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新興市場見通し:マザーズ13年以来の安値、IPOラッシュも軒並み苦戦

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、日経平均とともにマザーズ指数、日経ジャスダックも急落した。日経平均は週明けから原油相場の急落を受けて節目の2万円をあっさり割り込み、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で週末にかけ一時17000円を割り込んだ。金融市場の不安定感が強まるとともに新興市場でもリスク回避目的の売りが広がり、マザーズ指数は一時527.30ptと2013年2月以来の安値水準を付けた。なお、週間の騰落率は、日経平均が-16.0%であったのに対して、マザーズ指数は-21.0%、日経ジャスダック平均は-16.0%だった。

個別では、メルカリ<4385>が週間で11.9%安、フリー<4478>が同19.0%安、Sansan<4443>が同15.8%安とマザーズ時価総額上位は軒並み大幅安。売買代金上位ではそーせいグループ<4565>が下げ足を速め、Amazia<4424>は手仕舞い売りがかさんだ。また、INCLUSIVE<7078>は週間の下落率が5割近くに達した。反面、ゲーム関連株のAiming<3911>や前の週に上場したきずなHD<7086>は逆行高となったが、週間のマザーズ値上がり銘柄数は5にとどまった。ジャスダック主力も日本マクドナルドHD<2702>が同8.3%安、ワークマン<7564>が同17.6%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同6.9%安と全般軟調。過去の決算で不適切な会計処理が行われていた可能性があると発表した第一商品<8746>は週間の下落率が5割超に上った。反面、ソレキア<9867>は買い優勢で、ケア21<2373>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。ただ、ジャスダックの値上がり銘柄数もわずか7だった。なお、先週は3月のIPOラッシュが続き、6社が新規上場した。しかし、初値が公開価格を上回ったのはコンピューターマネージメント<4491>のみ。株式相場の波乱がIPOにも影響し、軒並み苦戦を強いられた。

今週の新興市場は、自律反発を交えつつも不安定な相場展開が続きそうだ。マザーズ指数は取引時間中の2月高値(858.84pt)から3月安値(527.30pt)まで値幅にして300pt超、下落率で40%近い急ピッチの調整となった。買い持ち高の整理は相当程度進んだと考えられるが、新型コロナや金融市場の混乱に終息の兆しが見えるまで個人投資家のマインド改善は期待しづらい。買い余力が大きく低下しているとの懸念もある。

一部の銘柄で押し目買いの動きも見られるが、急落局面での買いには不安がある。材料性の強さなどで銘柄選別されそうだ。なお、今週は3月16日にサンバイオ<4592>、セルソース<4880>、ブシロード<7803>、ギフト<9279>などが決算発表を予定している。ブシロードは第2四半期以降、各種費用の計上を予定しているというが、好調が続くか注目されそうだ。先週末発表の決算ではスマレジ<4431>などが好感されているようだ。

IPO関連では、7社の新規上場が予定されている。小型のマザーズIPOも登場するが、やはり株式市場の地合い次第で初値買いへの慎重姿勢が強まりそうだ。なお、18日上場予定だったFast Fitness Japanに加え、24日のペルセウスプロテオミクス、26日のウイングアーク1stが上場延期を発表した。引き続き延期の動きが出てくる可能性はある。一方、先週はサイバートラスト<4498>(4月17日、マザーズ)の新規上場が発表されている。




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