来週の相場で注目すべき3つのポイント:世界2次感染動向、緊急事態宣言の見極め、米中関係
[20/05/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限20100-下限19000円
今週の日経平均は20000円を下限ラインに据えながらも神経質な展開となりそうだ。新型コロナの感染第2波と米中摩擦への警戒感を抱えつつも、経済活動再開と政府の追加経済対策が米株相場を下支えしている。しかし、22日からの全国人民代表大会(全人代)開幕を控えた中国に対して過激な発言が聞かれ始めたトランプ米大統領の動向が警戒要因となるほか、引き続きNYダウや米株先物の時間外取引などの動向に日経平均は影響を受けやすいだろう。
なお、米国では19日に世界最大のスーパーマーケットチェーンのウォルマート、21日に半導体大手のエヌビディア、コンピュータ大手のヒューレット・パッカード、22日に中国電子商取引(EC)大手のアリババ・グループの決算発表が予定されている。なかでも5月に入り株価上昇が再び顕著となっているエヌビディアの決算は、内容次第でハイテク・半導体関連株物色にインパクトを与えることになるだろう。
一方で国内に目を向けると、政府が14日、新型コロナ感染症に対する緊急事態宣言を5月末の期限を待たずに39県で解除すると発表したほか、第2次補正予算の編成方針を示したことで、経済活動正常化への期待感が東京市場の相場を下支えしそうだ。新規感染者数の減少が進み、21日を見直し日としている緊急事態宣言が、現在も継続する8都道府県で緩和されれば、市場のムードも好転してきそうだ。
ただし、現状では積極的に上値を買い上がる材料に欠けることも事実として横たわる。新型コロナ問題の長期化という見方が台頭しており、景気の回復が想定より遅くなる懸念が強まれば、相場全般に米国市場の動向を見ながら調整色を強める可能性も残る。需給的にも5月13日から15日にかけて日銀のETF買いが実施されたが、その1日当たりの金額は1005億円と、4月1日から5月1日にかけての1205億円から縮小していることがマイナス材料視されている。
■為替市場見通し
今週のドル・円は底堅い値動きか。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で米中関係や世界経済の先行きへの懸念は消えていない。主要国の株式が再び下落した場合、投資家のリスク許容度は一段と低下し、安全通貨としてのドルの需要はやや強まる可能性がある。新型コロナウイルスの発生源をめぐり米トランプ政権が中国に対する批判を強めており、米中の対立は一層深まる可能性があることから、一部でリスク回避的な円買いが増えるケースも想定されるが、トランプ大統領はドル高について肯定的な見解を示しており、目先的にリスク回避的なドル売り・円買いが拡大する可能性は低いとみられる。
米国の多くの州で都市封鎖(ロックダウン)が段階的に解除される方向で、経済の正常化に向けて期待感が高まる。しかしながら、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の悲観的な発言内容に市場心理は圧迫され、世界経済の早期持ち直しへの観測は後退している。今週発表される経済指標が市場予想を下回った場合、パウエル議長の予想を裏付ける可能性もあろう。その場合、米長期金利は低下しても安全通貨としてのドル買いは縮小せず、主要通貨に対して底堅く推移すると予想される。パウエル議長は今週9日と21日に発言機会があり、景気回復の足取りについての見解に再度注目が集まりそうだ。
FRBのマイナス金利導入に関する可能性も、引き続き焦点となる。パウエル議長は否定的な見解を示しているが、市場関係者の間では年内にも導入される可能性があるとの思惑が浮上している。パウエル議長が米国金利見通しについて弱気な見方を提示した場合、ドルの上昇を抑える圧力になりうる。
■来週の注目スケジュール
5月18日(月):日・GDP速報値(1-3月) 、日・GDP民間消費支出(1-3月)など
5月19日(火):日・鉱工業生産(3月)、米・住宅着工件数(4月)など
5月20日(水):日・コア機械受注(3月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨など
5月21日(木):日・製造業PMI/サービス業PMI(5月) 、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(5月) 、米・製造業PMI/サービス業PMI(5月)など
5月22日(金):日・全国百貨店売上高(4月) 、欧・ユーロ圏製造業PMI/サービス業PMI(5月)、中・全国人民代表大会(全人代)が開幕など
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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200516-00934016-fisf-market
米国株式市場見通し:米中対立激化や経済指標が上値抑制か(5/16)
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200516-00934017-fisf-market
新興市場見通し:決算ピーク通過で一段の中小型株シフトも、循環物色継続へ(5/16)
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200516-00933001-fisf-bus_all
国内外の注目経済指標:欧米製造業PMIはやや改善する見込み(5/16)
