米国株式市場見通し:金融緩和の長期化が相場下支え
[21/07/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
8月は季節的に相場が弱いことを念頭におきたい。新型コロナウイルスデルタ株流行の行方を警戒し、リスクを解消する流れが強まる可能性もありそうだ。同時に、7月FOMCで、FRBは金融緩和の解消を開始するまでには長い道のりになるとの見解を再確認したため、いかなる下げも調整にとどまり、引き続き株式相場を支えるだろう。積極的な買いは控えられる可能性が強いが、押し目は良好な買い場になりそうだ。また、超党派インフラ案も法制化に向けて前進していることも回復期待をさらに後押しすると思われ、景気循環株を支えることになりそうだ。長期金利動向も安定しており、ハイテク株も中期的な上昇継続が期待できそうだ。ただ、アルファベットやフェイスブックなど主要ハイテク企業は第2四半期決算で、パンデミック下の需要急増が奏功し、たたき出した前年比30%から60%大幅増益ペースを今後も維持することは不可能との見方も強まりつつある。ハイテク関連株価の上昇ペースは短期的に減速する可能性がありそうだ。企業決算ではコスト上昇も高い収益率が相殺し、軒並み強い結果が目立つ。
FRBのパウエル議長はFOMC後の会見で労働市場が改善したが、「最大雇用には程遠い」との慎重な見解を繰り返した。また、FRBは政府のパンデミック救済策の一環である失業者特別支援策が失効する9月以降に労働市場が力強く拡大する軌道にあると言及。金融当局は労働市場の力強い回復を見極めたいとみられ、緩和縮小計画の発表も、当初予想されていた8月末のジャクソンホールでのFRB年次会合における議長の演説時ではなく、年後半に先送りされる可能性が高そうだ。
経済指標では、7月製造業PMI確定値、6月建設支出、7月ISM製造業景況指数(8月2日)、6月製造業受注、6月耐久財受注確定値(3日)、7月サービス業PMI、7月ISM非製造業景況指数(4日)、6月貿易収支、週次新規失業保険申請件数(5日)、7月雇用統計、卸売売上高(6日)、などが予定されている。雇用統計では、失業率の低下や非農業部門雇用者数の増加など労働市場の改善を示すと予想されている。
企業決算では、不動産のサイモンプロパティ(2日)、ゲームソフト開発会社アクティビジョン・ブリザード、カジノリゾート経営のシーザーズ・エンターテインメント、エネルギーのコノコフィリップス、ホテルチェーンのマリオット(3日)、自動車メーカーのゼネラルモーターズ、動画配信のロク(4日)、ドラッグストアのCVS(4日)、家庭用品販売のウェイフェア、オンライン決済のスクエア(5日)、映画館を運営するAMCエンターテインメント(6日)、そのほか、オンライン旅行予約サイトのブッキング・ホールディングス(4日)やエクスペディア(5日)、製薬会社のイーライリリー(3日)、バイオのアムジェン(3日)やモデルナ(5日)、配車サービスのリフト(3日)やウーバー(4日)、などが予定されている。
経済活動の再開に伴う需要の回復でホテル関連の決算は好調。見通しが引き上げられる傾向にあるヒルトンと同様、マリオットの決算にも期待できそうだ。一方、パンデミック下で暗号通貨関連として需要が急増したスクエアは、経済活動の正常化に伴い需要拡大ペースの減速が予想され、見通しの引き下げなどに警戒したい。自動車メーカーは半導体不足などが生産を抑制する一方、コストの上昇に直面しているが、強い需要や値上げが収益に貢献している傾向が見られポジティブサプライズも期待できそうだ。製薬会社やバイオ決算は、パンデミック絡みの需要が根強く、好決算が期待できるだろう。
(Horiko Capital Management LLC)
<FA>
FRBのパウエル議長はFOMC後の会見で労働市場が改善したが、「最大雇用には程遠い」との慎重な見解を繰り返した。また、FRBは政府のパンデミック救済策の一環である失業者特別支援策が失効する9月以降に労働市場が力強く拡大する軌道にあると言及。金融当局は労働市場の力強い回復を見極めたいとみられ、緩和縮小計画の発表も、当初予想されていた8月末のジャクソンホールでのFRB年次会合における議長の演説時ではなく、年後半に先送りされる可能性が高そうだ。
経済指標では、7月製造業PMI確定値、6月建設支出、7月ISM製造業景況指数(8月2日)、6月製造業受注、6月耐久財受注確定値(3日)、7月サービス業PMI、7月ISM非製造業景況指数(4日)、6月貿易収支、週次新規失業保険申請件数(5日)、7月雇用統計、卸売売上高(6日)、などが予定されている。雇用統計では、失業率の低下や非農業部門雇用者数の増加など労働市場の改善を示すと予想されている。
企業決算では、不動産のサイモンプロパティ(2日)、ゲームソフト開発会社アクティビジョン・ブリザード、カジノリゾート経営のシーザーズ・エンターテインメント、エネルギーのコノコフィリップス、ホテルチェーンのマリオット(3日)、自動車メーカーのゼネラルモーターズ、動画配信のロク(4日)、ドラッグストアのCVS(4日)、家庭用品販売のウェイフェア、オンライン決済のスクエア(5日)、映画館を運営するAMCエンターテインメント(6日)、そのほか、オンライン旅行予約サイトのブッキング・ホールディングス(4日)やエクスペディア(5日)、製薬会社のイーライリリー(3日)、バイオのアムジェン(3日)やモデルナ(5日)、配車サービスのリフト(3日)やウーバー(4日)、などが予定されている。
経済活動の再開に伴う需要の回復でホテル関連の決算は好調。見通しが引き上げられる傾向にあるヒルトンと同様、マリオットの決算にも期待できそうだ。一方、パンデミック下で暗号通貨関連として需要が急増したスクエアは、経済活動の正常化に伴い需要拡大ペースの減速が予想され、見通しの引き下げなどに警戒したい。自動車メーカーは半導体不足などが生産を抑制する一方、コストの上昇に直面しているが、強い需要や値上げが収益に貢献している傾向が見られポジティブサプライズも期待できそうだ。製薬会社やバイオ決算は、パンデミック絡みの需要が根強く、好決算が期待できるだろう。
(Horiko Capital Management LLC)
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