来週の相場で注目すべき3つのポイント:注目IPO2社、中国PMI、米雇用統計など
[21/03/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限30000-下限28500円
来週の日経平均は堅調か。市場の最大の関心事となっていた米国10年物国債利回り(以下、「米長期金利」)について、株式も良い意味で大分反応が鈍ってきた。今週の米長期金利は一貫して落ち着いていた。債券需給の悪化要因として警戒されていた補完的レバレッジ比率(SLR)の規制緩和については打ち切りがあったものの、米長期金利は1.7%台から1.6%台へと低下。
また、先日1.9兆ドル規模の経済対策が成立したばかりにも関わらず、矢継ぎ早に3兆ドル規模の大型公共投資に関する話が出てきた。しかし、それでも米長期金利はほぼ無反応。その後、金利急騰劇の発端になった米7年債の入札結果が前回に続き低調となったことで若干上昇する動きが見られたが、それでも1.6%台前半に収まった。週末は米株高のなか1.67%まで上昇してきたが、直近高値の1.75%からは低い水準だ。
さらに、良い意味でサプライズだったのがパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言だ。米国時間で25日、「政策目標に向けて大きな進展がみられた場合には資産購入額を徐々に縮小するだろう」と量的緩和の縮小を示唆するような発言があった。むろん、「経済が完全に回復した時に、時間をかけて非常に漸進的かつ高い透明性をもって」という慎重な前置きを付けてのことだが。
しかし、それでも先日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で2023年末までのゼロ金利政策の据え置きなど緩和策の維持が再表明され市場が安堵したばかりということを考えれば、かなり早いタイミングでのテーパリング(量的緩和縮小)の示唆だったと思える。そうした中でも、当日の米国市場で長期金利は微上昇にとどまり低位安定。株式については、ワクチン配給目標の倍増を好感して上昇した。市場は、FRBや金利に対する耐性がついてきているようにも見える。
こうした中、相場はいよいよ日本では新年度相場入りとなる。来期を見越した新規買いの動きなどが期待される。また、その前に、週前半の3月最終週の初日29日は配当・優待権利付き最終日で権利取りを狙った売買の活発化が予想される。加えて、29日大引けと30日寄り付きにかけてはインデックスファンドの配当金投資に伴う先物買いが発生する見込みで相場を下支えしよう。
そのほか、3月第3週(15-19日)の投資主体別売買動向によると、海外投資家は現物を4000億円程買い越してきており、再び日本株買いに勢いが見られる。一方、信託銀行は2000億超の売り越しを継続するなど機関投資家の期末のリバランス売りなどの様子がみえる。しかし、期末のリバランス売りは3月で終わることに加え、企業の政策保有株の売却なども例年3月末までには一巡してくることが多い。今まで主体だった売り方の存在が薄れる一方で、海外投資家の買い越しが続けば、相場の上昇に繋がる可能性があろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。欧州諸国は新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて経済的な制限措置が導入されており、ユーロ域内における早期景気回復への期待は低下している。3月24日発表のユーロ圏の製造業、サービス業PMIは市場予想を上回る堅調な数値だったが、先行きの景気減速への懸念が高まり、ユーロ買いは拡大しなかった。
一方、直近で発表された米経済指標は市場予想を上回るケースが増えており、昨年10-12月期の米国内総生産(GDP)確定値は上方修正された。コロナ禍の打撃から米国経済は回復しつつあるとみられる。米国経済の早期正常化への期待が高まり、米国株式は堅調地合いを取り戻している。また、米長期金利は上昇傾向を維持していることから、主要通貨に対するドル買いは継続する可能性がある。
■来週の注目スケジュール
3月29日(月):日銀金融政策決定会合における主な意見(3月18・19日分)、米・ウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事がオンライン形式の討論会参加など
3月30日(火):Appier Groupが東証マザーズに新規上場、スパイダープラスが東証マザーズに新規上場、欧・ユーロ圏景況感指数(3月)、米・消費者信頼感指数(3月)、米・ニューヨーク連銀総裁が討論会に参加など
3月31日(水):日・鉱工業生産指数(2月)、決算発表:ニトリHD、中・製造業PMI(3月)、米・ADP全米雇用報告(3月)、「OPECプラス」、共同閣僚監視委員会(JMMC)、米・決算発表:マイクロンなど
4月1日(木):日銀短観(大企業製造業DI)(1-3月)、日・製造業PMI(3月)、米・ISM製造業景況指数(3月)、米・自動車販売(3月)、「OPECプラス」閣僚級会合など
4月2日(金):米・雇用統計(3月)、米・英・印・豪・加・ス・独・NZ・仏・ブ・南ア・株式市場は祝日のため休場(聖金曜日)など
