国内株式市場見通し:感染者情報を睨みつつ、日経平均19000円台の値固めへ
[20/04/11]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■「緊急事態宣言」の発令下、日経平均は今年初の4日続伸
今週の日経平均は反発し19000円台を回復する展開となった。週初6日の日経平均は、新型コロナウイルスによるニューヨーク州の1日当たりの死者数が減少に転じ、NYダウ先物が時間外取引で急上昇したことを受けて小幅高で始まった。国内でも緊急事態宣言が近く発動されると伝わると不透明感が後退し、大引けにかけて上げ幅を広げた。欧米で新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化しつつあるとの期待が高まり、6日のNYダウは前週末比1627.46ドル高と急反発。これを受けて、7日の日経平均も3日続伸した。物色面では、決算発表で連続増益見通しを打ち出したニトリHD<9843>が7%近く上昇したことが話題となった。なお、7日夕刻に安倍総理大臣は、東京など7都府県を対象に5月6日までとする「緊急事態宣言」を発令した。7日のNYダウは一時937ドル高に急伸したものの、原油相場の急落を嫌気して小幅反落に転じた。8日の日経平均は後場に入ると株価指数先物の買い戻しが強まり、今年初めての4日続伸をみた。大引けでは3月30日以来となる19000円台を回復。8日のNYダウは779.71ドル高と反発した。NY州などで新型コロナウイルスの感染者・死亡者数がピークに達しつつあることが好感されたほか、民主党大統領候補で急進派のサンダース氏が大統領選を撤退、ロシアが原油協調減産で合意との報道を受け原油価格が急伸と、好材料がそろい上昇幅を広げる展開となった。9日の日経平均も堅調にスタートとしたものの、この日までの連騰や前日に国内での新型コロナウイルス感染者数が過去最多を記録したことなどを警戒し5日ぶりに反落した。9日のNYダウは285.80ドル高の23719.37ドルと続伸。FRB(米連邦準備制度理事会)が追加支援策を導入し、中小企業、州・地方自治体支援などで最大2.3兆ドル(約250兆円)の融資を提供すると発表したことなどを好感した。この流れを受けて10日の日経平均は反発して始まり一時マイナス圏もあったが、日銀のETF買い期待などから買い戻されて、大引けにかけて再び上昇となった。個別では、前日の上期決算発表で通期予想を下方修正したファーストリテイリングが、アク抜け感から6日続伸となった。大引けの日経平均は152.73円高の19498.50円だった。なお、10日の米国市場は、グッドフライデー(聖金曜日)の祝日のため休場。
■上値の重さを意識する展開が継続か
今週の日経平均は、強弱感が対立するなか19000円台を固める展開となるかが焦点となる。安倍総理大臣が7日に7都府県を対象とした「緊急事態宣言」を発令したことを受けて、米国の新型コロナウイルスの感染者・死亡者数と東京都の感染者数の動向が、東京市場を左右する焦点となっている。米国では、ニューヨーク州クオモ知事や米国立アレルギー感染症研究所所長が新型コロナウイルス感染者数のピークアウトを示唆するなど、前向きな発言が出てNYダウは切り返しに転じている。一方、国内は東京都や都市部での感染が拡大する状況下、リスクオフになりやすい展開となっている。そのため、日経平均は戻り待ちの売りも出やすく、19500円近辺が20000円を前にした一つのフシとなり始めている。ここで戻りが止まると3月25日の戻り高値19564円に対する2番天井ともなってしまう懸念がある。先物市場では、ボラティリティの高い状況も続いているため、上値の重さを意識する展開が継続しそうだ。15日の米3月小売売上高、17日の中国1-3月期GDPなど、米中の主要経済指標の発表が相次ぐことも波乱要因だ。一方、日経平均は約1カ月半ぶりに25日移動平均線を7日に回復した。右肩下がりのチャート形成の中での上抜けのため、信頼性には欠けるものの1カ月ぶりにようやく点ったテクニカル上のサインでもある。需給面では、海外投資家の動向が注目される。東証が9日に発表した4月第1週(3月30日〜4月3日)の投資部門別売買動向では、海外投資家は現物と先物の合算で8週連続の売り越しを継続した。しかし、現物ベースの売越額は前週の9517億円規模から654億円と大幅に縮小している。海外投資家の売り圧力が弱まれば、日経平均は19000円台を固める展開となってこよう。弱気の見方は多いものの、相場はそうした弱気派を押し返す強さも見せ始めていることも確かだ。
■オンライン診断、スーパーシティ関連
個別では、13日から初診患者へのオンライン診療が開始するため、話題性から改めて注目される期待がある。15日には、衆院地方創生特別委員会でスーパーシティ構想の実現に向けた国家戦略特区法改正案が採決される。この構想は、人工知能(AI)やビッグデータなどの先端技術を活用した都市「スーパーシティ」を目指してキャッシュレス、遠隔医療などを実装した街づくりを目指すもの。改正案は衆院を通過後、今国会中に成立する見通しで、関連銘柄が出てくる可能性がある。
■3月訪日外客数、米3月小売売上高、中国3月小売売上高
今週の主な国内経済スケジュールは、15日に3月訪日外客数、一方、海外主要スケジュールは、15日に米3月小売売上高、米4月NY連銀製造業景気指数、米3月鉱工業生産・設備稼働率、米地区連銀経済報告、16日に米3月住宅着工件数、米4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、G20財務大臣・中央銀行総裁会議、17日に中国1-3月期GDP、中国3月工業生産、中国3月小売売上高、IMF・世界銀行春季総会(19日まで、テレビ会議)が予定されている。
