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経済活動の正常化期待が後退し29000円割れ【クロージング】

注目トピックス 市況・概況
21日の日経平均は大幅続落。591.83円安の28508.55円(出来高概算12億6232万株)と終値ベースで3月25日以来約1カ月ぶりに29000円を割り込んだ。インドや中南米で新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻化し、国内でも大阪や東京などに緊急事態宣言が再発令される見通しなど、世界的に経済活動が抑制され、景気回復が遅れるとの警戒感から、ほぼ全面安となった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数は2000を超え、全体の9割超を占めた。セクター別では、空運業が0.06%の上昇となったほかは、32業種が下落し、鉄鋼が4.25%、パルプ紙が3.73%、非鉄金属が3.64%、鉱業が3.05%、精密機器が3.02%と下落するなど弱さが目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>が堅調だったほか、第一三共<4568>、ネクソン<3659>が小じっかり。半面、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ファナック<6954>、TDK<6762>、アドバンテス<6857>が軟調だった。

新型コロナの感染が再拡大するなか、日本は先進国のなかでワクチン接種が遅れており、週内にも緊急事態宣言が発令されるとみられるなか、ファンド勢のポジション圧縮につながったほか、円高が進んでいることも重荷となった。また、前日は大幅下落のなかで日銀による上場投資信託(ETF)買いが入らず、本日も買い主導していないとの思惑も慎重姿勢に向かわせた。このため、商品投資顧問業者(CTA)などの短期筋による売りも加わり、後場寄り付き直後には28419.84円まで下げ幅を拡大させた。

日経平均は下値のめどとして意識されてきた75日線を大きく下抜け、3月24日の安値(28379.06円)に接近するなど、下値不安感が増幅してきている。緊急事態宣言が再発動されれば、5月の大型連休に向けて経済活動が大きく制約され、内需関連企業を中心に2022年3月期業績の悪化は避けられず、先行き懸念は拭えていない。このため、コロナ感染者動向、ワクチン接種動向などをにらみながら、当面は不安定な値動きが続きそうだ。



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