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予想レンジ:上限30000-下限28500円
来週の日経平均は堅調か。市場の最大の関心事となっていた米国10年物国債利回り(以下、「米長期金利」)について、株式も良い意味で大分反応が鈍ってきた。今週の米長期金利は一貫して落ち着いていた。債券需給の悪化要因として警戒されていた補完的レバレッジ比率(SLR)の規制緩和については打ち切りがあったものの、米長期金利は1.7%台から1.6%台へと低下。
また、先日1.9兆ドル規模の経済対策が成立したばかりにも関わらず、矢継ぎ早に3兆ドル規模の大型公共投資に関する話が出てきた。しかし、それでも米長期金利はほぼ無反応。その後、金利急騰劇の発端になった米7年債の入札結果が前回に続き低調となったことで若干上昇する動きが見られたが、それでも1.6%台前半に収まった。週末は米株高のなか1.67%まで上昇してきたが、直近高値の1.75%からは低い水準だ。
さらに、良い意味でサプライズだったのがパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言だ。米国時間で25日、「政策目標に向けて大きな進展がみられた場合には資産購入額を徐々に縮小するだろう」と量的緩和の縮小を示唆するような発言があった。むろん、「経済が完全に回復した時に、時間をかけて非常に漸進的かつ高い透明性をもって」という慎重な前置きを付けてのことだが。
しかし、それでも先日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で2023年末までのゼロ金利政策の据え置きなど緩和策の維持が再表明され市場が安堵したばかりということを考えれば、かなり早いタイミングでのテーパリング(量的緩和縮小)の示唆だったと思える。そうした中でも、当日の米国市場で長期金利は微上昇にとどまり低位安定。株式については、ワクチン配給目標の倍増を好感して上昇した。市場は、FRBや金利に対する耐性がついてきているようにも見える。
こうした中、相場はいよいよ日本では新年度相場入りとなる。来期を見越した新規買いの動きなどが期待される。また、その前に、週前半の3月最終週の初日29日は配当・優待権利付き最終日で権利取りを狙った売買の活発化が予想される。加えて、29日大引けと30日寄り付きにかけてはインデックスファンドの配当金投資に伴う先物買いが発生する見込みで相場を下支えしよう。
そのほか、3月第3週(15-19日)の投資主体別売買動向によると、海外投資家は現物を4000億円程買い越してきており、再び日本株買いに勢いが見られる。一方、信託銀行は2000億超の売り越しを継続するなど機関投資家の期末のリバランス売りなどの様子がみえる。しかし、期末のリバランス売りは3月で終わることに加え、企業の政策保有株の売却なども例年3月末までには一巡してくることが多い。今まで主体だった売り方の存在が薄れる一方で、海外投資家の買い越しが続けば、相場の上昇に繋がる可能性があろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。欧州諸国は新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて経済的な制限措置が導入されており、ユーロ域内における早期景気回復への期待は低下している。3月24日発表のユーロ圏の製造業、サービス業PMIは市場予想を上回る堅調な数値だったが、先行きの景気減速への懸念が高まり、ユーロ買いは拡大しなかった。
一方、直近で発表された米経済指標は市場予想を上回るケースが増えており、昨年10-12月期の米国内総生産(GDP)確定値は上方修正された。コロナ禍の打撃から米国経済は回復しつつあるとみられる。米国経済の早期正常化への期待が高まり、米国株式は堅調地合いを取り戻している。また、米長期金利は上昇傾向を維持していることから、主要通貨に対するドル買いは継続する可能性がある。
■来週の注目スケジュール
3月29日(月):日銀金融政策決定会合における主な意見(3月18・19日分)、米・ウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事がオンライン形式の討論会参加など
3月30日(火):Appier Groupが東証マザーズに新規上場、スパイダープラスが東証マザーズに新規上場、欧・ユーロ圏景況感指数(3月)、米・消費者信頼感指数(3月)、米・ニューヨーク連銀総裁が討論会に参加など
3月31日(水):日・鉱工業生産指数(2月)、決算発表:ニトリHD、中・製造業PMI(3月)、米・ADP全米雇用報告(3月)、「OPECプラス」、共同閣僚監視委員会(JMMC)、米・決算発表:マイクロンなど
4月1日(木):日銀短観(大企業製造業DI)(1-3月)、日・製造業PMI(3月)、米・ISM製造業景況指数(3月)、米・自動車販売(3月)、「OPECプラス」閣僚級会合など
4月2日(金):米・雇用統計(3月)、米・英・印・豪・加・ス・独・NZ・仏・ブ・南ア・株式市場は祝日のため休場(聖金曜日)など
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