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米国株式市場見通し:当局の緩和姿勢変わらず、相場を引き続き後押し

注目トピックス 市況・概況
今後、数週間、機関投資家のリバランスなどが重しとなる可能性があるが、良い買い場となりそうだ。金融政策がかなり緩和的である状況にかわりはなく、今後も相場を支援することになりそうだ。利上げの開始が前倒しされることになっても、早くて2022年の終わり、または2023年になる。6月のFOMCはFRBが緩和縮小軌道の協議を開始したことを明らかにし、タカ派サプライズとなった。しかし、市場はもはや制御不能なインフレをあまり警戒していない。FRBがインフレや成長見通しを引き上げ、利上げ開始時期予想も前倒ししたものの、2023年までは現行の超緩和が続く。状況に応じた当局の政策を巡る柔軟姿勢もむしろ好感材料となる。また、資産購入規模を削減したとしても、引き続きかなりの資金が市場に供給されることになる。同時に、緩和縮小や利上げが開始されることは経済が強まった証拠だ。

パウエル議長は、22日に米下院特別小委員会で、パンデミック緊急融資や資産購入プログラムを巡る証言を予定しているが、緩和縮小を巡る発言にも注目したい。FRBはまた、来週、ストレステストの結果を公表する。深刻な金融危機にも耐えうる資本状況が確認されれば、大手銀は下半期から配当規制が解除されることになり、金融株にとりプラス材料となりそうだ。

一部新型コロナウイルス変異種の流行はリスクになるが、ワクチン接種が進んだため、北米や欧州では、国境を再び解放する計画で、世界経済の回復を支援しそうだ。また、民主党上院が検討しているインフラ法案にも注目したい。超党派案で進展があったと報じられている。景気回復をさらに後押しし、景気循環株を支える可能性もありそうだ。

経済指標では5月シカゴ連銀活動指数(21日)、5月中古住宅販売、6月リッチモンド連銀製造業指数(22日)、6月製造業・サービス業PMI、5月新築住宅販売件数(23日)、5月耐久財受注、1−3月期GDP確定値、失業保険申請件数(24日)、5月個人所得・支出(PCE)、5月PCEコアデフレーター、6月ミシガン大消費者マインド(25日)などが予定されている。特にFRBがインフレ指標として重要視しているPCEコアデフレーターは、前年比で+3.5%と、2カ月連続で3%超え、2001年来で最大の伸びが予想されている。FRBは依然、インフレの上昇が一時的との考えを変えていない。ただ、パウエル議長は高インフレが持続的になる可能性も除外しておらず、そうなった場合は、対応する方針を確認している。政策の柔軟性は市場で好感されそうだ。来年後半にも利上げが開始される可能性が強まったもののまだ不透明感は強い。金融政策は今後のパンデミックの収束や回復状況によるところが大きそうだ。

企業決算では、住宅建設会社のKBホームズ(23日)、スポーツ用品のナイキ、運送会社のフェデックス、レストランチェーンを運営するダーレンレストラン、ドラッグストアチェーンのライトエイド(24日)、自動車販売会社のカーマックス、給与・人事関連アウトソーシングソリューションを提供するペイチェック(25日)、などが予定されている。

住宅建設会社はコストの上昇が重しとなるものの、引き続き強い売り上げや価格の上昇が収益増につながりそうだ。また、ナイキやフェデックスは世界経済の回復が後押しし、引き続き好調な決算が期待できそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)




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