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新興市場見通し:新興株の相対的優位性は週半ばまで継続か

注目トピックス 市況・概況
■堅調なGAFAM決算で投資家心理上向く

今週の新興市場は堅調推移。連日の大幅高を受けて週初は反動が先行したが、その後は週末まで上昇が続いた。米経済指標の相次ぐ下振れを背景に米長期金利が低下基調にあるなか、ハイテク・グロース株を買い戻す傾向が続いた。米国でGAFAMと称される大型テック企業のうち、アルファベット、マイクロソフト、アップル、アマゾン・ドット・コムの多くの企業が堅調な決算を発表したことも投資家心理の向上に繋がった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.40%であったのに対して、マザーズ指数が+0.81%、東証グロース市場指数は+0.81%だった。

個別では、週間でビジョナル<4194>が+7.3%、ANYCOLOR<5032>が+5.5%、そーせいグループ<4565>が+9.6%、メドレー<4480>が+10.9%、プラスアルファ・コンサルティング<4071>が+7.4%、TKP<3479>が+13.9%、ジーエヌアイグループ<2160>が+17.9%となるなど、時価総額上位銘柄の大半が上昇した。一方、弁護士ドットコム<6027>が-14.0%、サンバイオ<4592>は-18.5%と大幅安。弁護士ドットコムは第1四半期の2ケタ営業減益が、サンバイオは同社開発品「SB623」に関するネガティブなリリースがそれぞれ嫌気された。

■米雇用統計に注目、IPOは2社

来週の新興市場は堅調か。7月26〜27日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り0.75ptの利上げが決定された。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会見で今後の利上げ幅は「経済データ次第」とした。経済指標の下振れで景気後退懸念が強まるなか、利上げペース減速への期待から、米国では長期金利低下・グロース買いの流れが続いている。物価指標の伸びの加速が続いているなか、市場の米金融政策を巡る思惑には良いとこ取りの感が否めない。ただ、パウエル議長は会見で初めて消費や雇用の減速を認識したこともあり、FRBの姿勢にニュアンスの変化があることは確か。GAFAM決算を終え、週末の米7月雇用統計を前に足元のグロース株高も一巡してきそうだが、目先は景気敏感株に対するグロース株の優位が続きそうだ。今週末の米株式市場では、7月ミシガン大学5-10年期待インフレ率確報値が速報値から上方修正されたほか、FRBが重視する米6月個人消費支出(PCE)コアデフレータや4-6月期雇用コスト指数が軒並み予想を上回ったが、主要株価3指数は揃って続伸し、グロース株を中心とした強い動きが続いた。こうした動きからも、行き過ぎた悲観の修正が続く可能性が目先残されていると考えられ、雇用統計前の週半ばくらいまでは新興株の強含みが期待できそうと考える。

個別では、年初来高値圏にあるメドレー、クラウドワークス<3900>、ケアネット<2150>、BuySell Technologies<7685>、バリュエンス<9270>、ジーエヌアイグループ<2160>、エヌ・ピー・シー<6255>などのほか、足元でチャートが良化してきているGA technologies<3491>、ビジョナル、スパイダープラス<4192>、セルソース<4880>、GMOフィナンシャルゲート<4051>などに注目。

IPO(新規株式公開)では、8月2日に東証スタンダード市場に、米マイクロソフト製品を中心としたクラウドサービスを提供する日本ビジネスシステムズ<5036>が、8月5日に東証グロース市場に、ECサイトで服飾雑貨の販売などを手掛けるクラシコム<7110>がそれぞれ新規に上場する予定。




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