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海外投資家の動きは鈍く月末のポジション調整売りも広がる【クロージング】

注目トピックス 市況・概況
31日の日経平均は反落。289.33円安の28860.08円(出来高概算10億2073万株)で取引を終えた。前週末の急伸で29000円を回復し、目先の目標達成感から主力株を中心に幅広い銘柄に利益確定の売りが優勢となった。また、今夜の米国市場がメモリアルデー、英国市場もスプリング・バンクホリデーで休場となるため、海外投資家の動きも鈍く、株価の下落が持ち高調整の売りを誘うなど、総じて買い見送り姿勢の強い展開だった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄は1700を超え、全体の8割近くを占めた。セクター別では、海運のみが小幅に上昇する一方、不動産と銀行がともに2%超下落したほか、機械、鉄鋼、ガラス土石など32業種が下落。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、アステラス薬<4503>、安川電<6506>が堅調だった半面、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、リクルートHD<6098>が軟調だった。

前週末の米国市場では、主要3株価指数は揃って上昇したものの、バイデン政権の財政支出拡大方針という材料は先週末の東京市場である程度織り込んでおり、本日は前週末の上昇の反動から目先の利益を確保する動きが優勢となった。日経平均は昨年9月以降、月末最終営業日は下落するというアノマリーが続いているため、投資マインドを悪化させた。また、5月の中国の製造業購買担当者景況指数(PMI)が2カ月連続して低下したことも、持ち高調整を誘う要因に繋がった面もありそうだ。

コロナについてはワクチン供給が進んでいるほか、自衛隊による大規模接種も始まり、欧米各国と比較したワクチン接種の大幅な遅れも徐々に解消するとの見方は明るい材料ではあるが、市場の関心は米国のインフレ動向に移っている。今週は6月1日にブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事の講演や4日には5月の雇用統計の発表などが控える。FRB要人の発言内容や雇用関連動向に注目したいとの声も多く聞かれ、積極的な上値追いの動きは期待しづらいところであろう。



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