来週の相場で注目すべき3つのポイント:4-6月決算シーズン開始、IPO4社、米FOMCなど
[21/07/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限28500-下限27700円
来週の日経平均は堅調か。日本でも4-6月期決算発表がいよいよ本格化する。外部環境の不透明感が強く、全体の方向性も不明瞭ななか、決算を受けた個別株物色が中心となりそうだ。
国内が祝日の間、米株市場では過度な景気減速懸念が後退し、主要株価3指数は4日続伸で再び揃って過去最高値を更新。5カ月ぶりに一時1.1%台まで低下していた米10年物国債利回りも落ち着きを取り戻している。週明けの東京市場も連休中の米株高を映して28000円を回復する動きが期待される。
来週は企業決算が主な材料となるが、27日からは米連邦公開市場委員会(FOMC)も開かれる。金融政策についてはこれまでの大規模緩和が維持される見通しのほか、物価などに対する見方も従来どおり「過度なインフレは一過性」との見方が維持される可能性が高い。相場への影響は限定的となりそうだが、前回のFOMC後に長期金利の低下基調が強まっただけに、今会合後の長期金利の動きにも注目したい。
そのほか、主要メディアによると菅政権の内閣支持率は30%台まで急落し、発足以来最低を記録したという。政権の求心力低下、政局不透明感の強さは海外勢の日本株を敬遠する理由となる。また、東京五輪も始まったが、五輪関係者の新型コロナ感染などが相次いで報道されている。大会が終わる頃までの感染動向の不透明感なども日本株の上昇を抑制しそうだ。こうした日本独自の株高抑制要因も多くあるだけに、日本株の上値は引き続き重いとみておいた方がよいだろう。そのため、先日の安川電機<6506>の決算のように、好決算でも買いが続かないといった動きが、この先の4-6月期決算発表シーズン中も見られるかもしれない点には留意したい。
個別については、週初は連休前に発表された日本電産<6594>の決算が消化される。21日に発表された第1四半期決算は、売上高・営業利益ともに前年同期比で大幅な増収増益となり、四半期ベースでは揃って過去最高を更新、市場予想も上回った。また、26年3月期売上高を4兆円とする新中期戦略目標も発表された。信用買い残が積み上がったままである点は気懸かりだが、2月半ば以降長らく株価はさえない動きが続いてきた分、見直し機運が高まるか注目される。市場への影響力も大きい銘柄だけに、失速せずに買いが続けば、主力製造業には決算前の先回り買いが向かう可能性があるほか、EV(電気自動車)関連銘柄にもポジティブな動きが波及しそうだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は、底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は、7月27−28日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で早期の金融引き締めに慎重な姿勢を維持すると予想されており、ドル買いが大きく広がるとの見方は少ないもよう。一方、米国経済正常化への期待は維持されており、新型コロナウイルス変異株の感染流行が引き続き警戒されているものの、リスク回避的なドル売りが即座に拡大する可能性は低いとみられる。
FRBは7月27-28日開催のFOMCで現行の金融緩和策を維持する公算だが、今回の会合では、資産買入れの段階的な縮小(テーパリング)を巡る議論が注目される。パウエルFRB議長は今月14-15日の議会証言でインフレ高進は一時的との見解を示しており、早期の利上げや緩和縮小には否定的とみられている。FOMCメンバーの一部は早期利上げに傾いているようだが、量的緩和策の縮小を急ぐ必要性は高まっていないと予想される。一方、FOMC声明で量的緩和策の早期縮小について慎重な姿勢が表明されても、主要通貨に対するドル売りが強まる可能性は低いとみられる。なお、29日発表の4-6月期国内総生産(GDP)は1-3月期の6%台を超える成長が見込まれており、市場予想と一致した場合、経済正常化への根強い期待感から株高・金利高・ドル高につながる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
7月26日(月):製造業/サービス業PMI(7月)、全国百貨店売上高(6月)、米・新築住宅販売件数(6月)、決算発表:テスラ、など
7月27日(火):サーキュレーションが東証マザーズに新規上場、決算発表:信越化、米・耐久財受注(6月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(5月)、米・消費者信頼感指数(7月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(28日まで)、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)最新版公表、決算発表:アップル、ビザ、アルファベット、マイクロソフト、AMD、など
7月28日(水):日銀金融政策決定会合における主な意見(7月分)、景気先行CI指数(5月)、ブレインズテクノロジーが東証マザーズに新規上場、決算発表:アドテスト、パウエルFRB議長が記者会見、決算発表:フェイスブック、クアルコム、など
7月29日(木):デリバリーコンサルティングが東証マザーズに新規上場、決算発表:ファナック、サイバーA、村田製、富士通、ルネサス、キーエンス、米・GDP速報値(4-6月)、米・中古住宅販売成約指数(6月)、決算発表:アマゾン、マスターカード、サムスン電子、など
7月30日(金):有効求人倍率(6月)、鉱工業生産指数(6月)、小売売上高(6月)、住宅着工件数(6月)、AIメカテックが東証2部に新規上場、決算発表:デンソー、コマツ、NEC、ローム、ANAHD、KDDI、日立製、米・個人所得/個人消費支出(6月)、米・PCEコアデフレーター(6月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(7月)、決算発表:キャタピラー、シェブロンなど
