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為替週間見通し:ドル・円は底堅い値動きか、中国GDPなどが手掛かり材料に

注目トピックス 市況・概況
【先週の概況】
■米国経済の先行き不安でドルは伸び悩む

ドル・円は伸び悩み。米国における新型コロナウイルスの感染流行はピークに近いとの思惑が浮上したことや、クドロー国家経済会議(NEC)委員長が「政府は経済の再開計画を政権内で検討している」との発言を受けて早期の経済再開への期待が広がり、リスク選好的なドル買い・円売りが観測された。しかしながら、4月9日発表の先週分新規失業保険申請件数は市場予想を大幅に上回ったことや、4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が大幅に低下したことを受けて、米国経済の先行き不安が再び広がった。米国株式は堅調に推移したものの、外為市場ではリスク回避的なドル売りが優勢となり、ドル・円は一時108円21銭まで下落した。

なお、10日は聖金曜日のため、欧米の主要市場は休場。ドル・円は、108円45銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:108円21銭−109円38銭。

【今週の見通し】
■ドル・円は底堅い値動きか、中国GDPなどが手掛かり材料に

今週のドル・円は底堅い値動きか。欧米諸国での新型コロナウイルスの感染流行はピークアウトの兆しが出ているようだが、日本での感染拡大が警戒されており、市場関係者の一部はドル買い・円売りにつながる可能性があると見ている。米連邦準備制度理事会(FRB)の新たな緩和策もあり、3月中に大きく売り込まれた米国株式は反転していることから、一部でリスク選好的なドル買いが観測されている。ただ、都市部での経済封鎖が続いており、米国経済は悪化していることから、ウイルス感染が将来的に終息に向かってもすみやかな景気回復は難しいとの理由でリスク選好的なドル買いが大きく広がる可能性は低いとの見方も少なくない。

それでも、米連邦準備制度理事会(FRB)は、中小企業、州・自治体を支援するため、最大2.3兆ドルの融資提供を表明したことは、市場参加者の間で評価されている。トランプ政権による2兆ドル規模の大型経済対策も成立しており、米国経済の先行き不安はある程度緩和されつつあることから、リスク回避的なドル売り・円買いがただちに広がる可能性は低いとみられる。

また、17日発表予定の中国の1-3月期国内総生産(GDP)も注目されている。経済成長率は大幅なマイナスとなる見込みだが、市場予想とおおむね一致した場合、中国経済の早期回復への期待が高まり、株高を通じてリスク選好的なドル買い・円売りを誘発する可能性もある。

【米・3月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の3月小売売上高は、前月比-6.4%と予想されるが、新型コロナウイルスの影響による雇用情勢の悪化で個人消費の落ち込みは予想を上回る可能性がある。

【米・4月フィラデルフィア連銀景況調査】(16日発表予定)
16日発表の4月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景気指数)は-25と予想されており、大幅に低下する見込み。コロナウイルス感染終息後の景気回復は緩慢になるとの見方から、市場予想を多少上回ってもドル買い材料にはなりにくい。

予想レンジ:107円00銭−110円00銭




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