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米国株式市場見通し:主要企業決算、GDPやPCEコアデフレータに注目

注目トピックス 市況・概況
本格化する主要企業決算の内容に注目だ。消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブルが高インフレによる値上げに伴う販売数量の減少を指摘するなど、高インフレの消費者への影響が具体化し始めていることはリスクになる。また、百貨店のノード・ストロムは昨年の年末商戦シーズンにおいて、消費者が支出に慎重だったことを理由に通期利益見通しを下方修正した。景気後退懸念が根強い中、株価バリュエーションが依然高いとの見方もくすぶり、株式の買い控えも続きそうだ。また、週末に発表される12月個人所得・個人消費支出(PCE)や1月ミシガン大消費者信頼感指数確定値で、消費動向を見極める必要があろう。

ほか、10−12月国内総生産(GDP)速報値や12月PCEコアデフレータにも注目だ。FRBがインフレ指標として注視しているPCEコアデフレータの12月分は前年比+4.4%と3カ月連続の鈍化で、21年10月以来の低水準が予想されている。10−12月GDPは2四半期連続でプラス成長を保つ見込み。1月ミシガン大消費者信頼感指数確定値では特に期待インフレ率の動向に焦点をあてたい。同指数はFRBが金融政策を決定する上で重要視している。最近のガソリン価格の下落が奏功し、消費者の期待インフレ率は低下傾向にあり、FRBにとっては望ましい軌道を描いている。速報値では1年先期待インフレ率が大幅に低下し、21年4月来の低水準となったため、利上げ減速の思惑が強まった。インフレの伸び鈍化や成長減速が改めて証明され、利上げ減速が正当化された場合、株式市場の下値を支えることになるだろう。

経済指標では12月景気先行指数(23日)、1月製造業・サービス業PMI、1月リッチモンド連銀製造業指数(24日)、12月シカゴ連銀全米活動指数、10−12月GDP速報値、12月卸売在庫速報、新規失業保険申請件数、12月耐久財受注速報、12月新築住宅販売件数(26日)、12月個人所得・個人消費支出、PCEコアデフレータ、12月中古住宅販売仮契約、1月ミシガン大消費者信頼感指数確定値(27日)、などが発表予定となっている。

主要企業決算では、ソフトウェアメーカーのマイクロソフト、技術・金融サービスのゼネラル・エレクトリック、住宅建設会社のDRホートン、ヘルスケアのジョンソン・エンド・ジョンソン、防衛のロッキード・マーチン、金融のキャピタル・ワン・ファイナンシャル、製造業の3M(24日)、電気自動車メーカーのテスラ、通信のAT&Tや航空機メーカーのボーイング、コンピューター・ソリューションを提供するIBM(25日)、航空会社のアメリカン、メディアのコムキャスト(26日)、石油会社のシェブロン、ケーブルTV会社のチャーター・コミュニケーションズ(27日)、さらに、クレジットカード会社のマスターカードやビザ(26日)、アメリカン・エクスプレス(27日)、半導体関連ではテキサス・インスツルメンツ(24日)、インテル(26日)、などが予定されている。

クレジットカード会社の決算では消費動向がより明確になるため注目したい。高インフレを背景に消費者の支出に慎重な姿勢が明らかになる中、貸し倒れなどの状況、見通しに注目だ。半導体関連では、パンデミックによる特需の大幅後退でPCの売り上げ減には引き続き警戒だ。また、テスラは中国のコロナによる経済封鎖が影響し、売上の大幅減リスクに警戒したい。

(Horiko Capital Management LLC)




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