国内株式市場見通し:コロナウイルスと米国株動向で波乱含み
[20/02/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■コロナショックで日経平均21000円割れ
前週の日経平均は下げ幅で2200円超(下落率9%超)、週間ベースでは3週連続安となった。東京市場が振替休日で休場だった24日の米国市場は、新型コロナウイルスによる感染拡大が新たに韓国やイタリアでも確認され、世界経済減速への懸念が強まりNYダウは前週末比1031.61ドル安と急落。この流れを受けて、週明け25日の日経平均は朝方に一時1000円を超す大幅下落をみせた。全面安商状の中、新型コロナウイルスの治療のためにインフルエンザの治療薬「アビガン」を患者に投与したことが厚労相によって明らかにされた富士フイルム<4901>の逆行高が目立った。米疾病対策センター(CDC)がコロナウイルスの米国での流行を警告したことを嫌気して、25日のNYダウは879.44ドル安と4日続落。26日の東京市場も新型肺炎の感染拡大による経済減速の懸念が一段と高まり、日経平均も3日続落となった。前日に続いて東証33業種が全面安となるなか、自己株式の取得実施を発表したキヤノン<7751>の上昇が話題となった。27日の東京市場は連日の下落を受けた自律反発狙いの買いがみられたものの、米国での感染者拡大や日本国内でも各種イベントが相次いで中止・延期なったことで、投資家のリスクオフ姿勢が強まった。海外短期筋による指数先物への断続的な売りが散見され、日経平均は2019年10月11日以来、約4カ月半ぶりに終値で22000円割れとなった。米カリフォルニア州で新型コロナウイルスの感染者が確認され、原油相場の下落や米長期金利の低下も重なり27日のNYダウは1190.95ドル安となった。株安に連れたリスク回避による円高進行も警戒されて、28日の日経平均株価は前日比430.22円安で寄り付き、その後アジア市場の軒並み安を受けて下げ幅を広げた。一時1031.83円安となるなか、取引時間中では2019年9月5日以来の21000円割れをみて、大引けは805.27円安の21142.96円と21000円を維持した。
■日経平均21000円の攻防
今週の日経平均は、心理的な節目となる21000円の攻防に視点が移る。先週の下落相場では、2月28日に昨年10月4日安値21276.01円を割り込んだことで21000円ラインまで一気に調整を進めることとなっており、テクニカルラインを次々と割り込んでいることから、ダウンリスクも膨らみつつある。21000円ラインを下に突き抜けてくると、まずは株価純資産倍率(PBR)1倍レベルである20700円前後をキープできるかどうかが焦点となろう。また、最悪は昨年8月6日安値の20110.76円まで下落する懸念もある。更に、相場の下支え材料として働いていた為替が、1ドル=108円台までの円高傾向に反転していることも気掛かり材料だ。なお、中国国家統計局が29日に発表した2月の製造業PMI(購買担当者景気指数)や非製造業PMIがともに市場予想を大きく下回った。週明け東京市場の反応が警戒される。その一方で、日経平均は28日までの5日続落での下げ幅は2300円超となった。25日騰落レシオも28日に53%台と、短期的なリバウンドが生じやすいタイミングとなっている。3月相場入りとなるここからは、日米中の経済指標、個別企業の月次売上高の開示情報で、新型コロナウイルスによる影響がどの程度出てくるかも焦点だ。3日のファーストリテイリング<9983>による2月の国内ユニクロ売上推移速報、4日の米2月ADP雇用統計、米2月ISM非製造業景況指数などの内容次第で、相場は上下に振られやすい展開となってくる。6日の米2月雇用統計、7日の中国1月・2月貿易収支などは、6日の東京市場の大引け後の発表となるため、日経平均への影響は翌週となるが、その内容次第では波乱要因となってこよう。全体相場は新型コロナウイルスのニュースフローと米国株動向に強く影響を受けて波乱含みの相場展開が続きそうだ。3月13日はメジャーSQも控えており、ここから2週間が相場展開的にも神経質な時期となることが予想される。
■5G、高配当利回り、IPO
物色的にはテレワーク、遠隔医療、巣ごもり関連といった新型肺炎対策とその延長線で生まれたテーマ物色の継続が見込まれるが、5G(第5世代移動通信システム)関連や高配当利回り銘柄などで大きく調整した銘柄への関心が高まる期待がある。なかで、5G関連では基地局や交換機向け通信計測器を手掛けるアルチザネットワークス<6778>が今7月期第2四半期決算を5日に発表する予定だ。このほか、東証に4銘柄がIPOすることも物色動向を刺激しそうだ。
■国内ユニクロ売上、米雇用統計、中国貿易収支
今週の主な国内経済関連スケジュールは、2日に10-12月期法人企業統計、2月自動車販売台数、3日に2月マネタリーベース、2月消費動向調査、ファーストリテイリングの2月度国内ユニクロ売上推移速報、6日に1月家計調査、1月景気動向指数が予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールでは、2日に米2月ISM製造業景況指数、米1月建設支出、3日に米スーパーチューズデー、4日に米2月ADP雇用統計、米2月ISM非製造業景況指数、ベージュブック(米地区連銀景況報告)、5日に米1月製造業受注、OPEC臨時総会(ウィーン)、6日に米1月貿易収支、米2月雇用統計、米1月消費者信用残高、7日に中国2月貿易収支が予定されている。