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予想レンジ:上限28500-下限27700円
来週の日経平均は堅調か。日本でも4-6月期決算発表がいよいよ本格化する。外部環境の不透明感が強く、全体の方向性も不明瞭ななか、決算を受けた個別株物色が中心となりそうだ。
国内が祝日の間、米株市場では過度な景気減速懸念が後退し、主要株価3指数は4日続伸で再び揃って過去最高値を更新。5カ月ぶりに一時1.1%台まで低下していた米10年物国債利回りも落ち着きを取り戻している。週明けの東京市場も連休中の米株高を映して28000円を回復する動きが期待される。
来週は企業決算が主な材料となるが、27日からは米連邦公開市場委員会(FOMC)も開かれる。金融政策についてはこれまでの大規模緩和が維持される見通しのほか、物価などに対する見方も従来どおり「過度なインフレは一過性」との見方が維持される可能性が高い。相場への影響は限定的となりそうだが、前回のFOMC後に長期金利の低下基調が強まっただけに、今会合後の長期金利の動きにも注目したい。
そのほか、主要メディアによると菅政権の内閣支持率は30%台まで急落し、発足以来最低を記録したという。政権の求心力低下、政局不透明感の強さは海外勢の日本株を敬遠する理由となる。また、東京五輪も始まったが、五輪関係者の新型コロナ感染などが相次いで報道されている。大会が終わる頃までの感染動向の不透明感なども日本株の上昇を抑制しそうだ。こうした日本独自の株高抑制要因も多くあるだけに、日本株の上値は引き続き重いとみておいた方がよいだろう。そのため、先日の安川電機<6506>の決算のように、好決算でも買いが続かないといった動きが、この先の4-6月期決算発表シーズン中も見られるかもしれない点には留意したい。
個別については、週初は連休前に発表された日本電産<6594>の決算が消化される。21日に発表された第1四半期決算は、売上高・営業利益ともに前年同期比で大幅な増収増益となり、四半期ベースでは揃って過去最高を更新、市場予想も上回った。また、26年3月期売上高を4兆円とする新中期戦略目標も発表された。信用買い残が積み上がったままである点は気懸かりだが、2月半ば以降長らく株価はさえない動きが続いてきた分、見直し機運が高まるか注目される。市場への影響力も大きい銘柄だけに、失速せずに買いが続けば、主力製造業には決算前の先回り買いが向かう可能性があるほか、EV(電気自動車)関連銘柄にもポジティブな動きが波及しそうだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は、底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は、7月27−28日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で早期の金融引き締めに慎重な姿勢を維持すると予想されており、ドル買いが大きく広がるとの見方は少ないもよう。一方、米国経済正常化への期待は維持されており、新型コロナウイルス変異株の感染流行が引き続き警戒されているものの、リスク回避的なドル売りが即座に拡大する可能性は低いとみられる。
FRBは7月27-28日開催のFOMCで現行の金融緩和策を維持する公算だが、今回の会合では、資産買入れの段階的な縮小(テーパリング)を巡る議論が注目される。パウエルFRB議長は今月14-15日の議会証言でインフレ高進は一時的との見解を示しており、早期の利上げや緩和縮小には否定的とみられている。FOMCメンバーの一部は早期利上げに傾いているようだが、量的緩和策の縮小を急ぐ必要性は高まっていないと予想される。一方、FOMC声明で量的緩和策の早期縮小について慎重な姿勢が表明されても、主要通貨に対するドル売りが強まる可能性は低いとみられる。なお、29日発表の4-6月期国内総生産(GDP)は1-3月期の6%台を超える成長が見込まれており、市場予想と一致した場合、経済正常化への根強い期待感から株高・金利高・ドル高につながる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
7月26日(月):製造業/サービス業PMI(7月)、全国百貨店売上高(6月)、米・新築住宅販売件数(6月)、決算発表:テスラ、など
7月27日(火):サーキュレーションが東証マザーズに新規上場、決算発表:信越化、米・耐久財受注(6月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(5月)、米・消費者信頼感指数(7月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(28日まで)、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)最新版公表、決算発表:アップル、ビザ、アルファベット、マイクロソフト、AMD、など
7月28日(水):日銀金融政策決定会合における主な意見(7月分)、景気先行CI指数(5月)、ブレインズテクノロジーが東証マザーズに新規上場、決算発表:アドテスト、パウエルFRB議長が記者会見、決算発表:フェイスブック、クアルコム、など
7月29日(木):デリバリーコンサルティングが東証マザーズに新規上場、決算発表:ファナック、サイバーA、村田製、富士通、ルネサス、キーエンス、米・GDP速報値(4-6月)、米・中古住宅販売成約指数(6月)、決算発表:アマゾン、マスターカード、サムスン電子、など
7月30日(金):有効求人倍率(6月)、鉱工業生産指数(6月)、小売売上高(6月)、住宅着工件数(6月)、AIメカテックが東証2部に新規上場、決算発表:デンソー、コマツ、NEC、ローム、ANAHD、KDDI、日立製、米・個人所得/個人消費支出(6月)、米・PCEコアデフレーター(6月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(7月)、決算発表:キャタピラー、シェブロンなど
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