来週の相場で注目すべき3つのポイント:米FOMC、米雇用統計、日銀金融政策決定会合における主な意見
[24/01/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
*19:07JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米FOMC、米雇用統計、日銀金融政策決定会合における主な意見
■株式相場見通し
予想レンジ:上限36400円−下限35500円
日銀会合後の植田和男日銀総裁の記者会見では、展望リポートにあった「物価目標の達成に向けた確度は引き続き、少しずつ高まっている」を複数回発言。また、「3月会合に向けては賃金、経済、物価関係のデータがある程度出てくる」との発言もあった。一方、「長期金利コントロールの枠組みをマイナス金利解除後もある程度残すつもり」とも発言しており、金融緩和政策の基本的な枠組み維持の可能性も示唆した。
市場では、4月のマイナス金利解除がコンセンサスとなりつつあったが、3月解除の期待も高まったことから、「国債利回り上昇、株売り」という相場になった。ただ、為替は日銀会合後も1ドル=146〜148円台で推移し、目立った円高ドル安進行とはなっていない。既にマイナス金利解除はある程度織り込まれており、大幅な円高は進まないという見方もある。来週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあり、引き続き様子見ムードが強まる要因となろう。為替は日米金利差が重要視されるため、動意を見せるのはFOMC終了後となりそうだ。
中国当局は預金準備率を0.5%引き下げるなど景気刺激策を行ったことから、上海総合指数、香港ハンセン指数はやや持ち直す動きが見られている。ただ、ニデック<6594>が電気自動車部品の中国市場での不振を理由に今期純利益を下方修正するなど中国関連銘柄への風当たりは強いままだ。ファナック<6954>、村田製作所<6981>などの年始からのパフォーマンスは、日経平均およびTOPIX比では弱い。来週以降、決算発表が本格化を迎えることから、決算をきっかけとした「アク抜け」の動きが中国関連銘柄に入るか注目したい。
26日の大引け後に発表されたファナックの決算は、今期業績予想を上方修正し、市場予想を上回った一方、信越化<4063>は、第3四半期営業利益が1776億円と市場予想1945億円前後を下回った。決算を受けての個別物色中心となり、中国関連銘柄が総じて買われる地合いというのは先となりそうな状況か。
なお、今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比60.3ドル(+0.16%)高の38109.43ドル、ナスダックは同55.13ポイント安(−0.36%)の15455.36、S&P500は同3.19ポイント安(−0.07%)の4890.97ポイントで取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物(225ナイト)は、通常取引終値比230円高の35910円で取引を終えた。週明けの日経平均は35900円前後まで戻してスタートする可能性はあるが、まちまちな外部環境を受けて、強い反発となるかは難しいところだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。3月利下げ開始の市場観測は後退し、日米金利差縮小を想定したドル売り・円買いは縮小した。しかしながら、心理的な節目である1ドル=150円が再び意識されつつあり、この影響でリスク選好的なドル買い・円売りは抑制される可能性がある。今月発表された米経済指標はNY連銀製造業景況感指数やフィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想を下回った。ただ、国内総生産(GDP)は想定ほど減速せず、ミシガン大学景況感指数は市場予想を上回った。強弱まちまちのデータを受け、1月30-31日開催のFOMC会合では政策金利の据え置きが決まる公算。連邦準備制度理事会(FRB)は早期利下げには消極的であり、利下げ開始は5月以降となる可能性が高い。このことは金利高・ドル高要因となりそうだ。
一方、日本銀行は大規模緩和の継続を決定。日銀植田総裁は、マイナス金利を解除しても緩和的な政策の堅持を示唆している。日米金利差縮小の思惑は大幅に後退し、ドル・円は心理的な節目である1ドル=150円が視野に入っており、日本政府は円安進行を引き続き懸念していることから、状況次第で為替介入の用意があることを市場に伝える可能性がある。150円以下でドル売り・円買い介入が実施される可能性は低いものの、日本政府は円安進行に対して強い懸念を表明するとの見方は多いことから、150円近辺でリスク選好的な円売りは縮小し、ドル高円安は抑制される展開もあり得る。なお、米企業決算では一部ハイテク関連のほか、指数への寄与度が高い銘柄も注目される。好業績を受けた株高ならユーロ、英ポンドなどに対するリスクオンの円売りが強まる可能性は残されている。
■来週の注目スケジュール
1月29日(月):米・ダラス連銀製造業景況指数(1月)、など
1月30日(火):有効求人倍率(12月)、失業率(12月)、独・GDP(10-12月)、欧・ユーロ圏GDP速報値(10-12月)、米・消費者信頼感指数(1月)、米・JOLT求人件数(12月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(31日まで)、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)公表、など
1月31日(水):小売売上高(12月)、日銀金融政策決定会合における主な意見(1月22、23日分)、日銀金融政策決定会合議事録公表(2013年7-12月開催分)、中・製造業PMI(1月)、独・消費者物価指数(1月)、米・ADP全米雇用報告(1月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表、など
2月1日(木):中・財新製造業PMI(1月)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(1月)、英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表、米・ISM製造業景況指数(1月)、など
2月2日(金):米・非農業部門雇用者数(1月)、米・失業率(1月)、米・平均時給(1月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(1月)、欧・東南アジア諸国連合(ASEAN)閣僚会合、など
