3Dマトリック---国内での製造販売承認と欧米での事業提携の期ズレにより、通期業績と中期経営計画を見直しへ
[14/03/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
スリー・ディー・マトリックス<7777>は、自己組織化ペプチド技術を用いて、バイオマテリアル(医療機器や医薬品の素材)を研究開発するベンチャー企業である。研究開発の領域は、外科領域、再生医療領域、DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)領域に及ぶ。研究開発以外にも、関連製品の製造販売や、関連技術のライセンス事業も手掛ける。
14日には、第3四半期累計(2013年5月-2014年1月期)決算を発表した。連結業績は、売上高に相当する事業収益が0.56億円、営業損益が10.48億円の赤字となった。
主要パイプラインである吸収性局所止血材「TDM-621」については、米国では臨床試験の開始に向けて米国食品医薬品局(FDA)と引き続き協議中で治験開始前の最終段階に入っているほか、欧州では1月14日付でCEマーク指令適合を受けたことにより、EU加盟国、ニュージーランド、香港等への販売が可能となり、研究開発から製造販売へと事業ステージを進めた。更にアジア・オセアニア・中南米など、グローバルにCEマーク適用を展開すべく、販売エリアの拡大に注力している。
また、第3四半期までの業績進捗を考慮して、通期業績予想を見直している。修正後の通期計画は、事業収益が前期比3.3倍の1.06億円、営業損益が14.64億円の赤字を見込んでいる。
国内において、TDM-621の製造販売承認の取得に向けて、医薬品医療機器総合機構(PMDA)による審査・協議が続いているため、期を越えての承認取得が予想されるため、マイルストーンペイメント収入及び製品販売収入が来期に計上される見込みとなったことが、業績予想の修正に影響した格好だ。また、欧米での販売権許諾に関しても複数社との接触・交渉を重ねているが、より良い条件での契約締結を目指して、欧米とも契約締結時期を来期中としたことも影響した。
通期業績予想の修正に伴い、中期経営計画も修正している。修正の要点は、国内でのTDM-621の製造販売承認の遅れと、欧米での事業提携時期の期ズレであり、それ以外には大きな変更はない。変更後の中期経営計画によると、2015年4月期には、事業収益が103.06億円、営業利益が45.62億円を、2016年4月期には、事業収益が134.97億円、営業利益が64.36億円を見込んでいる。
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