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前週の日経平均は下げ幅で2200円超(下落率9%超)、週間ベースでは3週連続安となった。東京市場が振替休日で休場だった24日の米国市場は、新型コロナウイルスによる感染拡大が新たに韓国やイタリアでも確認され、世界経済減速への懸念が強まりNYダウは前週末比1031.61ドル安と急落。この流れを受けて、週明け25日の日経平均は朝方に一時1000円を超す大幅下落をみせた。全面安商状の中、新型コロナウイルスの治療のためにインフルエンザの治療薬「アビガン」を患者に投与したことが厚労相によって明らかにされた富士フイルム<4901>の逆行高が目立った。米疾病対策センター(CDC)がコロナウイルスの米国での流行を警告したことを嫌気して、25日のNYダウは879.44ドル安と4日続落。26日の東京市場も新型肺炎の感染拡大による経済減速の懸念が一段と高まり、日経平均も3日続落となった。前日に続いて東証33業種が全面安となるなか、自己株式の取得実施を発表したキヤノン<7751>の上昇が話題となった。27日の東京市場は連日の下落を受けた自律反発狙いの買いがみられたものの、米国での感染者拡大や日本国内でも各種イベントが相次いで中止・延期なったことで、投資家のリスクオフ姿勢が強まった。海外短期筋による指数先物への断続的な売りが散見され、日経平均は2019年10月11日以来、約4カ月半ぶりに終値で22000円割れとなった。米カリフォルニア州で新型コロナウイルスの感染者が確認され、原油相場の下落や米長期金利の低下も重なり27日のNYダウは1190.95ドル安となった。株安に連れたリスク回避による円高進行も警戒されて、28日の日経平均株価は前日比430.22円安で寄り付き、その後アジア市場の軒並み安を受けて下げ幅を広げた。一時1031.83円安となるなか、取引時間中では2019年9月5日以来の21000円割れをみて、大引けは805.27円安の21142.96円と21000円を維持した。
■日経平均21000円の攻防
今週の日経平均は、心理的な節目となる21000円の攻防に視点が移る。先週の下落相場では、2月28日に昨年10月4日安値21276.01円を割り込んだことで21000円ラインまで一気に調整を進めることとなっており、テクニカルラインを次々と割り込んでいることから、ダウンリスクも膨らみつつある。21000円ラインを下に突き抜けてくると、まずは株価純資産倍率(PBR)1倍レベルである20700円前後をキープできるかどうかが焦点となろう。また、最悪は昨年8月6日安値の20110.76円まで下落する懸念もある。更に、相場の下支え材料として働いていた為替が、1ドル=108円台までの円高傾向に反転していることも気掛かり材料だ。なお、中国国家統計局が29日に発表した2月の製造業PMI(購買担当者景気指数)や非製造業PMIがともに市場予想を大きく下回った。週明け東京市場の反応が警戒される。その一方で、日経平均は28日までの5日続落での下げ幅は2300円超となった。25日騰落レシオも28日に53%台と、短期的なリバウンドが生じやすいタイミングとなっている。3月相場入りとなるここからは、日米中の経済指標、個別企業の月次売上高の開示情報で、新型コロナウイルスによる影響がどの程度出てくるかも焦点だ。3日のファーストリテイリング<9983>による2月の国内ユニクロ売上推移速報、4日の米2月ADP雇用統計、米2月ISM非製造業景況指数などの内容次第で、相場は上下に振られやすい展開となってくる。6日の米2月雇用統計、7日の中国1月・2月貿易収支などは、6日の東京市場の大引け後の発表となるため、日経平均への影響は翌週となるが、その内容次第では波乱要因となってこよう。全体相場は新型コロナウイルスのニュースフローと米国株動向に強く影響を受けて波乱含みの相場展開が続きそうだ。3月13日はメジャーSQも控えており、ここから2週間が相場展開的にも神経質な時期となることが予想される。
■5G、高配当利回り、IPO
物色的にはテレワーク、遠隔医療、巣ごもり関連といった新型肺炎対策とその延長線で生まれたテーマ物色の継続が見込まれるが、5G(第5世代移動通信システム)関連や高配当利回り銘柄などで大きく調整した銘柄への関心が高まる期待がある。なかで、5G関連では基地局や交換機向け通信計測器を手掛けるアルチザネットワークス<6778>が今7月期第2四半期決算を5日に発表する予定だ。このほか、東証に4銘柄がIPOすることも物色動向を刺激しそうだ。
■国内ユニクロ売上、米雇用統計、中国貿易収支
今週の主な国内経済関連スケジュールは、2日に10-12月期法人企業統計、2月自動車販売台数、3日に2月マネタリーベース、2月消費動向調査、ファーストリテイリングの2月度国内ユニクロ売上推移速報、6日に1月家計調査、1月景気動向指数が予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールでは、2日に米2月ISM製造業景況指数、米1月建設支出、3日に米スーパーチューズデー、4日に米2月ADP雇用統計、米2月ISM非製造業景況指数、ベージュブック(米地区連銀景況報告)、5日に米1月製造業受注、OPEC臨時総会(ウィーン)、6日に米1月貿易収支、米2月雇用統計、米1月消費者信用残高、7日に中国2月貿易収支が予定されている。
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