来週の相場で注目すべき3つのポイント:国内新型肺炎感染者動向、米10-12月GDP改定値、配当・優待権利取り
[20/02/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限23800-下限22800円
来週の日経平均は、23000円台でのボックス相場が継続しそうだ。米疾病対策センター(CDC)は19日、日本への旅行者に渡航注意情報を出すなど、新型肺炎の日本経済への影響が懸念されている。中国本土の警戒レベルは3段階で最も高い「レベル3」で、日本は3段階で最も低い「レベル1」ながら、新型肺炎関連のニュースに敏感に反応する展開が続きそうだ。内閣府が17日発表した2019年10−12月期GDP速報値が前期比年率6.3%減と市場予想を大きく下回ったことで、景気や企業業績に対する警戒感も増して地合いが悪化している。こうしたなか、週末・月末に向けて注目される海外経済指標の発表を控えていることが、売買見送りムードを強める可能性もある。28日に発表される米1月個人所得・個人支出は東京市場の取引終了後の夜に判明するほか、29日には中国2月製造業PMI(購買担当者景気指数)の発表が予定されている。相場への影響は翌週に入ってからとなるが、中国2月製造業PMIについてはリスク要因となりそうだ。また、翌週3月3日にはファーストリテイリング<9983>が2月度の国内ユニクロ売上推移速報を発表する予定となっており、このほかにも企業の月次データへの関心が高まっている。こうした懸念材料の一方で、1ドル=112円前後へ為替の円安が進行したことが相場の下支え要因として働いている。日銀短観(12月調査)で大企業・製造業の2019年度の下期想定為替レートは1ドル=106円90銭となっており、輸出企業にとって現状の為替水準は収益の増額要因として働く期待がある。
物色的には、27日の2月権利落ち日を境に、3月期決算銘柄の株式分割、配当、株主優待の権利取りへの関心が高まってくる可能性がある。3月27日に権利付き最終売買日を迎える株式分割銘柄としては、スシローグローバルHD<3563>、学研HD<9470>、大幸薬品<4574>、日本電産<6594>などがある。また、12月期決算銘柄のうち好業績が確認された銘柄や、3月のIPOラッシュを前に直近IPO銘柄に個別物色の動きが出始めている。
主な国内経済関連スケジュールは、24日は振替休日で東証市場休場、25日に1月企業向けサービス価格指数、AHCグループ<7083>がマザーズ上場、28日に1月失業率・有効求人倍率、1月商業動態統計、1月鉱工業生産速報値が予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールでは、24日に米1月シカゴ連銀全米活動指数、25日に米12月FHFA住宅価格指数、米12月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米2月CB消費者信頼感指数、26日に米1月新築住宅販売件数、27日に米10-12月期GDP改定値、米1月耐久財受注、米1月中古住宅販売仮契約、28日に米1月個人所得・個人支出、29日に中国2月製造業PMIが予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円はじり高で推移か。日本国内で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、日本経済の先行きが懸念されるなか、「安全逃避の円売り」は継続し、ドル・円相場は円安方向に振れる可能性がある。ドル上昇のペースは速いとの見方が出ているものの、米国経済指標の改善を好感したドル買いも観測されており、ドル・円はじり高の相場展開となる可能性がある。
日本国内におけるウイルス感染被害を受け日本企業の業績悪化は避けられず、個人消費はさらに落ち込む可能性があることから、これまで安全通貨(資産)と見なされていた日本円はリスク通貨(資産)へと変わりつつある。日本銀行による早期追加緩和の思惑が浮上していることも、ドル買い・円売りを促す一因となりそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(1月28-29日開催分)で「新型コロナウイルスの感染拡大は新たな脅威」との見解が提示されたが、市場関係者の大半は「すみやかな金融緩和が必要とされるわけではない」と判断していることも、ドル高・円安進行の一因とみられている。
2月27日発表の10-12月期国内総生産(GDP)改定値は、速報値の前期比年率+2.1%から+2.2%と上方修正が予想されている。主要国のなかでも米国経済は相対的に強いとみられていること、中国政府による企業の資金繰り支援のほか景気刺激策への期待感もリスク選好のドル買い・円売りを促す可能性がある。
■来週の注目スケジュール
2月24日(月):国内株式市場は振替休日のため休場、NZ・小売売上高、独・IFO企業景況感指数、ラガルドECB総裁が講演など
2月25日(火):企業向けサービス価格指数、独・GDP改定値、米・消費者信頼感指数、クラリダFRB副議長が講演など
2月26日(水):日・スーパーマーケット売上高、米・MBA住宅ローン申請指数など
2月27日(木):NZ・貿易収支、ユーロ圏景況感指数・消費者信頼感指数・マネーサプライ、米・GDP改定値・耐久財受注・中古住宅販売成約指数、韓国・中央銀行が政策金利発表など
2月28日(金):日・有効求人倍率・失業率・鉱工業生産指数・対外・対内証券投資・自動車生産台数・建設工事受注、トルコ・GDP、独・失業率、ユーロ圏消費者物価コア指数、印・GDP、南ア・貿易収支、独・消費者物価指数、加・GDP、米・個人所得・ミシガン大学消費者マインド指数など
2月29日(土):中・製造業PMI・非製造業PMI・総合PMI、米・大統領選のサウスカロライナ州予備選(民主党)など
