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投資家のセンチメントを大きく悪化させる【クロージング】

注目トピックス 市況・概況
9日の日経平均は大幅に続落。1050.99円安の19698.76円(出来高概算25億1000万株)で取引を終えた。世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大し、経済が景気後退入りする確率が一段と高まったため投資家心理が悪化した。

加えて、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とそれ以外の主要産油国で構成するOPECプラスは6日、ロシアとの追加減産の実施で合意できず、協議は決裂。サウジアラビアは増産に踏み切る計画なども伝えられるなか、幅広い銘柄に売りが先行した。さらに、円相場が一時1ドル101円台まで円高が加速する中、一段と投資家のリスク回避姿勢が強まった。

20300円水準から始まった日経平均は、グローベックスのNYダウ先物が1000ドルを超える下落で推移していたこともあり、週明けの米株安を織り込む流れから、前引け間際には一時19472.26円まで下げ幅を広げる局面もみられた。後場は日銀のETF買い入れへの思惑から19500円を挟んでのこう着が続く中、金融庁・財務省・日銀は、9日午後3時半から国際金融資本市場に関する情報交換会合を実施するとの発表もあり、大引けにかけては若干ながら下げ幅を縮めている。

東証1部の騰落銘柄は、値下り数が2100を超えており、全体の99%近くを占める全面安商状。セクターでは、33業種全てが下げており、鉱業、銀行、証券、鉄鋼、石油石炭、非鉄金属、海運の弱さが目立つ。一方で、電力ガス、情報通信は3%超の下落率だったが、相対的には下げは小さかった。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>、ファナック<6954>などが軟調。一方で、エーザイ<4523>が上昇に転じているほか、ニチレイ<2871>が終日堅調だった。

新型コロナウイルスの感染拡大に加えて、急激な円高のほか、原油相場の急落が投資家のセンチメントを大きく悪化させた格好となり、パニック的な下げとなった。日経平均は5%を超える下落となり、チャート上では2018年12月安値の18948.58円とのボトム形成が意識されてきている。ネット証券では通信障害もあったため、よりパニック的な値動きとなったと考えられるが、一気に換金売りを迫る流れとなったため、速い段階で一旦は目先底を形成する可能性はありそうだ。

とはいえ、目先底といったところであり、明確な底入れには少なくとも新型肺炎の封じ込めといった動きが必要だろう。また、原油相場については、協議決裂によって下へのバイアスが強まりやすく、サプライズ的な要因として改めて警戒されてくるだろう。まずは、金融庁・財務省・日銀による情報交換会合の行方に注目しておきたいところである。




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