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ブラードショックで一時1カ月ぶりに28000円割れ【クロージング】

注目トピックス 市況・概況
21日の日経平均は大幅続落。953.15円安の28010.93円(出来高概算13億株)で取引を終えた。下げ幅は今年2番目の大きさだった。利上げの開始時期をめぐる米連邦準備制度理事会(FRB)高官発言を嫌気して大幅に下落した前週末の米国市場の流れを引き継ぎ、リスク回避の動きが強まった。世界の景気敏感株といわれる日本株は「リフレトレード」の巻き戻しの動きが強まり、ほぼ全面安の展開で一時27795.86円まで下押し、取引時間中としては5月20日以来約1カ月ぶりに心理的な節目の28000円を割り込む場面もあった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が2000を超え、全体の9割超を占めた。セクター別では、空運のみが上昇した一方で、ゴム製品、化学、保険、倉庫運輸、卸売が3%超の大幅安となるなど32業種が下落。指数インパクトの大きいところでは、エーザイ<4523>、ソニーG<6758>、日清紡HD<3105>、クボタ<6326>がしっかり。半面、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>が大幅安となり、これら4銘柄で日経平均を約316円押し下げた。

セントルイス連銀のブラード総裁が18日、1回目の利上げ時期を2022年終盤と予想していると発言したことで、早期の利上げ観測が浮上。リフレトレードの巻き戻しの動きが強まり、前週末の米主要株価指数は大幅に下落した。こうした流れを引き継いで、東京市場でも売り優勢の展開となったほか、225先物にも商品投資顧問(CTA)業者などとみられるヘッジ売りも加わり、先物安を映した裁定解消売りが地合いを悪化させ、ブラードショックの様相を呈していた。また、時間外取引での米株先物も大幅に下落しており、今夜の米国市場の大幅続落を見越した売りも出たようだ。

本日の市場は先週末のFRB高官発言をきっかけに売り一色の展開となったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドットチャートをみるかぎり、FRB内でもインフレ率などの見通しにはばらつきがあるとみられる。このため、ハト派的な発言が出てくれば金融市場はいったん落ち着く可能性もありそうだ。このため、目先は米地区連銀総裁による金融政策に関する発言には注意が必要で、不安定な値動きを余儀なくされそうだ。



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