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米国株式市場見通し:第3四半期GDPや主要ハイテク決算に注目

注目トピックス 市況・概況
今週に続き追加経済対策、大統領選挙を巡る不透明感が強く上下に振れる相場に備えたい。トランプ政権と民主党ペロシ下院議長の交渉の行方が焦点となる。また、大統領選挙を11日3日に控えヘッドラインリスクに注意したい。さらに、7-9月期国内総生産(GDP)速報値は歴史上最大の落ちこみとなった4-6月期の31.4%減から大きく回復、前期比年率32%増と過去最大の伸びが期待されており、予想通りとなると市場を押し上げる材料となりそうだ。

与野党の溝は埋まりつつあるものの、問題の中心である州・地方政府支援や企業に対する損害賠償保険などで依然として隔たりが大きく、大統領選前の合意はかなり困難となりそうだ。逆に、万が一、合意成立にこぎつけられれば市場を押し上げることになる。

主要ハイテク関連では決算のほか、フェイスブック、グーグル、ツィッターの最高経営責任者(CEO)が28日に議会上院の委員会公聴会で各会員制交流サイト(SNS)上の投稿を巡る管理責任に関する証言が予定されており、注目したい。司法省と11州は20日、検索会社アルファベット傘下のグーグルをインターネット検索と検索広告市場を支配し、競争を阻害しているとして、独占禁止法(反トラスト法)違反で首都ワシントンの連邦地裁に提訴した。将来的に企業分割、罰金支払いなどが要請されるリスクはあるもののプロセスにはかなりの時間を要する可能性が高く、短期的な株価に影響はないとの見方が大半だ。

携帯端末のアップルを始め主要ハイテク決算にも注目したい。特にアップルの決算では、先日発表された5G対応の新アイフォーン12の売り上げは含まれないものの、足元の売れ行きや予約状況に関する経営陣の発言に注目が集まるだろう。さらに、チャリティイベント、ロビンフッド年次投資家会合が27日から2日間にわたり開催され、著名投資家のほかトランプ政権のクドロー国家経済会議(NEC)委員長が登壇予定で注目材料となる。クドロー委員長の経済見通しや追加経済対策を巡る言及が焦点になる。

経済指標では、9月新築住宅販売件数、9月シカゴ連銀税米活動指数、10月ダラス連銀製造業活動指数(26日)、9月耐久財受注速報、8月FHFA住宅価格指数、8月S&P住宅価格指数、10月コンファレンスボード消費者信頼感指数(27日)、9月卸売在庫(28日)、新規失業保険申請件数、7−9月期国内総生産(GDP)速報値、9月中古住宅販売仮契約(29日)、9月個人所得・支出、PCEデフレーター、10月ミシガン大消費者信頼感指数(30日)が発表予定となっている。

企業決算ではソーシャルネットワークのフェイスブック、携帯端末のアップル、検索のアルファベット、短文投稿サイトのツィッター、音楽配信のスポティファイ(29日)など主要ハイテク株が発表を予定している。そのほか、メディアのコムキャスト(29日)、製薬会社ではファイザー、メルク、イーライリリー(27日)、バイオのアムジェン、ギリアド(28日)、エネルギーではエクソンモービル、シェブロン(30日)、クレジットカードではマスターカード、ビザ(28日)航空機メーカーのボーイング(28日)、複合企業のゼネラル・エレクトリック(28日)、重機メーカーのキャタピラー(27日)、テクノロジーのハネウェル(30日)、貨物運送のUPS(28日)、自動車のフォード(28日)などが予定されている。

世界のマクロ経済動向を見極める上で注目されるキャタピラーやUPSの決算ではアジア諸国の需要回復が貢献することが期待される。製薬会社やバイオでは新型コロナウイルスのワクチンや治療薬絡みで収益増が予想される。クレジットカードの決算ではいくつかの財政支援策が失効したため消費ペースが鈍化した可能性が懸念されるほか、エネルギー関連も業績の低迷が警戒される。

(Horiko Capital Management LLC)




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