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米国株式市場見通し:21年経済、V字型回復期待が高まる

注目トピックス 市況・概況
来週26日は感謝祭の祭日で休場、27日も短縮取引となるため、閑散取引となるだろう。新型コロナウイルスが再拡大する中、年末商戦の行方にも注目したい。ワクチン開発の進展状況などから2021年の経済はV字型回復を遂げる可能性が高まっており、足元の感染者数急増を嫌気して下落する局面があれば、良い買い場となりそうだ。バンク・オブ・アメリカが顧客に実施した調査では2020年を通じて投資家は最も強気に転じている。

株式投資家の恐怖心理の度合いを示す指数であるVIX指数がさらに低下し20を割り込むと、強気相場との認識が広がるだろう。強気相場の要因として、1)ワクチン実用化に伴い、春に向け経済活動の再開が本格化、2)選挙終了で、速やかに追加経済対策が成立、3)中国やアジアはすでに回復の勢いを増している、などが挙げられる。

但し、新型コロナウイルスの再拡大で、NY市の公立学校が再び閉鎖しビデオ学習に切り替えられるなど全米各地で再び規制強化が見られ、一時的に経済の回復が失速する可能性は否めない。ダラス連銀のカプラン総裁は、2021年の経済が非常に強いと予想しているが、新型コロナウイルスの再拡大で、今後、2四半期は困難な状況に陥る可能性を指摘している。そんな中、民主党のシューマー上院院内総務は共和党のマコーネル上院院内総務が追加経済対策の交渉を再開することで合意したことを明らかにしており、交渉の行方にも注目したい。追加支援が決定し、連邦準備制度理事会(FRB)も12月連邦公開市場委員会(FOMC)で何らかの追加金融支援を講じれば2番底入りを回避でき、株式相場も当面持ちこたえられそうだ。

経済指標では、10月シカゴ連銀製造業活動、11月製造業PMI(23日)、9月FHFA住宅価格指数、9月S&P米住宅価格指数、11月消費者信頼感指数、11月リッチモンド連銀製造業指数(24日)、10月卸売在庫、7−9月期国内総生産(GDP)改定値、新規失業保険申請件数、10月耐久財受注、10月PCEコアデフレーター、11月ミシガン大消費者信頼感指数、新築住宅販売件数(25日)が予定されている。さらに、25日には11月4日、5日に開催したFOMC議事録が公開される。FRBはこの会合で市場の予想通り大規模緩和の据え置きを決定し、ウィルス第3波の可能性から一段と慎重姿勢を強めた。12月のFOMCではフォワードガイダンスの強化などの追加措置を導入する可能性も強まった。

企業決算ではクラウドのVMウェア、食品メーカーのJMスマッカーやホーメルフーズ、家電小売りのベストバイ、コンピューターメーカーのデル、ディスカウント小売りダラー・ツリー、スポーツ用品販売のディックススポーティンググッズ、百貨店のノードストーム、衣料小売りのギャップやアバクロンビ・アンド・フィッチ(24日)、アーバンアウトフィッター(23日)、農業機械メーカーのディア(25日)などが予定されている。ダラー・ツリーやベストバイは引き続き好調な結果が期待できるが、ギャップやアバクロンビ・アンド・フィッチ、アーバンアウトフィッターなどのアパレル関連はパンデミックの再燃で小売り店が一部休業するなど再び影響が広がっており、オンラインの売り上げがどの程度、相殺できたかに注目したい。

(Horiko Capital Management LLC)




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