上昇持続の期待は残るものの、上値を追うには材料不足になってきている。延長されていた春節が明けて中国大陸では経済活動が再開することから、新型コロナウイルスの影響も引き続き懸念される。7日現在、中国ではおよそ34都市で封鎖や移動規制が実施されている。当初は11日から13日あたりまでとされてきた封鎖や規制(企業活動)が延長されることになると、影響が再度警戒されてこよう。10日発表の中国1月生産者物価と中国1月消費者物価、12日発表の日本の1月工作機械受注、14日の東京市場の引け後に判明する米1月小売売上高で、影響が経済指標面に表れてくるかを注視する必要がある。スケジュール的にも来週は11日の祝日を挟み4営業日、翌週17日はワシントン誕生日で米国市場が3連休となることから、週末にかけては積極的な買いは期待しにくい。ただ、新型コロナウイルスの感染者が日本国内で確認されたのは1月15日であり、来週でほぼ1カ月となる。日経平均が23000円に接近すると押し目買いも強まることが確認できており、過度な下値不安は後退している。また、10日に提出が予定されているトランプ米政権による2021会計年度の予算教書も内容次第では株式市場にポジティブに働く可能性があろう。
このほか、新型肺炎による影響を織り込んでいないとはいえ、4日のソニー<6758>に続き6日にはトヨタが今期の利益計画を上方修正した。全般の企業業績はまだら模様ながらも明るい部分が出ていることも確かだ。こうしたなか、決算発表は来週で一巡する。10日は東レ<3402>、三菱地所<8802>、12日はソフトバンクG、ルネサスエレクトロニクス<6723>、13日は楽天<4755>、日産自動車<7201>、ジャパンディスプレイ<6740>、14日はリクルートHD<6098>、東芝<6502>、日本郵政<6178>が決算発表を予定している。5G(次世代通信規格)事業の本格化を控えたソフトバンクGと楽天の動向に関心が高まることが見込まれる。引き続き業績を手掛かりとした物色が相場展開の中心となってこよう。
主な国内経済関連スケジュールは、10日に1月景気ウォッチャー調査、12月及び2019年国際収支、11日は東京市場休場(建国記念日)、12日に1月工作機械受注、13日に1月国内企業物価指数、14日に12月第三次産業活動指数、オプションSQ(特別清算指数)がそれぞれ予定されている。一方、海外では10日に中国1月生産者物価、中国1月消費者物価、11日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言、14日に米1月小売売上高などが予定されている。このほか、10日にはトランプ米大統領が2021年度予算教書を公表予定。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。2月11日に予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が注目されているが、新型ウイルスの米国経済への影響を考慮し、景気見通しや利上げについて慎重な姿勢を改めて示す可能性がある。中国の新型コロナウイルス感染の早期終息への期待やワクチン開発などを背景に米国株式が再び上昇すれば、リスク選好的な円売りが優勢となりそうだが、来週発表の1月消費者物価指数や1月小売売上高が市場予想を下回った場合、リスク選好的なドル買いは抑制されそうだ。
中国国内などで新型コロナウイルスの感染被害はなお拡大しており、2020年における中国経済の減速は避けられないとの見方が増えていることもドルの上昇を抑える一因となりそうだ。今後発表される中国や同国と交易関係の深いアジア諸国などの経済指標にその影響が反映された場合、投資家のリスク許容度は低下するとみられる。
■来週の注目スケジュール
2月10日(月):日・個人向け貸出金・住宅資金、景気ウォッチャー調査、中・消費者物価指数・生産者物価指数、スイス・トルコ・失業率、米・予算教書公表の予定、スイス・消費者物価指数など
2月11日(火):国内株式市場は祝日のため休場(建国記念の日)、英・鉱工業生産指数・GDP速報値・商品貿易収支、南ア・失業率、パウエルFRB議長が下院金融委で半年に一度の議会証言など
2月12日(水):日・工作機械受注、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、台湾・マレーシアGDP、ユーロ圏鉱工業生産指数、米・財政収支、パウエル米FRB議長が上院銀行委で半期に1度の議会証言など
2月13日(木):日・国内企業物価指数、独・CPI、米・消費者物価コア指数、国際エネルギー機関(IEA)月報など
2月14日(金):独・GDP、ユーロ圏貿易収支、米・小売売上高・輸入物価指数・企業在庫、米中が相互に関税引き下げなど
<SK>
予想レンジ:上限24200-下限23500円