<SK>
予想レンジ:上限23800-下限22800円
来週の日経平均は、23000円台でのボックス相場が継続しそうだ。米疾病対策センター(CDC)は19日、日本への旅行者に渡航注意情報を出すなど、新型肺炎の日本経済への影響が懸念されている。中国本土の警戒レベルは3段階で最も高い「レベル3」で、日本は3段階で最も低い「レベル1」ながら、新型肺炎関連のニュースに敏感に反応する展開が続きそうだ。内閣府が17日発表した2019年10−12月期GDP速報値が前期比年率6.3%減と市場予想を大きく下回ったことで、景気や企業業績に対する警戒感も増して地合いが悪化している。こうしたなか、週末・月末に向けて注目される海外経済指標の発表を控えていることが、売買見送りムードを強める可能性もある。28日に発表される米1月個人所得・個人支出は東京市場の取引終了後の夜に判明するほか、29日には中国2月製造業PMI(購買担当者景気指数)の発表が予定されている。相場への影響は翌週に入ってからとなるが、中国2月製造業PMIについてはリスク要因となりそうだ。また、翌週3月3日にはファーストリテイリング<9983>が2月度の国内ユニクロ売上推移速報を発表する予定となっており、このほかにも企業の月次データへの関心が高まっている。こうした懸念材料の一方で、1ドル=112円前後へ為替の円安が進行したことが相場の下支え要因として働いている。日銀短観(12月調査)で大企業・製造業の2019年度の下期想定為替レートは1ドル=106円90銭となっており、輸出企業にとって現状の為替水準は収益の増額要因として働く期待がある。
物色的には、27日の2月権利落ち日を境に、3月期決算銘柄の株式分割、配当、株主優待の権利取りへの関心が高まってくる可能性がある。3月27日に権利付き最終売買日を迎える株式分割銘柄としては、スシローグローバルHD<3563>、学研HD<9470>、大幸薬品<4574>、日本電産<6594>などがある。また、12月期決算銘柄のうち好業績が確認された銘柄や、3月のIPOラッシュを前に直近IPO銘柄に個別物色の動きが出始めている。
主な国内経済関連スケジュールは、24日は振替休日で東証市場休場、25日に1月企業向けサービス価格指数、AHCグループ<7083>がマザーズ上場、28日に1月失業率・有効求人倍率、1月商業動態統計、1月鉱工業生産速報値が予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールでは、24日に米1月シカゴ連銀全米活動指数、25日に米12月FHFA住宅価格指数、米12月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米2月CB消費者信頼感指数、26日に米1月新築住宅販売件数、27日に米10-12月期GDP改定値、米1月耐久財受注、米1月中古住宅販売仮契約、28日に米1月個人所得・個人支出、29日に中国2月製造業PMIが予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円はじり高で推移か。日本国内で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、日本経済の先行きが懸念されるなか、「安全逃避の円売り」は継続し、ドル・円相場は円安方向に振れる可能性がある。ドル上昇のペースは速いとの見方が出ているものの、米国経済指標の改善を好感したドル買いも観測されており、ドル・円はじり高の相場展開となる可能性がある。
日本国内におけるウイルス感染被害を受け日本企業の業績悪化は避けられず、個人消費はさらに落ち込む可能性があることから、これまで安全通貨(資産)と見なされていた日本円はリスク通貨(資産)へと変わりつつある。日本銀行による早期追加緩和の思惑が浮上していることも、ドル買い・円売りを促す一因となりそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(1月28-29日開催分)で「新型コロナウイルスの感染拡大は新たな脅威」との見解が提示されたが、市場関係者の大半は「すみやかな金融緩和が必要とされるわけではない」と判断していることも、ドル高・円安進行の一因とみられている。
2月27日発表の10-12月期国内総生産(GDP)改定値は、速報値の前期比年率+2.1%から+2.2%と上方修正が予想されている。主要国のなかでも米国経済は相対的に強いとみられていること、中国政府による企業の資金繰り支援のほか景気刺激策への期待感もリスク選好のドル買い・円売りを促す可能性がある。
■来週の注目スケジュール
2月24日(月):国内株式市場は振替休日のため休場、NZ・小売売上高、独・IFO企業景況感指数、ラガルドECB総裁が講演など
2月25日(火):企業向けサービス価格指数、独・GDP改定値、米・消費者信頼感指数、クラリダFRB副議長が講演など
2月26日(水):日・スーパーマーケット売上高、米・MBA住宅ローン申請指数など
2月27日(木):NZ・貿易収支、ユーロ圏景況感指数・消費者信頼感指数・マネーサプライ、米・GDP改定値・耐久財受注・中古住宅販売成約指数、韓国・中央銀行が政策金利発表など
2月28日(金):日・有効求人倍率・失業率・鉱工業生産指数・対外・対内証券投資・自動車生産台数・建設工事受注、トルコ・GDP、独・失業率、ユーロ圏消費者物価コア指数、印・GDP、南ア・貿易収支、独・消費者物価指数、加・GDP、米・個人所得・ミシガン大学消費者マインド指数など
2月29日(土):中・製造業PMI・非製造業PMI・総合PMI、米・大統領選のサウスカロライナ州予備選(民主党)など
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