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■株式相場見通し
予想レンジ:上限36400円−下限35500円
日銀会合後の植田和男日銀総裁の記者会見では、展望リポートにあった「物価目標の達成に向けた確度は引き続き、少しずつ高まっている」を複数回発言。また、「3月会合に向けては賃金、経済、物価関係のデータがある程度出てくる」との発言もあった。一方、「長期金利コントロールの枠組みをマイナス金利解除後もある程度残すつもり」とも発言しており、金融緩和政策の基本的な枠組み維持の可能性も示唆した。
市場では、4月のマイナス金利解除がコンセンサスとなりつつあったが、3月解除の期待も高まったことから、「国債利回り上昇、株売り」という相場になった。ただ、為替は日銀会合後も1ドル=146〜148円台で推移し、目立った円高ドル安進行とはなっていない。既にマイナス金利解除はある程度織り込まれており、大幅な円高は進まないという見方もある。来週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあり、引き続き様子見ムードが強まる要因となろう。為替は日米金利差が重要視されるため、動意を見せるのはFOMC終了後となりそうだ。
中国当局は預金準備率を0.5%引き下げるなど景気刺激策を行ったことから、上海総合指数、香港ハンセン指数はやや持ち直す動きが見られている。ただ、ニデック<6594>が電気自動車部品の中国市場での不振を理由に今期純利益を下方修正するなど中国関連銘柄への風当たりは強いままだ。ファナック<6954>、村田製作所<6981>などの年始からのパフォーマンスは、日経平均およびTOPIX比では弱い。来週以降、決算発表が本格化を迎えることから、決算をきっかけとした「アク抜け」の動きが中国関連銘柄に入るか注目したい。
26日の大引け後に発表されたファナックの決算は、今期業績予想を上方修正し、市場予想を上回った一方、信越化<4063>は、第3四半期営業利益が1776億円と市場予想1945億円前後を下回った。決算を受けての個別物色中心となり、中国関連銘柄が総じて買われる地合いというのは先となりそうな状況か。
なお、今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比60.3ドル(+0.16%)高の38109.43ドル、ナスダックは同55.13ポイント安(−0.36%)の15455.36、S&P500は同3.19ポイント安(−0.07%)の4890.97ポイントで取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物(225ナイト)は、通常取引終値比230円高の35910円で取引を終えた。週明けの日経平均は35900円前後まで戻してスタートする可能性はあるが、まちまちな外部環境を受けて、強い反発となるかは難しいところだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。3月利下げ開始の市場観測は後退し、日米金利差縮小を想定したドル売り・円買いは縮小した。しかしながら、心理的な節目である1ドル=150円が再び意識されつつあり、この影響でリスク選好的なドル買い・円売りは抑制される可能性がある。今月発表された米経済指標はNY連銀製造業景況感指数やフィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想を下回った。ただ、国内総生産(GDP)は想定ほど減速せず、ミシガン大学景況感指数は市場予想を上回った。強弱まちまちのデータを受け、1月30-31日開催のFOMC会合では政策金利の据え置きが決まる公算。連邦準備制度理事会(FRB)は早期利下げには消極的であり、利下げ開始は5月以降となる可能性が高い。このことは金利高・ドル高要因となりそうだ。
一方、日本銀行は大規模緩和の継続を決定。日銀植田総裁は、マイナス金利を解除しても緩和的な政策の堅持を示唆している。日米金利差縮小の思惑は大幅に後退し、ドル・円は心理的な節目である1ドル=150円が視野に入っており、日本政府は円安進行を引き続き懸念していることから、状況次第で為替介入の用意があることを市場に伝える可能性がある。150円以下でドル売り・円買い介入が実施される可能性は低いものの、日本政府は円安進行に対して強い懸念を表明するとの見方は多いことから、150円近辺でリスク選好的な円売りは縮小し、ドル高円安は抑制される展開もあり得る。なお、米企業決算では一部ハイテク関連のほか、指数への寄与度が高い銘柄も注目される。好業績を受けた株高ならユーロ、英ポンドなどに対するリスクオンの円売りが強まる可能性は残されている。
■来週の注目スケジュール
1月29日(月):米・ダラス連銀製造業景況指数(1月)、など
1月30日(火):有効求人倍率(12月)、失業率(12月)、独・GDP(10-12月)、欧・ユーロ圏GDP速報値(10-12月)、米・消費者信頼感指数(1月)、米・JOLT求人件数(12月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(31日まで)、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)公表、など
1月31日(水):小売売上高(12月)、日銀金融政策決定会合における主な意見(1月22、23日分)、日銀金融政策決定会合議事録公表(2013年7-12月開催分)、中・製造業PMI(1月)、独・消費者物価指数(1月)、米・ADP全米雇用報告(1月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表、など
2月1日(木):中・財新製造業PMI(1月)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(1月)、英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表、米・ISM製造業景況指数(1月)、など
2月2日(金):米・非農業部門雇用者数(1月)、米・失業率(1月)、米・平均時給(1月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(1月)、欧・東南アジア諸国連合(ASEAN)閣僚会合、など
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