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今週の日経平均は反発し19000円台を回復する展開となった。週初6日の日経平均は、新型コロナウイルスによるニューヨーク州の1日当たりの死者数が減少に転じ、NYダウ先物が時間外取引で急上昇したことを受けて小幅高で始まった。国内でも緊急事態宣言が近く発動されると伝わると不透明感が後退し、大引けにかけて上げ幅を広げた。欧米で新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化しつつあるとの期待が高まり、6日のNYダウは前週末比1627.46ドル高と急反発。これを受けて、7日の日経平均も3日続伸した。物色面では、決算発表で連続増益見通しを打ち出したニトリHD<9843>が7%近く上昇したことが話題となった。なお、7日夕刻に安倍総理大臣は、東京など7都府県を対象に5月6日までとする「緊急事態宣言」を発令した。7日のNYダウは一時937ドル高に急伸したものの、原油相場の急落を嫌気して小幅反落に転じた。8日の日経平均は後場に入ると株価指数先物の買い戻しが強まり、今年初めての4日続伸をみた。大引けでは3月30日以来となる19000円台を回復。8日のNYダウは779.71ドル高と反発した。NY州などで新型コロナウイルスの感染者・死亡者数がピークに達しつつあることが好感されたほか、民主党大統領候補で急進派のサンダース氏が大統領選を撤退、ロシアが原油協調減産で合意との報道を受け原油価格が急伸と、好材料がそろい上昇幅を広げる展開となった。9日の日経平均も堅調にスタートとしたものの、この日までの連騰や前日に国内での新型コロナウイルス感染者数が過去最多を記録したことなどを警戒し5日ぶりに反落した。9日のNYダウは285.80ドル高の23719.37ドルと続伸。FRB(米連邦準備制度理事会)が追加支援策を導入し、中小企業、州・地方自治体支援などで最大2.3兆ドル(約250兆円)の融資を提供すると発表したことなどを好感した。この流れを受けて10日の日経平均は反発して始まり一時マイナス圏もあったが、日銀のETF買い期待などから買い戻されて、大引けにかけて再び上昇となった。個別では、前日の上期決算発表で通期予想を下方修正したファーストリテイリングが、アク抜け感から6日続伸となった。大引けの日経平均は152.73円高の19498.50円だった。なお、10日の米国市場は、グッドフライデー(聖金曜日)の祝日のため休場。
■上値の重さを意識する展開が継続か
今週の日経平均は、強弱感が対立するなか19000円台を固める展開となるかが焦点となる。安倍総理大臣が7日に7都府県を対象とした「緊急事態宣言」を発令したことを受けて、米国の新型コロナウイルスの感染者・死亡者数と東京都の感染者数の動向が、東京市場を左右する焦点となっている。米国では、ニューヨーク州クオモ知事や米国立アレルギー感染症研究所所長が新型コロナウイルス感染者数のピークアウトを示唆するなど、前向きな発言が出てNYダウは切り返しに転じている。一方、国内は東京都や都市部での感染が拡大する状況下、リスクオフになりやすい展開となっている。そのため、日経平均は戻り待ちの売りも出やすく、19500円近辺が20000円を前にした一つのフシとなり始めている。ここで戻りが止まると3月25日の戻り高値19564円に対する2番天井ともなってしまう懸念がある。先物市場では、ボラティリティの高い状況も続いているため、上値の重さを意識する展開が継続しそうだ。15日の米3月小売売上高、17日の中国1-3月期GDPなど、米中の主要経済指標の発表が相次ぐことも波乱要因だ。一方、日経平均は約1カ月半ぶりに25日移動平均線を7日に回復した。右肩下がりのチャート形成の中での上抜けのため、信頼性には欠けるものの1カ月ぶりにようやく点ったテクニカル上のサインでもある。需給面では、海外投資家の動向が注目される。東証が9日に発表した4月第1週(3月30日〜4月3日)の投資部門別売買動向では、海外投資家は現物と先物の合算で8週連続の売り越しを継続した。しかし、現物ベースの売越額は前週の9517億円規模から654億円と大幅に縮小している。海外投資家の売り圧力が弱まれば、日経平均は19000円台を固める展開となってこよう。弱気の見方は多いものの、相場はそうした弱気派を押し返す強さも見せ始めていることも確かだ。
■オンライン診断、スーパーシティ関連
個別では、13日から初診患者へのオンライン診療が開始するため、話題性から改めて注目される期待がある。15日には、衆院地方創生特別委員会でスーパーシティ構想の実現に向けた国家戦略特区法改正案が採決される。この構想は、人工知能(AI)やビッグデータなどの先端技術を活用した都市「スーパーシティ」を目指してキャッシュレス、遠隔医療などを実装した街づくりを目指すもの。改正案は衆院を通過後、今国会中に成立する見通しで、関連銘柄が出てくる可能性がある。
■3月訪日外客数、米3月小売売上高、中国3月小売売上高
今週の主な国内経済スケジュールは、15日に3月訪日外客数、一方、海外主要スケジュールは、15日に米3月小売売上高、米4月NY連銀製造業景気指数、米3月鉱工業生産・設備稼働率、米地区連銀経済報告、16日に米3月住宅着工件数、米4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、G20財務大臣・中央銀行総裁会議、17日に中国1-3月期GDP、中国3月工業生産、中国3月小売売上高、IMF・世界銀行春季総会(19日まで、テレビ会議)が予定されている。
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