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予想レンジ:上限20100-下限19000円
今週の日経平均は20000円を下限ラインに据えながらも神経質な展開となりそうだ。新型コロナの感染第2波と米中摩擦への警戒感を抱えつつも、経済活動再開と政府の追加経済対策が米株相場を下支えしている。しかし、22日からの全国人民代表大会(全人代)開幕を控えた中国に対して過激な発言が聞かれ始めたトランプ米大統領の動向が警戒要因となるほか、引き続きNYダウや米株先物の時間外取引などの動向に日経平均は影響を受けやすいだろう。
なお、米国では19日に世界最大のスーパーマーケットチェーンのウォルマート、21日に半導体大手のエヌビディア、コンピュータ大手のヒューレット・パッカード、22日に中国電子商取引(EC)大手のアリババ・グループの決算発表が予定されている。なかでも5月に入り株価上昇が再び顕著となっているエヌビディアの決算は、内容次第でハイテク・半導体関連株物色にインパクトを与えることになるだろう。
一方で国内に目を向けると、政府が14日、新型コロナ感染症に対する緊急事態宣言を5月末の期限を待たずに39県で解除すると発表したほか、第2次補正予算の編成方針を示したことで、経済活動正常化への期待感が東京市場の相場を下支えしそうだ。新規感染者数の減少が進み、21日を見直し日としている緊急事態宣言が、現在も継続する8都道府県で緩和されれば、市場のムードも好転してきそうだ。
ただし、現状では積極的に上値を買い上がる材料に欠けることも事実として横たわる。新型コロナ問題の長期化という見方が台頭しており、景気の回復が想定より遅くなる懸念が強まれば、相場全般に米国市場の動向を見ながら調整色を強める可能性も残る。需給的にも5月13日から15日にかけて日銀のETF買いが実施されたが、その1日当たりの金額は1005億円と、4月1日から5月1日にかけての1205億円から縮小していることがマイナス材料視されている。
■為替市場見通し
今週のドル・円は底堅い値動きか。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で米中関係や世界経済の先行きへの懸念は消えていない。主要国の株式が再び下落した場合、投資家のリスク許容度は一段と低下し、安全通貨としてのドルの需要はやや強まる可能性がある。新型コロナウイルスの発生源をめぐり米トランプ政権が中国に対する批判を強めており、米中の対立は一層深まる可能性があることから、一部でリスク回避的な円買いが増えるケースも想定されるが、トランプ大統領はドル高について肯定的な見解を示しており、目先的にリスク回避的なドル売り・円買いが拡大する可能性は低いとみられる。
米国の多くの州で都市封鎖(ロックダウン)が段階的に解除される方向で、経済の正常化に向けて期待感が高まる。しかしながら、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の悲観的な発言内容に市場心理は圧迫され、世界経済の早期持ち直しへの観測は後退している。今週発表される経済指標が市場予想を下回った場合、パウエル議長の予想を裏付ける可能性もあろう。その場合、米長期金利は低下しても安全通貨としてのドル買いは縮小せず、主要通貨に対して底堅く推移すると予想される。パウエル議長は今週9日と21日に発言機会があり、景気回復の足取りについての見解に再度注目が集まりそうだ。
FRBのマイナス金利導入に関する可能性も、引き続き焦点となる。パウエル議長は否定的な見解を示しているが、市場関係者の間では年内にも導入される可能性があるとの思惑が浮上している。パウエル議長が米国金利見通しについて弱気な見方を提示した場合、ドルの上昇を抑える圧力になりうる。
■来週の注目スケジュール
5月18日(月):日・GDP速報値(1-3月) 、日・GDP民間消費支出(1-3月)など
5月19日(火):日・鉱工業生産(3月)、米・住宅着工件数(4月)など
5月20日(水):日・コア機械受注(3月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨など
5月21日(木):日・製造業PMI/サービス業PMI(5月) 、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(5月) 、米・製造業PMI/サービス業PMI(5月)など
5月22日(金):日・全国百貨店売上高(4月) 、欧・ユーロ圏製造業PMI/サービス業PMI(5月)、中・全国人民代表大会(全人代)が開幕など
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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200516-00934016-fisf-market
米国株式市場見通し:米中対立激化や経済指標が上値抑制か(5/16)
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200516-00934017-fisf-market
新興市場見通し:決算ピーク通過で一段の中小型株シフトも、循環物色継続へ(5/16)
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200516-00933001-fisf-bus_all
国内外の注目経済指標:欧米製造業PMIはやや改善する見込み(5/16)
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