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為替週間見通し:2022年の米利上げ確率低下でドル売り継続の可能性

注目トピックス 市況・概況
【今週の概況】
■ドル反落、新たな変異株出現で米利上げ確率低下

今週のドル・円は反落。2022年の利上げ観測が広がり、ドル・円は11月24日に2017年1月以来となる115円52銭までドル高・円安に振れる場面があった。しかしながら、新型コロナウイルスの新たな変異株が南アフリカで検出され、世界の景気回復を脅かすとの見方から、週末前にリスク回避の円買いが急拡大し、ドル・円は一時113円台前半まで下落した。米国債利回りは低下し、米政策金利の引き上げが遅れるとの見方が広がったこともドル売り・円買いを促した。

26日のニューヨーク外為市場でドル・円は、114円21銭から113円05銭まで下落した。南アフリカで新たに検出された新型コロナウイルスの変異株の感染拡大によって、経済活動の再開が遅れ世界経済の回復が損なわれるとの懸念が強まり、主要通貨に対するリスク回避の円買いが活発となった。2022年における米国の利上げ確率は低下したこともドル売り材料となった。ドル・円は113円16銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:113円05銭−115円52銭。

【来週の見通し】
■2022年の米利上げ確率低下でドル売り継続の可能性

来週のドル・円は伸び悩みか。南アフリカで新たに検出された新型コロナウイルスの変異株(オミクロン株)の感染拡大が警戒されており、26日の欧米株式は大幅安となった。世界保健機構(WHO)の報道官によると、オミクロン株の感染力やワクチンの有効性などに関する情報が得られるまで数週間かかるとみられている。ただ、世界経済の持続的な成長は実現困難との見方が広がっており、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測は後退していることから、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。欧州地域における新型コロナウイルスの感染再拡大も警戒されており、リスク回避的な円買いはしばらく続くとの見方が多いようだ。

なお、来週発表される11月CB消費者信頼感や11月ISM製造業景況指数、11月雇用統計など米国の経済指標が市場予想を上回った場合、2022年における米利上げ確率はやや上昇する可能性があるため、ドル買い材料となりそうだ。米長期金利が下げ止まった場合、リスク回避的な円買いはやや縮小し、ドル・円が下げ渋る可能性は残されている。

【米・11月ISM製造業景況指数】(12月1日)
12月1日発表の米11月ISM製造業景況指数は61.0と、前月の60.8を小幅に上回る見通し。米国経済がまずまず好調であることが確認された場合、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測につながりやすい。

【米・11月雇用統計】(12月3日)
12月3日発表の米11月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比+50.0万人、失業率は4.5%の見通し。失業率の改善傾向は維持されるものの、雇用者数は一進一退の状況が続く。市場予想と一致しても、米国の早期利上げ期待が高まる可能性は低いとみられる。

予想レンジ:112円00銭−114円50銭




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