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来週の相場で注目すべき3つのポイント:米長期金利の動向、米ISM景況指数、「OPECプラス」

注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し

予想レンジ:上限30000-下限28000円

来週の日経平均は一進一退の展開が予想され、引き続き米長期金利の動向を睨みながらの神経質な動きとなりそうだ。パウエル議長は、「足元で進むインフレは短期的なものにすぎない」、「インフレ目標の達成には3年超の期間を要する可能性がある」などと指摘しており、資産購入についても「政策目標に対して十分な進展がみられるまで現行のペースでの購入を続ける」としている。このため、インフレ急伸を受けてFRBが早期に資産購入規模の縮小(テーパリング)や利上げに動かざるを得ないのではないかという市場の懸念はやや先走りすぎているとも言える。


また、昨年前半はコロナショックで経済が大打撃を受けているため、今後発表される物価関連の指標が前年比で高く算出されることは市場では想定内のはずだ。加えて、FRBは昨年から「平均物価目標」を取り入れており、一時的に物価目標を超えるインフレ率が実現されても、早期に緩和縮小には動かないことを明確に表明している。FRBはいまのところ、足元の金利上昇については「経済再開や経済成長への市場の期待の表れだ」とし、特段の警戒感を示していないが、仮にこの先も今のようなハイペースで金利が上がるようなことがあれば、景気回復を図るFRBが黙ってはいないだろう。そのため、目先、長期金利の上昇は続くだろうが、最悪のシナリオでも2%よりは手前の水準で一服するのではないだろうか。


ただ、株式市場については、これまでの動きの巻き戻し(アンワインド)などのリスクシナリオも想定して、短期的には高い変動率(ボランティリティー)に警戒しておいた方がいいだろう。これまでは名目金利とともに期待インフレ率も上昇していたため実質金利の上昇は緩やかなものに留まっていたが、足元では期待インフレ率が高止まっており、名目金利の上昇ペースにはついていけていない。実質金利は依然マイナスであるが、急速にマイナス幅が縮まってきている。実質金利のマイナス幅の縮小傾向に対して、これまでの株式市場はあまり大きく調整してきていなかったことを考えれば、調整が長引く可能性もあろう。


この先、米長期金利は高くても2%未満、期待インフレ率は2%超の水準で高止まりするとすれば、実質金利は依然マイナスであることが想定され、株式の相対的な魅力はまだ高い。しかし、2月半ばにバンク・オブ・アメリカ(BofA)が公表したグローバルファンドマネジャー調査では、現金比率が過去8年間で最低となっていた。リスクテイクが偏っていたなか金利上昇で急落した今週末には、新興国通貨などが大きく売られる現象もみられた。こうしたアンワインドの動きがこの先も広がるようであれば、売りが売りを呼ぶ悪い連鎖となるリスクもあり注視したい。


■為替市場見通し


来週の下げ渋りか。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は2月23-24日に開かれた議会証言で、米国経済のすみやかな回復に慎重な見方を示すとともに、物価目標の達成には3年以上かかると述べた。ただし、財政支出の大幅な拡大によっても景気回復への期待は持続しており、長期金利の上昇は一服したものの、インフレ鈍化の可能性は低いとみられている。欧米、アジア諸国の株式が弱含みとなっても、リスク回避的なドル売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。


■来週の注目スケジュール

3月1日(月):日・製造業PMI(2月)、中・財新製造業PMI(2月)、米・ISM製造業景況指数(2月)など
3月2日(火):日・法人企業設備投資(10-12月)、米・自動車販売(2月)など
3月3日(水):日・サービス業PMI(2月)、中・財新サービス業PMI(2月)、米・ADP全米雇用報告(2月)、米・ISM非製造業景況指数(2月)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)など
3月4日(木):日・消費者態度指数(2月)、米・製造業受注(1月)、「OPECプラス」閣僚級会合など
3月5日(金):米・雇用統計(2月)、中・全国人民代表大会(全人代、国会に相当)開幕など



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