来週の日経平均は、様子見ムードを抱えてもみ合う展開が予想される。2月第1週の日経平均は米国でNYダウをはじめとする主要3指数が過去最高値を更新したことに刺激される形で大幅反発した。しかし、今年最大の上げ幅(554.03円高)を記録した6日には心理的な節目となる24000円にあと4.63円と迫りながら跳ね返されている。一段のNYダウの上昇や1ドル=110円台への円安進行といった外部要因で上昇持続の期待は残るものの、上値を追うには材料不足になってきている。延長されていた春節が明けて中国大陸では経済活動が再開することから、新型コロナウイルスの影響も引き続き懸念される。7日現在、中国ではおよそ34都市で封鎖や移動規制が実施されている。当初は11日から13日あたりまでとされてきた封鎖や規制(企業活動)が延長されることになると、影響が再度警戒されてこよう。10日発表の中国1月生産者物価と中国1月消費者物価、12日発表の日本の1月工作機械受注、14日の東京市場の引け後に判明する米1月小売売上高で、影響が経済指標面に表れてくるかを注視する必要がある。スケジュール的にも来週は11日の祝日を挟み4営業日、翌週17日はワシントン誕生日で米国市場が3連休となることから、週末にかけては積極的な買いは期待しにくい。ただ、新型コロナウイルスの感染者が日本国内で確認されたのは1月15日であり、来週でほぼ1カ月となる。日経平均が23000円に接近すると押し目買いも強まることが確認できており、過度な下値不安は後退している。また、10日に提出が予定されているトランプ米政権による2021会計年度の予算教書も内容次第では株式市場にポジティブに働く可能性があろう。
このほか、新型肺炎による影響を織り込んでいないとはいえ、4日のソニー<6758>に続き6日にはトヨタが今期の利益計画を上方修正した。全般の企業業績はまだら模様ながらも明るい部分が出ていることも確かだ。こうしたなか、決算発表は来週で一巡する。10日は東レ<3402>、三菱地所<8802>、12日はソフトバンクG、ルネサスエレクトロニクス<6723>、13日は楽天<4755>、日産自動車<7201>、ジャパンディスプレイ<6740>、14日はリクルートHD<6098>、東芝<6502>、日本郵政<6178>が決算発表を予定している。5G(次世代通信規格)事業の本格化を控えたソフトバンクGと楽天の動向に関心が高まることが見込まれる。引き続き業績を手掛かりとした物色が相場展開の中心となってこよう。
主な国内経済関連スケジュールは、10日に1月景気ウォッチャー調査、12月及び2019年国際収支、11日は東京市場休場(建国記念日)、12日に1月工作機械受注、13日に1月国内企業物価指数、14日に12月第三次産業活動指数、オプションSQ(特別清算指数)がそれぞれ予定されている。一方、海外では10日に中国1月生産者物価、中国1月消費者物価、11日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言、14日に米1月小売売上高などが予定されている。このほか、10日にはトランプ米大統領が2021年度予算教書を公表予定。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。2月11日に予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が注目されているが、新型ウイルスの米国経済への影響を考慮し、景気見通しや利上げについて慎重な姿勢を改めて示す可能性がある。中国の新型コロナウイルス感染の早期終息への期待やワクチン開発などを背景に米国株式が再び上昇すれば、リスク選好的な円売りが優勢となりそうだが、来週発表の1月消費者物価指数や1月小売売上高が市場予想を下回った場合、リスク選好的なドル買いは抑制されそうだ。
中国国内などで新型コロナウイルスの感染被害はなお拡大しており、2020年における中国経済の減速は避けられないとの見方が増えていることもドルの上昇を抑える一因となりそうだ。今後発表される中国や同国と交易関係の深いアジア諸国などの経済指標にその影響が反映された場合、投資家のリスク許容度は低下するとみられる。
■来週の注目スケジュール
2月10日(月):日・個人向け貸出金・住宅資金、景気ウォッチャー調査、中・消費者物価指数・生産者物価指数、スイス・トルコ・失業率、米・予算教書公表の予定、スイス・消費者物価指数など
2月11日(火):国内株式市場は祝日のため休場(建国記念の日)、英・鉱工業生産指数・GDP速報値・商品貿易収支、南ア・失業率、パウエルFRB議長が下院金融委で半年に一度の議会証言など
2月12日(水):日・工作機械受注、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、台湾・マレーシアGDP、ユーロ圏鉱工業生産指数、米・財政収支、パウエル米FRB議長が上院銀行委で半期に1度の議会証言など
2月13日(木):日・国内企業物価指数、独・CPI、米・消費者物価コア指数、国際エネルギー機関(IEA)月報など
2月14日(金):独・GDP、ユーロ圏貿易収支、米・小売売上高・輸入物価指数・企業在庫、米中が相互に関税引き下げなど
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