後場に注目すべき3つのポイント〜パウエル議長講演を見極めたいところ
[20/08/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
26日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は4日ぶり小幅反落、パウエル議長講演を見極めたいところ
・ドル・円は伸び悩み、アジア株安で円売り後退
・値下がり寄与トップは中外製薬<4519>、同2位がリクルートHD<6098>
■日経平均は4日ぶり小幅反落、パウエル議長講演を見極めたいところ
日経平均は4日ぶり小幅反落。39.60円安の23257.17円(出来高概算4億2000万株)で前場の取引を終えている。
25日の米株式市場でNYダウは4日ぶりに反落し、60ドル安となった。7月新築住宅販売件数や8月リッチモンド連銀製造業指数が市場予想を上回ったものの、8月消費者信頼感指数は予想外に6年ぶりの低水準に悪化し、懸念した売りが出た。しかし、ハイテク株の上昇に支えられ、引けにかけて下げ幅を縮小。ナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新した。日経平均は前日に300円超上昇したこともあり、本日はNYダウの下落を受けてやや利益確定売り優勢で39円安からスタート。ただ、米国株が高安まちまちだったことや、為替相場が一時1ドル=106円台半ばまで円安方向に振れていることから、朝方にはプラスに転じる場面も見られ、その後小安く推移した。
個別では、トヨタ自<7203>、レーザーテック<6920>、三菱UFJ<8306>、キーエンス<6861>などが小安い。公募増資等の実施を正式発表したアサヒ<2502>は2%超下落。イオン<8267>やリクルートHD<6098>もやや軟調ぶりが目立つ。また、IBJ<6071>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、売買代金トップの任天堂<7974>が3%の上昇となり、2位のソフトバンクG<9984>は2%超の上昇。ソニー<6758>やエムスリー<2413>も堅調で、米ハイテク株高の流れからグロース(成長)株に再び投資資金が向かっている。中小型株ではクラウド関連のテラスカイ<3915>やオンライン会議システムのブイキューブ<3681>といったテーマ性の強い銘柄が賑わい、日シス技術<4323>が東証1部上昇率トップとなっている。
セクターでは、空運業、非鉄金属、不動産業などが下落率上位。半面、その他製品、鉱業、情報・通信業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の64%、対して値上がり銘柄は30%となっている。
本日の日経平均はやや売り優勢で、小安い場面が多くなっている。前日は一時400円を超える上昇となり、コロナショック前の2月21日終値(23386.74円)を上回る場面もあっただけに、NYダウの反落を受けて利益確定の売りが出やすいところだろう。また、今週度々触れているとおり、27〜28日に開催される米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が注目されており、持ち高を一方向に傾ける動きは限られる。前日も先物手口を見ると、値幅が大きかった割には東証株価指数(TOPIX)先物で目立った売り買いの傾きは見られなかった。なお、日経平均先物ではクレディ・スイス証券が買い越し筆頭となっており、短期筋の買いが相場を押し上げたとみられる。また、本日ここまでの東証1部売買代金は8000億円あまりにとどまっている。
売買代金上位や業種別騰落率を見ると、前日に新型コロナウイルスの治療法・ワクチン開発への期待から急騰した空運株を中心に利益確定売り優勢。結局、日米市場とも「ウィズコロナ」を意識したゲームやIT・インターネットサービス株の物色に回帰している。各国政府とも政治的成果を求めがちで、治療法・ワクチン開発に前のめりとなっているが、市場参加者としてはその有効性を慎重に見極めたいと考えているのかもしれない。
新興市場ではマザーズ指数が反発。直近上場のティアンドエス<4055>は続伸し、上場2日目のインタファクトリ<4057>はなお買い注文が大幅に超過し、初値を付けていない。ただ、マザーズ市場全体として良好な需給状況を背景に先週から大きく値上がりしてきたため、高値警戒感などからやや上値が重くなってきた印象もある。短期の回転売買が中心とみられるため、そのあたりを割り切って取引参加する必要があるだろう。
アジア株式市場でも中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が小動き。ドル・円相場は1ドル=106.40-50円近辺で一進一退となっている。前引けでTOPIXは0.35%の下落となっているが、前日の大幅高を考えると日銀による上場投資信託(ETF)買い実施は期待しづらいか。後場の日経平均は引き続き小安い水準でのもみ合いになるとみておきたい。
さて、前述したジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演は日本時間27日夜に予定されている。講演内容は「金融政策の枠組み見直し」。これまで投資マネーは緩和長期化を先取りし、米ハイテク株などに流入してきた。しかし、パウエルFRB議長が示す今後の金融政策の方向性が市場の期待に沿うものか、慎重に見極める必要があるだろう。これまでの流れを考慮すれば、講演後に材料出尽くし的な動きが広がる可能性があることも念頭に置いておきたい。
■ドル・円は伸び悩み、アジア株安で円売り後退
26日午前の東京市場でドル・円は伸び悩み。106円前半から半ばに上昇したが、その後はやや失速している。日経平均株価は23000円台を維持するものの、マイナス圏で推移し、前日の円売りは後退。また、上海総合指数も弱含み、リスク選好ムードは縮小した。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円34銭から106円56銭、ユーロ・円は125円85銭から126円14銭、ユーロ・ドルは1.1831ドルから1.1839ドル。
■後場のチェック銘柄
・INCLUSIVE<7078>、ワシントンホテル<4691>など、14銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップは中外製薬<4519>、同2位がリクルートHD<6098>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・NZ・7月貿易収支:+2.82億NZドル(予想:+2.93億NZドル、6月:+4.75億NZドル←+4.26億NZドル)
