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米国株式市場見通し:年末商戦に焦点

注目トピックス 市況・概況
11月相場はワクチンの実用化期待が広がったほか、大統領選挙終了で本格的な政権移行が開始されたこと、原油高が後押しし、1987年来で最大の伸びを記録する軌道にある。現在のところ製薬会社3社による新型ワクチン開発が実用化に向け順調に前進している。カタリストになると見られていたワクチン接種が12月から米国で開始する可能性も強まり投資家の強気度は高まった。来週は感謝祭から本格化する年末商戦に注目したい。新型コロナウイルスの再拡大や追加経済対策の欠如により、最近の消費関連指標は冴えない。今後の景気回復の逆風になるとの懸念も浮上する中、年末商戦が好調となれば、新たな買いにつながるだろう。

全米小売業協会(NRF)は、2020年の年末商戦の小売売上高(自動車・ガソリンスタンド・外食除く)が3.6-5.2%増の7553億ドルから7667億ドルに達するとの見通しを示し、前年度の4%増を上回る可能性も指摘。アドビ アナリティクスデータによると、感謝祭当日の小売り各社のネット売り上げが前年比21.5%増の51億ドルと過去最高に達した。新型コロナウイルスパンデミックで消費者は旅行や観劇、スポーツ観戦といった娯楽への出費を抑える一方で、今年初めの財政支援なども手伝い、最近のウイルス第2波で若干低下したものの貯蓄率が高水準にあるため購買意欲がかなり高いとみられる。外出が困難な状況下で、特にサイバーマンデーに期待したい。NRFの年末商戦におけるインターネット通販・無店舗の小売売上高予想は20-30%増の2025億-2184億ドル。昨年の1687億ドルを上回るとの見通しだ。

経済指標では、11月シカゴPMI、10月中古住宅販売仮契約、11月ダラス連銀製造業活動指数(30日)、11月ISM製造業景況指数、10月建設支出(12月1日)、11月ADP雇用統計(2日)、新規失業保険申請件数、11月ISM非製造業景況指数(3日)、11月雇用統計、10月貿易収支、10月製造業受注(4日)などが予定されている。また、米FRBは地区連銀経済報告(ベージュブック)を2日に公表。FRBはこの結果を材料のひとつとして次回12月のFOMCで金融政策を決定する。新型コロナウイルスの展開の不透明性や、全米各地での規制強化で消費が鈍化し、回復の脅威になると懸念される中、資産購入拡大などの追加緩和予想も強まりつつある。しかし、政権交代前であることや前回11月FOMCの議事録によると、12月会合では資産購入プログラムのガイダンス強化にとどめる可能性が強そうだ。そのほか、パウエルFRB議長はムニューシン財務長官とともに1日上院銀行委で、2日には下院金融サービス委員会でコロナウイルス支援・救済・経済安全保障(CARES ACT)の証言を予定しており、追加経済対策に加えて追加金融緩和のヒントも探りたい。

企業決算ではビデオ会議サービスを提供するズームビデオ(30日)、企業向けソフトウェア会社のセールスフォース(12月1日)、クラウド会社のスノーフレーク(2日)、ディスカウント小売りのダラー・ジェネラル、スーパーマーケットチェーンのクローガー、化粧品小売りのアルタ・ビューティー、家具販売のRH(3日)、小売りのビッグロッツ(4日)などが予定されている。

在宅勤務の拡大で急成長しているズームビデオはパンデミックが収束しない中、引き続き好決算が期待される。また、バフェット氏など著名投資家がこぞって投資しているスノーフレークの決算にも注目。ダラー・ジェネラルは同業ダラー・ツリーが予想を上回る決算を発表したことに続き好決算が期待される。スラック・テクノロジーと同社買収交渉をしていると報じられたセールスフォースの決算も注目だ。

(Horiko Capital Management LLC)




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