<国内>
特になし
<海外>
特になし
<HH>
・日経平均は4日ぶり小幅反落、パウエル議長講演を見極めたいところ
・ドル・円は伸び悩み、アジア株安で円売り後退
・値下がり寄与トップは中外製薬<4519>、同2位がリクルートHD<6098>
■日経平均は4日ぶり小幅反落、パウエル議長講演を見極めたいところ
日経平均は4日ぶり小幅反落。39.60円安の23257.17円(出来高概算4億2000万株)で前場の取引を終えている。
25日の米株式市場でNYダウは4日ぶりに反落し、60ドル安となった。7月新築住宅販売件数や8月リッチモンド連銀製造業指数が市場予想を上回ったものの、8月消費者信頼感指数は予想外に6年ぶりの低水準に悪化し、懸念した売りが出た。しかし、ハイテク株の上昇に支えられ、引けにかけて下げ幅を縮小。ナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新した。日経平均は前日に300円超上昇したこともあり、本日はNYダウの下落を受けてやや利益確定売り優勢で39円安からスタート。ただ、米国株が高安まちまちだったことや、為替相場が一時1ドル=106円台半ばまで円安方向に振れていることから、朝方にはプラスに転じる場面も見られ、その後小安く推移した。
個別では、トヨタ自<7203>、レーザーテック<6920>、三菱UFJ<8306>、キーエンス<6861>などが小安い。公募増資等の実施を正式発表したアサヒ<2502>は2%超下落。イオン<8267>やリクルートHD<6098>もやや軟調ぶりが目立つ。また、IBJ<6071>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、売買代金トップの任天堂<7974>が3%の上昇となり、2位のソフトバンクG<9984>は2%超の上昇。ソニー<6758>やエムスリー<2413>も堅調で、米ハイテク株高の流れからグロース(成長)株に再び投資資金が向かっている。中小型株ではクラウド関連のテラスカイ<3915>やオンライン会議システムのブイキューブ<3681>といったテーマ性の強い銘柄が賑わい、日シス技術<4323>が東証1部上昇率トップとなっている。
セクターでは、空運業、非鉄金属、不動産業などが下落率上位。半面、その他製品、鉱業、情報・通信業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の64%、対して値上がり銘柄は30%となっている。
本日の日経平均はやや売り優勢で、小安い場面が多くなっている。前日は一時400円を超える上昇となり、コロナショック前の2月21日終値(23386.74円)を上回る場面もあっただけに、NYダウの反落を受けて利益確定の売りが出やすいところだろう。また、今週度々触れているとおり、27〜28日に開催される米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が注目されており、持ち高を一方向に傾ける動きは限られる。前日も先物手口を見ると、値幅が大きかった割には東証株価指数(TOPIX)先物で目立った売り買いの傾きは見られなかった。なお、日経平均先物ではクレディ・スイス証券が買い越し筆頭となっており、短期筋の買いが相場を押し上げたとみられる。また、本日ここまでの東証1部売買代金は8000億円あまりにとどまっている。
売買代金上位や業種別騰落率を見ると、前日に新型コロナウイルスの治療法・ワクチン開発への期待から急騰した空運株を中心に利益確定売り優勢。結局、日米市場とも「ウィズコロナ」を意識したゲームやIT・インターネットサービス株の物色に回帰している。各国政府とも政治的成果を求めがちで、治療法・ワクチン開発に前のめりとなっているが、市場参加者としてはその有効性を慎重に見極めたいと考えているのかもしれない。
新興市場ではマザーズ指数が反発。直近上場のティアンドエス<4055>は続伸し、上場2日目のインタファクトリ<4057>はなお買い注文が大幅に超過し、初値を付けていない。ただ、マザーズ市場全体として良好な需給状況を背景に先週から大きく値上がりしてきたため、高値警戒感などからやや上値が重くなってきた印象もある。短期の回転売買が中心とみられるため、そのあたりを割り切って取引参加する必要があるだろう。
アジア株式市場でも中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が小動き。ドル・円相場は1ドル=106.40-50円近辺で一進一退となっている。前引けでTOPIXは0.35%の下落となっているが、前日の大幅高を考えると日銀による上場投資信託(ETF)買い実施は期待しづらいか。後場の日経平均は引き続き小安い水準でのもみ合いになるとみておきたい。
さて、前述したジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演は日本時間27日夜に予定されている。講演内容は「金融政策の枠組み見直し」。これまで投資マネーは緩和長期化を先取りし、米ハイテク株などに流入してきた。しかし、パウエルFRB議長が示す今後の金融政策の方向性が市場の期待に沿うものか、慎重に見極める必要があるだろう。これまでの流れを考慮すれば、講演後に材料出尽くし的な動きが広がる可能性があることも念頭に置いておきたい。
■ドル・円は伸び悩み、アジア株安で円売り後退
26日午前の東京市場でドル・円は伸び悩み。106円前半から半ばに上昇したが、その後はやや失速している。日経平均株価は23000円台を維持するものの、マイナス圏で推移し、前日の円売りは後退。また、上海総合指数も弱含み、リスク選好ムードは縮小した。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円34銭から106円56銭、ユーロ・円は125円85銭から126円14銭、ユーロ・ドルは1.1831ドルから1.1839ドル。
■後場のチェック銘柄
・INCLUSIVE<7078>、ワシントンホテル<4691>など、14銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップは中外製薬<4519>、同2位がリクルートHD<6098>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・NZ・7月貿易収支:+2.82億NZドル(予想:+2.93億NZドル、6月:+4.75億NZドル←+4.26億NZドル)
<国内>
特になし
<海外>
特になし
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